仏教が盛んなタイでは至る所にお寺が存在しますが、そのほとんどが黄金や銀色をあしらった緻密で美しい装飾が特徴です。その中で異例なのが「ワット・ パラット寺」。チェンマイ郊外の山中にひっそりと存在するこちら、きらびやかな装飾が一切なく、自然と一体化したような静寂で神秘的な場所が今、密かに癒しスポットとして人気です。大半の観光客はのドイ・ステープ寺の観光の途中に車で訪れますが、今回はチェンマイ市内となる麓から「Monk's Trail(僧侶の登山道)」を使ってハイクアップする方法をご紹介します。
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森の中にひっそりと佇むワット・パラット寺
ワット・パラット寺はチェンマイ市内から西方向にあるドイ・ステープ山の渓谷にある仏教寺です。黄金の仏塔があるチェンマイを代表する寺院、プラタート・ドイ・ステープ寺はドイ・ステープ山の頂きにありますが、このワット・パラット寺はチェンマイ市側の中腹に位置し、麓から登山をするにはちょうど良い距離。
登山道となる「Monk's Trail」は実際に毎朝僧侶も使っており、時間が合えば僧侶が列をなして山道を登っている様子を見ることもできますよ。
森の中にひっそりと佇むワット・パラット寺、空気がきれいで景色も良くゆったりとした気持ちになれる密かな癒しの空間として徐々に人気となっています。
大型ツアーバスが使える大きさの駐車場が設備されていないため、ガイドブックなどにはあまり載っていませんが、癒しの空間やパワースポットなどが好きな人にはぜひ訪れてほしいおすすめスポットです。
まず「Monk's Trail」トレイルヘッドまでアクセスしよう
Monk's Trailは市内から西の端となるドイ・ステープ山の麓にあります。まずは「Grab」や「Uber」もしくは「ソンテオ」と呼ばれる赤い乗り合いピックアップトラックに乗って「ステープ通り(Suthep Road)」を通り、赤い矢印が目印となるこの通りの突き当たりで下車します。
旧市街からは約10〜15分の距離となり、進行方向から右側にあるチェンマイ大学のキャンパスを通り過ぎたあたりとなります。(グーグルマップ上にMonk's Trailが追加されているので見つけるのがより簡単です。)
この看板がドイステープ通りの終わりの目印です。ここで下車したら右に曲ります。
数分歩くと道路はなだらかに左に曲がり、チェンマイ動物園の入場門まで続きます。道が別れるポイントではチェンマイ動物園のサインを目印にすると迷いませんよ。右手にある動物園入り口を過ぎ、そのまま一本道となる坂道を奥まで登り切りると左手にトレイルの管理所となる建物が見えてきます。
まずここに立ち寄って帳簿に名前と住所を記入しましょう。下車したポイントからここまでの時間は徒歩でおおよそ10分程度となります。
このまままっすぐ同じ一本道をたどると突き当たりに小さな駐車場と、写真のようなトレイルヘッドとなる目印が見えます。ここがワット・パラット寺へ続く登山道の入り口です。
トレイルの地図に各所のコースポイントも記載されているので、写真に収めておくと便利です。
Monk's Trailハイクを楽しもう
ここからは約45分程度となる山歩きを楽しみましょう。トレイルには至る所に僧侶の着用する法衣と全く同じ色となる鮮やかなオレンジ色の端切れが木々に結びつけてあります。それを目印にすることで迷うことなく簡単に登山が可能です。
途中にチェンマイ市内を見下ろせるビューポイントがあったり、小さな滝や鳥のさえずりを楽しむためのベンチなど休憩場所も設置されています。ゆっくりと時間をかけてハイクを堪能できますよ。
空気の澄んだ山の中、小鳥のさえずりをBGMに登山すると右側に仏像が見えてきます。
ここがワット・パラット寺の入り口となります。
ここからは神聖なお寺の敷地内となるため、肩や太ももを露出した服装はNGです。この点にご注意くださいね。
癒しの空間「ワット・パラット寺」を楽しむ
渓谷の中にあるこちらのお寺、チェンマイの寺院でよく見かけるお土産物屋さんなどの小売店も皆無で、緑が豊かでせせらぎの水音や小鳥のさえずりと共に仏像などを楽しめる静かな場所です。
お寺の敷地内には山からの清流が流れ込む小川があります。ここは水に足を浸しながら眼下に広がるチェンマイの街並みを眺めることができるため、ハイク後の休憩スポットとしておすすめですよ。
敷地内には、チェンマイの寺院に多いランナー様式とは異なり、お釈迦様をはじめとした自然と一体になったような仏像が多くあります。どちらかというと日本の禅寺やバリの寺院に近いイメージです。
とにかく雰囲気がよく、観光客も少ないため静寂を堪能できるパワースポットとしてお祈りをする人はもちろん、瞑想をする人も多く見かけます。
ここのお寺を訪れるなら、車道を使った観光客が増える前の時間帯となる早朝がおすすめです。トレイルを使ってハイクを楽しんだ後は、時間に余裕を持ってゆったりと流れる独特の空間を堪能してください。
お寺の散策を終えたら同じトレイルを使って下山します。朝8時過ぎにホテルを出発しても11時半過ぎには市内に戻ることができます。午前中にチェンマイで楽しめるアクティビティとしてもおすすめですよ。
トレイルで気をつけたいこと
登山コースとなるこちらのトレイルは、できるだけ動きやすい服装で行かれることをおすすめします。スニーカーなど歩きやすい靴、水分補給の水、タオルや蚊除けスプレーなどがあると便利です。また、こちらは神聖な場所へと続くトレイルです。道中グループで騒いだりすることの無いように気を付けてくださいね。
またワット・ パラット寺は観光名所となるプラタート・ドイ・ステープ寺などと違って入場料はありません。無料で観覧が可能ですが、メインとなるお堂にある「Donation Box(寄付箱)」が設置されています。拝観料として数百円ほど寄付することで、お寺の維持管理のサポートに繋がりますよ。