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【2.茅ヶ崎駅-橋本駅】海岸線から山と川の相模線
相模線は茅ヶ崎駅と相模原市の橋本駅を結ぶ、僅か33.3kmの路線です。湘南地域では時折車窓から海が見えたりしましたが、相模線は太平洋に別れを告げ、内陸をひたすら北上します。
車窓の左手には丹沢山系の山々が連なり、寒川駅を過ぎると相模川を目の前にすることができます。都心を離れ、僅か2時間。眼前に広がる風光明媚な風景に思わず感動です。
【3.橋本駅-八王子駅】リニアの駅として注目が集まる橋本駅
橋本駅は相模原市のターミナル駅です。JRは相模線と横浜線が接続し、私鉄は京王電鉄相模原線が乗り入れます。また、将来的にJR東海のリニア中央新幹線の停車駅になる計画があります。東京西部の重要な駅として今後注目が集まっています。
そんな橋本駅で横浜線に乗り換え、八王子駅を目指します。相模線とは風情が異なり、しばらく街中を走ってちょっと一息つきます。
昼食/八王子の駅ナカグルメ
さて、品川駅を出発してからここまで来るまでに約3時間。そろそろ小腹も空いてくる頃合いです。この後に続くJR八高線での電車旅は長くなりますから、八王子駅で腹ごしらえを行なっておくのは一つのポイントともいえます。幸い、八王子駅には駅そばが2軒と駅弁を販売する駅弁屋さんがあります。
駅弁を購入して、この後に乗る八高線の車内で食べるというのもひとつの手です。駅そばは横浜線のホーム、5・6番線にある「あじさい茶屋」、そしてホームをあがったコンコースにある「いろり庵きらく」の2軒。両店ともJR東日本の子会社日本レストランエンタプライズの店舗となっているので、もちろんSuicaでの支払いが利用できます。
【4.八王子駅―高麗川駅】大回り乗車のハイライト、八高線
今回紹介する大回り乗車・西回りコースのクライマックスといえるのが、JR八高線です。東京都の八王子駅から群馬県の高崎駅までを結ぶ路線かと思いきや、さにあらず。高崎駅のひとつ手前「倉賀野駅」までを結ぶ路線です。
1996年に電化されるまで、八高線は都内で唯一の非電化区間でした。それでも埼玉県の高麗川以北の区間は未だに電化されておらず、ローカル線の風情は未だ健在です。関東平野の西端の際をなぞるように走る変化に富んだ風景が魅力の路線です。
見どころは金子駅周辺
ひとつの区間で電化と非電化が混在する八高線は2つの顔をもつ路線といえます。路線南側の八王子-高麗川間は電化車両、路線北側の高麗川以北は気動車によるローカル線の旅です。
まず、高麗川駅までの約40分は通勤車両タイプの列車で快適な旅を楽しみます。見どころはなんといっても、埼玉県の狭山丘陵を横切る金子駅周辺。狭山茶が有名な狭山の茶畑と、標高158mという八高線最高所地点の景色両方が楽しめる絶景ポイントです。
【5.高麗川駅-倉賀野駅】高麗川以北の美しき風景
さて、高麗川駅に到着し、ここで再び乗り換えとなりますが、行先は2つあります。そのまま八高線を北上するルートを辿るか、それとも高麗川から分岐する川越線のルートをとるか。今回は、北上して倉賀野駅を目指すルートを紹介します。
倉賀野駅を目指すルートは非電化区間となっており、キハ110系と呼ばれるディーゼル車に揺られるのんびり旅。車内のシートの配置もボックスシート、クロスシート、更に一人掛けのシートが混在し、混んでなければ駅弁をいただきながらローカル線の旅を楽しむこともできます。ディーゼル車ですからエンジンの轟音は致し方ありませんが、それも旅は道連れ。気持ちが盛り上がってきます。
この区間での絶景ポイントは河川。高麗川、越辺川、都畿川、雀川、槻川、荒川、天神川、小山川、神流川、鳥川など大小10本の河川を超えていきます。水多き関東平野を実感できるとともに、昔懐かしいふるさとの景色を回想するでしょう。
倉賀野駅にて下車
JR八高線は八王子と倉賀野駅を結ぶ路線です。下り列車は高崎駅まで運航しており、うっかり高崎駅まで行ってしまいそうですが、ここは注意しなければいけません。倉賀野―高崎間はJR高崎線(上野東京ライン)となっており、もし高崎まで行って高崎線で帰京する場合、一筆書きにはならず、大回り乗車は成立しません。
このため、JR高崎線を利用する場合は倉賀野駅にて乗り換えとなります。なお、倉賀野駅の駅ナカに店舗はありません。
【6.倉賀野駅-大宮駅】JR高崎線は日本人の心象風景そのもの
倉賀野駅を降りたあとは、JR高崎線に乗り換えて大宮駅を目指します。高崎線はJR上野東京ラインとして都内にも乗り入れていますが、正式な路線は大宮-高崎で、路線距離は74.7km。関東平野のほぼ真ん中を走る近郊路線です。
北関東を走る風景は日本の田園風景そのもの。春夏秋冬の移り変わりを感じさせてくれます。東京から僅かな距離であるにもかかわらず、思えば遠くへ来たもんだと思わせてくれる風景です。
間食・夕食/メガステーション大宮の駅ナカグルメ
巨大な駅ビルと化したJR大宮駅は、東北新幹線の北の玄関もさることながら、間違いなく埼玉県の中心という風格に満ちています。駅ナカにはたくさんのテナントがあふれ、おいしいものがここあそこに溢れています。
ここでおすすめの駅ナカグルメが、エスニックが薫る唯一の店舗「カオマンガイキッチン」です。タイ料理の蒸し鶏料理、カオマンガイ専門店が大宮駅構内にあるのも驚きですが、本格的なおいしさのカオマンガイを800円というリーズナブルな料金でいただけるのも大きな魅力。絶対おすすめのお店です。
- 大宮駅
- 埼玉 / 駅・空港・ターミナル
- 住所:〒330-0853 埼玉県さいたま市大宮区錦町 大宮駅地図で見る
- Web:https://www.jreast.co.jp/estation/stations/350.htm...
【7.大宮駅-東京23区内】大宮からそれぞれのゴールへ
JR大宮駅からは様々な路線が出ています。京浜東北線で都内へ出るのもいいでしょう。上野東京新宿ラインで都心に出るのもひとつの方法です。重要なのはそれぞれの出発地のひとつ手前の駅で下車し、この旅を終えてください。
筆者の場合、大宮駅から赤羽駅まで行き、下車しました。そして、いつも行く酒場で大回り乗車達成の祝杯をあげました。僅か140円で1都3県を巡る旅のスケールを思い出しながら。