ヨーロッパ

内部写真OK!美しすぎる教会から見る、ヨーロッパ建築様式5選

取材・写真・文:

トラベルライター

2017年10月27日更新

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4. マンネリズム打破!バロック様式!セント・ポール大聖堂【イギリス】

  • 写真:トラベルライター

ロンドンの「シティ」近辺から、どこからでも見える巨大な大聖堂と言えば、セント・ポール大聖堂です。残念ながらこの教会は内部写真がNGですが、歴史・文化的価値が高い、英国国教会の聖堂です。

最初に聖堂が作られたのは、何と7世紀にさかのぼります。その後、火事や落雷により幾度となく再建を余儀なくされ、現在の聖堂は、建築家クリストファー・レンにより18世紀に建てられたバロック様式です。以降は崩れることがなく、ロンドン復興の象徴とされる建造物です。

バロック様式は、建築と絵画と彫刻の統合を目指しました。ルネサンスまでに技術的要素が完成されたと感じた建築家達によって、マンネリズムの打破、自由な発想の元、バロックが確立されました。

  • 写真:トラベルライター直径34mの大ドーム!

セント・ポール大聖堂の見どころは、直径34mの大ドームに描かれた、「聖パウロの一生」という見事な天井画です。まさに芸術的統合を果たした作品です。

また、外観の、西側2本の塔も特徴的です。高さは111m、ビルの28階に相当し、立体的な柱や、細部まで豪華に作られた彫刻が並びます。

  • 写真:トラベルライター
セント・ポール大聖堂
ロンドン / 教会
住所:St. Paul's Churchyard, London EC4M 8AD地図で見る
電話:20 7246 8350
Web:https://www.stpauls.co.uk/

5. 華麗な内部と伝説!ロココ様式★ヴィース教会【ドイツ】

  • 写真:トラベルライター取材日は冬でしたが、夏は周辺に草原が広がります。

最後にご紹介するのは、ドイツ・バイエルン州の、のどかな場所にぽつんと建つ、ロココ様式のヴィース教会です。白が基調で、輪郭がうねうねと不明瞭なシルエットが特徴です。この教会の外観もまた、際立ってはいません。しかし、内部は想像を超える豪華さです。

  • 写真:トラベルライター驚くほど華麗な内部です。
  • 写真:トラベルライター天井画も、建築家ツィンマーマン兄弟によって描かれました。

あまりに華麗な装飾の多さに、どこから見学したら良いか迷ってしまうほどですが、これこそがロココ様式の特徴。内部装飾や家具調度品の装飾を用いています。バロック様式に飽きた、建築家や芸術家達によって洗練されていった様式と言われています。

では、数ある装飾の中から、ヴィース教会建設のきっかけとなった、「鞭打たれるキリスト像」をご紹介します。

  • 写真:トラベルライター鞭打たれるキリスト像

元々、近くの町の教会に保存されていた「鞭打たれるキリスト像」は、キリストが血を流す姿があまりに生々しいとのことで、ずっと裏で保存されていました。それを哀れに思ったある農婦が像を譲り受け、毎日熱心にお祈りを捧げ続けました。するとキリスト像が、涙を流すという奇跡が起こったそうです。

その噂は瞬く間に広がり、礼拝者が絶えなくなり、農婦夫妻は像を小さな礼拝堂に移しました。そして18世紀後半、ドイツ宗教建築の第一人者である、ツィンマーマン兄弟の手により、ヴィース教会が建設されました。

華やかで曲線を帯び、例えるなら女性的。どこか優しい雰囲気を感じる、ロココ様式の最高傑作と言われる教会です。

ヴィースの巡礼教会
ドイツ / 社寺・教会 / 観光名所 / 教会
住所:Wies 12, 86989 Steingaden地図で見る
電話:8862-93293-0
Web:http://wieskirche.de/

見学・撮影時は、必ずマナーを守りましょう!

いかがでしたか?建築様式というと難しく感じてしまいますが、ざっくりな特徴を捉えて、興味のある建造物を見学することが、楽しむことの第一歩です。

教会は内部撮影がNGな場合が多いですが、今回ご紹介をした教会は、セント・ポール大聖堂以外は撮影OKの教会です。ただし、OKとは、「フラッシュ無し撮影は大目に見てくれる」の意味です!どの教会も、フラッシュ使用は、装飾品を劣化させる可能性がある為、NG行為です。フラッシュが出ないよう必ずカメラを確認し、また、一般礼拝者の妨げなどしないよう、マナーを守って見学・撮影をしましょう。

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