日本三大庭園の1つでもある水戸の偕楽園。普段は暗闇に染まる庭園が、チームラボにより神秘的で華麗な彩りの世界に変身しています。梅まつりに合わせ短期開催の光の祭、期間やチケットの購入方法、駐車場情報、見どころもご紹介します。
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偕楽園(かいらくえん)とは?
茨城県水戸市にある偕楽園は、金沢の兼六園、岡山の後楽園とならぶ「日本三名園」の一つで、2022年には開園180年を迎える庭園です。1842年(天保13年)に水戸藩主を務めていた徳川斉昭(とくがわなりあき)公により造られ、広大な敷地には、約100種類3,000本もの梅が植えられています。
- 偕楽園
- 茨城 / 庭園 / 梅の名所
- 住所:水戸市常磐町1-3-3地図で見る
- 電話:029-244-5454(偕楽園公園センター)
- Web:https://ibaraki-kairakuen.jp/
「チームラボ 偕楽園 光の祭」について
2021年より開催されているアート集団チームラボによる「チームラボ 偕楽園 光の祭」。偕楽園の森や庭園を使い、「長い生命の連続性」を表現した全9作品が公開されています。咲く時期が少しずつ異なる梅の花が春の訪れを告げながら広がっていくように、人々の存在によって光が相互に作用しあう光のアート空間です。
またチームラボは、「Digitized Nature」というアートプロジェクトを行っています。それは、自然を破壊することなく、自然そのものが自然のままアートになるという考え方で、まさに偕楽園という自然の庭園をそのままに、大きなアート空間へと変身させています。
「チームラボ 偕楽園 光の祭」のみどころ
吐玉泉(とぎょくせん)入り口前
入り口前からチームラボの世界が始まっています。池や周囲の木々が光によって幻想的に浮かび上がり、開園前からうっとりするような光のアートの世界です。ここまでは無料区域となります。
我々の中にある火花
吐玉泉入り口から歩を進めると、吐玉泉や太郎杉を遠目に、登り坂を回り込んでいくように進みます。遠くから見ると車のテールランプのような赤い光。暗闇に浮かび上がる光に誘われて、不思議な世界に引き込まれていくようです。
Walk,Walk,Walk-孟宗竹林
孟宗竹林(もうそうちくりん)に描き出された群像が歩き続けます。群像は、雅楽を奏でる人であったり、牛車を伴うカエルであったり、ウサギの行列であったり、それはまるで鳥獣戯画の世界。暗闇で見ていると、夢の世界に迷い込んだような、不思議な気分になっていくでしょう。
坂を登りながら、行列も共に進みます。映像が終わりに近づくと、すべての群像が花びらと化し、空に浮かんで消え去る世界。ぜひ最後まで楽しんでくださいね。
生命は連続する光-梅林
好文亭(こうぶんてい)の前に広がる1,500本の梅の花が明滅します。梅の下を歩く人々に呼応するように、白い光は周囲を淡く染め、雪景色のようにも錯覚させられる風景です。梅の花が咲き揃えば香りと光とのコラボレーションが楽しめるでしょう。
呼応する松とつつじ
好文亭の前に広がる庭園には、樹齢300年にもなる霧島つつじをはじめ、薩摩藩から寄贈されたとされるつつじが植えられています。それらのつつじや松が、色を変え、ゆっくりと明滅します。木々の光は、人が立ち止まるとそれに呼応し色を変化させます。
様々な色をまとい、暗闇の中で命が宿ったように感じるのは気のせいでしょうか。緑になった松の木は、まるで巨大なブロッコリーにも見えるから愉快です。
具象と抽象-陽と陰の狭間
偕楽園には孟宗竹で連なる立派な竹林があります。この竹は、弓の材料とするために斉昭公が京都男山の竹を移植したものです。松とつつじの庭園を「陽の世界」とし、クマザサや竹林を「陰の世界」とした境界にある作品。緑の線による光は、人が立ち入ることで新たな線が生まれ、広がっていきます。ここでは、人間までもアートの一部です。