北欧フィンランドのほか、スウェーデンやノルウェー北部に位置するのがラップランドと呼ばれる北極圏地域です。北極圏では、夏は日が沈まない白夜を体験できるほか冬には、オーロラ観測もでき、自然好きにはたまらない経験をすることができます。今回は、フィンランド北部のラップランドの見所をご紹介します。
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北極圏(ラップランド)とは?
北緯66度以上の地域で、フィンランド、スウェーデンやノルウェー、そしてロシアにまたがる地域をラップランド(Lapland)と呼んでいます。
古くからトナカイ飼育が盛んで、先住民のサーミ族が居住しています。サーミの人々はサーミ語を話し、独自の伝統を守りながら生活しています。そんな歴史ある文化にも触れられるラップランドは、季節折々のアクティビティーを楽しむことができ、観光客にも人気の行き先となっています。
日本では春夏秋冬と四季がはっきりしていますが、フィンランドを始め北欧では現地の人が「季節は冬夏冬冬」と冗談をいうほど、どちらかというと冬のイメージが大きいかも知れません。
夏には夜になっても日が沈まない白夜が体験でき、冬には日が昇らない極夜でオーロラ観測のほか、犬ぞりやスノーシューで雪の上を歩くナイト・ウォーキングも満喫できます。自然との距離が近く、そんな自然の美しさが大きな魅力となっています。
今回は、フィンランドの北部に広がるラップランドの4つの季節の魅力をおすすめの街とともにご紹介します。
【夏】湖畔で日が沈まない白夜の日差しを浴びる!
6月下旬の夏至をフィンランドではJuhannus(ユハンヌス)と言い、湖畔でボンファイヤーを点すことで自然への感謝と畏敬を表現します。この夏至が1年で最も日が長くなるときであり、北極圏では夏至前後に太陽が沈まない白夜の季節を迎えます。
また日が長いので、旅行者にとっては、屋外での観光やアウトドア活動などのアクティビティーが目いっぱい楽しめ、なんだかお得感もあります。
イナリ湖周辺で文化や自然に触れ合いながら白夜を満喫
陽の光が降り注ぎ、若葉が香る夏には、観光と自然でのアクティビティーを充実させたいもの。Ivalo空港にほど近いフィンランド北部の街Inari(イナリ)はラップランド最大の湖イナリ湖畔に広がる街で、人口密度の低いラップランドにおいて、中規模の大きさの街です。
先住民サーミの大きなコミュニティーがある街であり、先住民サーミの文化や暮らしを展示するサーミ博物館「シーダ」があります。狩りをして暮らした先史時代や、サーミが住む地域に共生する動植物のこと、サーミの衣食住のことなど、実物大の展示物や美しいラップランドの写真の展示を織り交ぜながら文化に触れられる施設となっています。
- 出典:www.flickr.comInariの街にあるSIIDA博物館では先住民サーミの暮らしを紹介する展示がある(Photo by Richard Mortel)
博物館でこの地域のことについて学んだ後は自然でのアクティビティを楽しみましょう。オススメは、イナリ湖畔のコテージを借りて、日中は森でハイキングをしたりサウナに入ったり、サウナと湖を行き来して泳いだりしながら過ごすことです。
そして、午前2時でも煌々と輝く太陽の光を見てみると、白夜の意味を体験でき、とても不思議な感覚になります。北極圏でしか味わえない、太陽の強さを感じてみてください。
- サーミ博物館「シーダ」
- フィンランド / 博物館・美術館 / 博物館
- 住所:Inarintie 46,99870, Inari, Finland地図で見る
- Web:http://www.siida.fi/
【秋】ベリー、キノコ狩りや紅葉など色彩豊かな束の間の秋!
ラップランドの秋は、9月から10月初旬の数週間しかないといわれています。毎年9月中旬~下旬ころには初雪を迎え、本格的な冬となる準備をします。
北極圏のつかの間の秋には、そこら中の森の木々が燃えるように鮮やかな赤や黄色に色づきます。既に朝晩は0度近くにもなるので、急激に空気が冷やされることでこの美しい自然の色を織りなします。
サーリセルカの国立公園でハイキング!ベリー摘みやキノコ採りも
ラップランド最北のリゾート地、Saariselkä (サーリセルカ) にはウルホ・ケッコネン国立公園が広がり、秋にはハイキングをしながら紅葉狩りやベリー摘みを楽しむことができます。
秋も終わりごろに近づくと、落ち葉の間から様々な種類のキノコが顔を出します。おとぎ話にでも出てきそうな真っ赤な装いのベニテングダケは毒をもっていますが、黄色や茶色などのキノコの中には調理すればおいしくいただけるキノコも多数あり、多くのフィンランド人が森へ出かけます。
サーリセルカの国立公園などの森には、歩きやすいように舗装された道が続いているので北極圏の美しい自然を堪能するには最高のロケーションです。また、フィンランドには、「Everyman's Right」といって自然享受権がすべての人に与えられています、これは、敷地を跨いで誰でもキノコやベリー摘みなど自然でのアクティビティーを楽しむことができるという権利です。つかの間の北極圏の秋、お出かけしてみませんか?
- ウルホ・ケッコネン国立公園
- フィンランド / 自然・景勝地
- 住所:Urho Kekkonen National Park, Finland地図で見る