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本殿
拝殿の後ろには本殿があります。こちらの本殿は、もともとは同じく鎌倉にある「鶴岡八幡宮」のお宮を移築したもの。
修復されているのでピカピカですが、1,316年も昔のもの。(移築自体は、1624年です)
江戸時代のあたりには、鶴岡八幡宮のお直しがあるたびに、そこで余った木材でこの本殿を修復していました。
鎌倉の建物の多くは、残念ながら火事や災害で無くなったものが多いので、こうして昔の建物が残っているのは、結構珍しいんですよ。
実は、ここは鎌倉幕府にとって鬼門の守護神という位置づけでした。鬼門といえば鬼が出入りする方角ですから、魔除けの意味合いが強いのでしょうね。
古い建物が無事に現代まで残っているのも、強い魔除けのパワーがあったからこそしれません!
「えがら」天神社ならではの「かっぱ筆塚」&「絵筆塚」
かっぱ筆塚
さて、冒頭で「えがら」つながりでこちらの神社では、他では見られないものをお祀りしているとご紹介しました。
境内には、鎌倉在住だった漫画家の故 清水崑(しみずこん)さんが発起人となって、愛用の絵筆を納めた「かっぱ筆塚」があるんです。
清水崑さんといえば、「黄桜」のカッパCMの初代キャラクターを描いた方です。「力ッパッパ~♪ルンパッパ~♪」という軽快な曲とともに、独特の色気を漂わせた女性力ッパが登場するお酒のCMです。
このかっぱ筆塚の裏側もぜひご覧ください。鎌倉ゆかりの文豪、川端康成が書いた「かっぱ筆塚」の文字が彫られています。
文豪 川端康成の邸宅も同じく鎌倉にありますよ。邸宅は残念ながら一般非公開(外から外観を拝見することは可能)ですが、川端康成の作品『山の音』に登場する舞台となった「甘縄神社」と隣接しており、邸宅と聖地巡礼が一度に出来ちゃったりします。
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お時間があれば、そちらもぜひぜひ訪れてみてくださいね。
絵筆塚
さらに、同じく漫画家の故 横山隆ー(よこやま りゅういち)さん(『フクちゃん』のかたです!)が発起人となって、150近くのキャラクターのレリーフを貼り付けた絵筆塚があります。
筆型の青銅の絵筆塚は、3メートル以上もある高さで、なかなかの迫力です。境内の隅っこに重厚なロケットが鎮座しているという感じ。
近づいてみると、壁面にずら~っと、誰もが知っているキャラクターのレリーフが随所に貼られているんです!
マンガ大国ニッポン。漫画を崇める神社として、日本ならではの神社という感じですね。
常に数人が絵筆塚の周りを取り囲んでおり「あ~!これ知ってる!」「ドラえもんがいる!」という感じで、高揚してレリーフを眺めています。
とっても沢山あるので、ぜひご自身の目で、すべてのレリーフをコンプリー卜してくださいね!
ちなみに漫画家に縁のあるこの神社では、毎年10月に多くの漫画家が参列して、絵筆供養が執り行われるそうですよ。
鎌倉一の大イチョウ
荏柄天神社に菅原道真の肖像画が降臨した際に、傍らにイチョウの木を植えたとご紹介しました。
それがこのイチョウです。じゃじゃーん!
立派なイチョウだと思いませんか。このイチョウは、鎌倉市の天然記念物に指定されています。ほれぼれするほど立派な太さです。さすがご神木という気配ですね。
実は、鎌倉ではもともと鶴岡八幡宮にあるイチョウが一番大きいとされてきました。
ところが、数年前の強風により、このイチョウが折れてしまったのです!結構ニュースになったので、覚えていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。
そのため現在では、荏柄天神社にあるイチョウが鎌倉一大きなイチョウとなりました。樹齢900年の貫録を感じさせますね。(鶴岡八幡宮のイチョウは樹齢1,000年でした。)
もちろん合格祈願
やっぱり学問の神様ですから、合格祈願・学業成就を祈っちゃいましょう。お勤めの方でも、資格試験などでご利益にあやかりたい方も多いのでは?
拝殿の横には、ギッシリ掛けられた絵馬に、自然と目がひきよせられます。やっぱりみんな「受かりますように!」といった合格祈願が多いようです。
直近で試験がなくとも、「頭がよくなりますように」っていう漠然としたお願いでも、もしかしたらご利益あるかもしれませんよ!?
菅原道真といったら梅の木
菅原道真といえば、「梅」。ご本人が生前大好きだったんですね。
ということで、境内はシンボルの梅マークでいっぱいです。菅原道真のパワーもあってか、境内には鎌倉一早く咲く梅がありますよ。
梅好きの菅原道真はこんな歌も残しています。「東風(こち)吹かば にほひおこせよ 梅の花 主(あるじ)なしとて 春な忘れそ」
現代風に訳せば「春の東風が吹いたなら、花を咲かせて、その香りを漂わせておくれ、梅の花よ。主人の私がいなくとも、春を忘れないでいておくれ。」という感じでしょうか。
菅原道真が職場のライバルに罪を着せられて、左遷させられるときに詠んだ歌と言われています。「主人の私がいなくとも、春を忘れないで咲いておくれ。」という別離の気持ちが詠まれているわけですね。
おわりに
いかがでしたか?全国にある天神様の中でも珍しい「荏柄天神社」。鎌倉ゆかりの漫画家や文豪にも愛され、数多ある神社のなかでも珍しい「えがら」神社にもなりました。
試験を控えて神頼みとしてお参りするも良し、全国でも珍しい神社として楽しむのも良し!
ぜひぜひ鎌倉訪問の際に訪れてみてくださいね。