クリスマスの本場ヨーロッパの中でも、とりわけこの時季に活気づくのがドイツ。各地で「クリスマスマルクト(マーケット)」が開催され、街中が華やかなクリスマスデコレーションに包まれます。ドイツ南部の都市・ミュンヘンに暮らしていた頃に見聞きした情報をもとに、暮らしの中にある素敵な【クリスマスの風景】を厳選してお届けします☆
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【1】やっぱり定番!の「クリスマスマルクト」
昔ながらの“市場”の伝統が息づく、冬の風物詩
ドイツの生活には欠かせない「マルクト(市場)」。デパートやスーパーマーケットがどれだけ増えようとも、決まった曜日になると、広場に昔ながらの“市”が立つのが今なお慣例なのです。
昔から11月の終わりになると、通常の市場でクリスマスに必要な品物や食品を売っていたのが、現代の【クリスマスマルクト】の走りなのだとか。すっかり観光名所と化し「昔の風情は薄れた」という方もいますが、やはり華やかなマルクトは、厳冬の地で心を浮き立たせてくれる存在です♪
夜はさらにロマンチック❤
クリスマス前の時季のミュンヘンは、15時くらいからだんだん夕闇が訪れ、16時半にはとっぷりと夜のとばりが・・・。でも暗くなった分だけ、ひときわ輝くのが【夜のクリスマスマルクト】!
市内の主要なクリスマスマルクトの入口にはイルミネーションが飾られ、目を楽しませてくれます。マリエン広場(Marienplatz)の市庁舎前では、電球が灯されたツリーがお出迎え。暗がりの中、クリスマスグッズを眺めながらそぞろ歩くのは格別な気分です♪
【2】生木のクリスマスツリーを路上販売!
ミュンヘンの商業施設では11月下旬頃から店頭に大きなツリーを飾りますが、一般家庭ではツリーは「12月24日に飾るもの」。最近は必ずしもこの伝統が守られているわけではありませんが、少なくとも日本のように一カ月以上も前からツリーを飾る、ということはなさそうです。
その大きな理由の一つとして、ドイツでは“生木”こそがクリスマスツリーにふさわしいと考えられているから。筆者の夫がドイツ企業駐在中の上司に「プラスチックのツリーを買った」と告げたところ、ものすごくガッカリされたそうです。。(子どもが小さかったので生木は諦めたんですが涙)
クリスマスツリーに用いられるのは、モミやトウヒなどの常緑樹。オデオン広場(Odeonsplatz)では、毎年ツリー専門マルクトが開かれています。大きさも各種揃い、お好みのツリーが手に入るこの市場。覗いてみるだけでも楽しいですよ♪
生木を購入したら、素手で持ち帰る人多数。屈強なゲルマン人だからこそのワザでしょうか。。
ちなみに毎年クリスマスが終わると、ツリーを棄てるための「ツリー専用ゴミ出し場」の場所や日時が住宅ごとに指定されます。いかにミュンヘンの一般家庭で、“生木のツリー”が浸透しているかが分かりますね!
- オデオン広場
- ドイツ / 公園・動植物園 / 広場
- 住所:Odeonspl. 1, 80539 München, ドイツ地図で見る
- Web:https://www.muenchen.de/sehenswuerdigkeiten/orte/1...
【3】「アドヴェンツクランツ」や「リース」もそこかしこに
クリスマス前の4週間のことをアドヴェント(advent)と呼びます。「アドヴェントカレンダー」の流行などから、この言葉は日本でも段々定着していますよね。
正式なアドヴェントの数え方は、クリスマス前に4回の日曜日を挟まないといけないため、その年によって時季が若干ずれる傾向にあります。が、とにかく大切なのは日曜日。
なにをするのかというと・・毎週日曜の夜を迎えるごとに、アドヴェンツクランツの上に立てたロウソクに火を灯してゆくのです。4本のロウソクを灯しきって初めてクリスマスがやってくるとされ、ツリーは飾らなくとも、「アドヴェンツクランツは絶対!」という人もいるようです。
クリスマスマルクトに限らず、この時季には通常の市場や町のお花屋さんにも、リースやアドヴェンツクランツがずらりと並びます。ことさらに鮮やかな色彩は、長く続くドイツの冬を乗り切るための“知恵”なのかもしれません。
【4】クリスマス限定❤ラッピングトラムが登場!
ミュンヘン市民の便利な足であるトラム(路面電車)も、アドヴェント期間中は特別仕様に変身♪かわいいクリスマスラッピングを施されたトラム「ChristkindlTram(クリストキントトラム)」が、市内をぐるりと巡っているのです。
乗り場は「ゼンドリンガー門(SendlingerTor)」で、毎時0分と30分の出発(30分毎の発車)。運行時間は曜日によって違うので注意してください。2018年は12月1日(土)~23日(日)までの運行を予定しています。
こちらのトラムは移動手段ではなく、あくまでも観光列車の意味合い。途中下車はできず、ゼンドリンガー門~イザール門~カールス広場と市内中心部を一回りして、再びゼンドリンガー門へと戻ってきます。乗車時間は約30分弱です。
車内ではグリューワインが販売され、飲みながら12月のミュンヘンの町並みを見物できますよ♪
そして毎年12月6日には、ドイツ版サンタクロースの「聖ニコラウス」が、トラムにやって来るのです!乗客をかき分けて車内をゆっくり移動しながら、子どもを抱っこしたりお菓子をくれたりするニコラウス。
筆者の子どもは当時1歳だったため、白いおひげが怖くてギャン泣きしていましたが・・・。もしもニコラウスに会えたら、最高の旅の思い出になりますね❤
期間:12月1日(土)~12月23日(日)
時間:◆月〜金15:30〜19:00 ◆土日11:00〜19:30
料金:大人2EUR、6~14才1EUR、6歳未満無料
公式サイト:https://www.mvg.de/services/freizeittipps/christkindltram.html