弘前
弘前観光
りんごの生産量日本一!アップルパイは必食!?

土瓶で淹れる江戸時代のコーヒー!?弘前で「藩士の珈琲」をいただく

取材・写真・文:

ニュージーランド在住

2017年5月6日更新

2,404view

お気に入り

写真:mumin

江戸時代、幕府の命により、庶民で初めてコーヒーを飲んだといわれる青森県弘前の人たち。当時のめずらしい飲み方を再現した「藩士の珈琲」がここ、弘前でいただけるんです。ここでは、藩士の珈琲が生まれた成り立ちから、再現された「藩士の珈琲」の楽しみ方をご紹介します。

この記事の目次表示

庶民で初めてコーヒーを飲んだ、弘前市民たち

  • 写真:mumin

今では当たり前のようにある、私たちが大好きなコーヒーは、遡ること江戸時代にオランダから日本に持ち込まれました。

この頃、ロシアからの襲撃に備えた北方警備のため、幕府の命により弘前藩の藩士たちは蝦夷地(今の北海道)に向かいました。しかし極寒の地に就いた多くの藩士たちが、ビタミン不足による浮腫病にかかり命を落としてしまったといいます。

そこで浮腫病の予防のため、薬用として配給されたのがコーヒーです。蝦夷地に勤務した幕臣に届いた仕様書には、以下のようなことが書かれていました。

「黒くなるまでよく煎り、こまかくたらりと成迄つきくだき弐さじ程麻袋に入、 熱き湯にて番茶の如き色にふり出し、土びんに入置、さめ候得ばよくあたため、砂糖を入用るべし」

出典:www.naritasenzo.co.jp

現在のドリップコーヒーのような淹れ方ですよね。

  • 写真:mumin

その当時、北方警備に向かったのは藩士だけでなく、農民や漁師などの庶民も多く含まれていたといいます。一部の特権階級の人々や蘭学者を除けば、日本ではじめてコーヒーを飲んだ庶民は青森県弘前市の人々だったということです。

今日では当時のめずらしい飲み方を再現した「藩士の珈琲」が弘前名物となり、多くの人に親しまれていますよ。観光のひとつとして、めずらしい「藩士の珈琲」をぜひ飲んでみてはいかがでしょうか。

土瓶で淹れる江戸時代のコーヒー

それでは、早速「藩士の珈琲」を体験してみましょう。今回は「藩士の珈琲」を復活させた成田専蔵珈琲店でいただきます。

  • 写真:mumin

「藩士の珈琲」をオーダーして、まず渡されるのがこの手作りのレシピ。成田専蔵珈琲店では、①豆をすることから始める、②すでに麻袋に入ったコーヒーを土瓶に淹れる、③お店が淹れた藩士の珈琲を楽しむ、の3つの飲み方を選ぶことができます。

今回は、②の麻袋に入ったコーヒーを淹れるところからオーダーしてみました。

  • 写真:mumin

お湯の入った土瓶に麻袋が入り、砂時計が落とされた状態で届きます。コーヒーを土瓶で蒸らし、待つこと1分。

  • 写真:mumin

今度は、麻袋を上下に1分ほど振り出します。はじめはお茶と何ら変わらない見た目でしたが、ちゃんとコーヒーが出てきましたよ。お好みでさらに麻袋を振り出し、濃いめのコーヒーにすることも可能だそう。

  • 写真:mumin

通常のレシピ通りのお味は、優しい薄味で、とろっとした口当たり。添えられた砂糖菓子とよく合います。昔の藩士たちも、こんな風に嗜んだのかと思うと、不思議な感覚がしますよ。一風変わった「藩士の珈琲」、ぜひ一度飲んでみては?

「藩士の珈琲」を取り扱うお店

弘前市内では、いくつもの喫茶店で「藩士の珈琲」を取り扱っています。詳しくはこちらをご覧ください。

  • 写真:mumin成田専蔵珈琲店
  • 写真:mumin大正浪漫喫茶室

筆者のオススメは、「藩士の珈琲」を復活させた成田専蔵珈琲店や、藤田記念庭園のなかにある大正浪漫喫茶室。どちらも雰囲気があり、素敵なお店ですよ。観光の一休みに、ぜひ立ち寄ってみませんか?

成田専蔵珈琲店 城東店
弘前 / カフェ・喫茶店 / コーヒー
住所:青森県弘前市城東北2丁目7-4地図で見る
電話:0172-28-2088
Web:http://www.naritasenzo.co.jp/
大正浪漫喫茶室
弘前 / カフェ・喫茶店 / ご当地グルメ・名物料理 / アップルパイ / インスタ映え
住所:青森県弘前市大字上白銀町8-1 藤田記念庭園内地図で見る
電話:0172-37-5690
Web:https://www.facebook.com/fujitataisyoromankissa/

弘前の旅行予約はこちら


弘前のパッケージツアー(新幹線・飛行機付宿泊プラン)を探す

弘前のホテルを探す

弘前の航空券を探す

(青森空港)

弘前の現地アクティビティを探す

弘前のレンタカーを探す

弘前の高速バスを探す

この記事で紹介されたスポットの地図

関連するキーワード

※記事内容については、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。

あなたにオススメの記事

同じテーマの記事


東北で人気の神社・お寺TOP17!旅行好きが行っている寺社ランキング

中尊寺や山寺、毛越寺、上杉神社などをはじめとする東北の神社・お寺を、トリップノートの8万3千人のトラベラー会員(2022年11月時点)が実際に行っている順に、人...


【2023】東北の人気観光スポットTOP54!旅行好きが行っている観光地ランキング

仙台城跡に中尊寺、松島や鶴ヶ城などをはじめとする東北の観光スポットを、トリップノートの8万7千人の旅行好きトラベラー会員(2023年4月現在)が実際に行っている...

【東北】人気のお城TOP11!旅行者に人気の城ランキング

仙台城や鶴ヶ城、弘前城など東北地方にあるお城を、トリップノートの8万7千人のトラベラー会員(2023年3月現在)が実際に行っている順に、人気ランキング形式でご紹...

青森・子供と行きたい観光スポット29選!子連れ旅行におすすめ

お姫様・お殿様衣装の着付け体験が好評の「弘前公園」や、ねぶた文化を体験できる「ねぶたの家ワ・ラッセ」、土偶や勾玉づくりが楽しい「三内丸山遺跡」など、青森への子連...

車旅1泊2日【青森】各エリアの必見スポット32選

新青森駅からも近く、オシャレな店舗や観光スポットも集まる人気の青森ベイエリア。ここを起点に津軽、十和田、弘前、三沢&八戸の各エリアで人気の必見スポットを車で巡る...

この記事を書いたトラベルライター

無計画さが玉にきず、自由気ままなトラベラー。
幼い頃からよく動き回る子どもだった私は、そのまま大人になり大の旅行好きとなりました。見知らぬ街で、はじめてみる景色や人との出会いが、冒険しているようで大好きです。国内外さまざまな場所へ行き、「旅をしながら暮らすこと」が将来の夢。自分の経験も踏まえつつ、読者の方に役立つ情報をお届けしたいと思います。

【岩手県】ここだけは行きたい!定番のおすすめ観光スポット5選

北海道に次いで広い面積をほこる岩手県は、世界遺産の「平泉」をはじめ、リアス式海岸で知られる「浄土ヶ浜」や「龍泉洞」など、歴史的建造物やうつくしい景勝の宝庫!日本...


冬の蔵王はこう楽しむ!山形・蔵王の見どころ4選&周辺のおすすめ観光スポット4選

宮城県と山形県の県境にそびえる「蔵王連峰」。日本百名山にも選ばれた美しい山は、夏はエメラルドグリーンの神秘の湖「御釜」や、冬にはスノーモンスターと呼ばれる「樹氷...


秋田観光の穴場、「抱返り渓谷」の見どころ完全ガイド!

神秘的な碧い渓流や、紅葉の名所として知られる「抱返り渓谷」。田沢湖や角館からも程近く、秋田観光の穴場スポットです。今回は抱返り渓谷に行くならおさえておきたい見ど...

お土産も揃う、巨大市場!八戸観光の定番「八食センター」の見どころ10選

八戸観光といえばココ、「八食センター」。港町・八戸ならではの新鮮な魚介類や珍味、変わり種スイーツに八戸B級グルメモニュメントまで、ありとあらゆるものが揃う巨大市...

天然芝生の美しい海岸線!八戸・種差海岸の見どころ10選&楽しみ方3選

異国情緒ただよう、美しい海岸「種差海岸」。代表的な景観の「種差天然芝生地」をはじめ、趣ある松並木や西洋の古城のような展望台、"かぶあがり祈願"で有名な神社など見...

トラベルライターインタビュー Vol.3 Emmyさん

【トラベルライターインタビューVol.3】一人旅を応援する記事を多数執筆!Emmyさんならではの人気記事執筆のコツやその原動力に迫ります