ロンドンの観光スポットの中でも、常に大人気なのが大英博物館。博物館を堪能するには、何日間も必要です。そこで、必見の展示品を効率よく見学する2時間ルートを提案します。体力を温存しつつ、時間を有効に使って楽しみましょう。
この記事の目次表示
大英博物館の紹介
大英博物館とは?
世界の民族資料から、考古学的価値の高い古代の出土品まで、貴重な文化遺産となる所蔵品の数は800万点ともいわれる、世界最大級の博物館です。博物館の始まりは、驚くことに個人のコレクションで、1759年に医師のハンス・スローン卿が約8万点もの所蔵品を国に残したのがきっかけです。その後も、政府や外交官たちが拡大に貢献し、膨大な所蔵品となりました。
ロンドンのどこにあるの?
ロンドンの町の中心部からは、ほんの少し離れた場所にありますが、中心部のピカデリー・サーカスから歩いても17分程度です。地下鉄の最寄り駅は、トッテナム・コート・ロード(Tottenham court Rd.)、ホルボーン(Holborn)、ラッセル・スクエア(Russell SQ.)、グッジ・ストリート(Goodge St.)の4か所。それぞれの駅から徒歩で、5~8分程度となります。メインゲートに一番近いのは、トッテナム・コート・ロード駅です。
大英博物館内の簡単な展示内訳
以下に簡単な展示内訳を記します。現在約800万点にのぼる収蔵品のうち、常時15万点のコレクションを、約100室のギャラリーで公開しています。
アフリカ
◆Ground Floor(1階)
正面玄関・リーディングルーム・カフェ2か所・ミュージアムショップ3か所・アメリカ・古代エジプト・古代ギリシャ・ローマ・アジア・中東
◆Upper Floors(2階以上)
レストラン・古代エジプト・古代ギリシャ・ローマ・アジア・ヨーロッパ・中東
まずは、公式サイトを開いてみましょう。日本語にも対応しているので、活用しやすいと思います。サイト内には、平面図や時間を限って(1時間・3時間)の見学コースも提案されています。
2時間で楽しむためのポイント
予習が大切
限られた時間で楽しむには、予習が大切です。どんな収蔵品があるか、絶対に見たい!と思うものは何か?これらを、自分の中で整理しておくことが重要になります。公式サイトでは、主要な展示品についても写真付きで紹介されているので、大変参考になります。
周り方が大切
見たいものが決まったら、まずは公式サイトから地図をプリントアウトし、チェックしておくと万全ですね。博物館内を、エリア別に見て歩こうとすると、フロアの移動が必要になり、階段も長く、エレベーターも混雑するのでお勧めしません。グラウンド・フロアを見学後にアッパー・フロアへ移動する、もしくは反対廻りの見学がお勧めです。
見学ルートサンプル
今回は、一般的に大英博物館で必見!と言われるものをピックアップし、公式サイトでは提案されていない2時間ルートを提案します。内容は、必見のコレクション9種と、リーディング・ルーム見学、コート・レストランでのアフタヌーンティ、ミュージアムショップでのお買い物まで楽しむルートです。
Ground Floor
正面玄関を入って直進すると、グレート・コート(Great Court)になります。ここは、大英博物館の中で、最も古い部分の一つで2000年の大改築の際、新たに作られたエリアです。
右手に館内インフォメーションがあります。マルチメディアガイドの貸し出し(£7/¥985)もしているので、レンタルすると便利です。モノクロマップは無料で、カラーは有料になります。入場料金が無料なので、できれば寄付をするか、ショップやカフェを使用して貢献したいですね。
①ロゼッタ・ストーン
メインエントランスからグレート・コートの左側へ進むと、入ってすぐの部屋Room4に、大英博物館を代表するコレクション、ロゼッタ・ストーンがあります。1799年にナポレオン軍がエジプトで発見し、1822年にヒエログリフ(神聖文字)の解読に成功、エジプト研究が一気に加速したといわれています。
よく見ると円で囲まれた文字があります。これがファラオの名前だと気づいたことが解読につながったそうです。これを見ずには帰れないと言われる展示品です。
②ラムセス2世の胸像
ロゼッタ・ストーンと同じ部屋にあるラムセス2世の胸像。高さ2.67m、重さ7.25tもある虚像は、1816年にエジプトから運ばれました。ナポレオンは、エジプト遠征時に持ち帰ろうとしたのですが、その重さに断念したそうです。右胸にあいている穴は、その時の努力の証となっています。
③パルテノン神殿の破風彫刻群(エルギン・マーブル)
ロゼッタ・ストーンからグレート・コートを背にして、まっすぐ突き当りまで進みましょう。パルテノン神殿の破風彫刻が展示されているRoom18になります。エルギン伯爵がギリシアから持ち帰った彫刻群は、パルテノン神殿の東側の破風(屋根の一部)を装飾していたものです。2000年も前のものとは思えない、緻密かつ力強さを感じる彫刻です。伯爵の名前からエルギン・マーブル(大理石)と呼ばれています。
④ヌルイデス・モニュメント
破風彫刻を見学後は、グレート・コートに戻りながら、見学しましょう。Room18を背にして、一つ目の部屋Room17は、まさにギリシア神話の世界が広がります。現在のトルコ南西部で発見された神殿風の墓廟です。
⑤アッシリアの人面有翼牡牛像
グレート・コートに戻る途中、通路の途中Room10には、アッシリアの人面有翼牡牛像が、複数体展示されています。1枚岩で作成されたラマッソスと呼ばれる像で、紀元前7世紀に、守護神として王宮の入口や城門に飾られていたもの。
頭部は冠をかぶった人間、体は羽根のある牡牛、前から見ると前足が2本、横から見ると3本足という不思議な動物像です。博物館内で一番大きな展示物なので、見逃すことはないと思います。
⑥うずくまるアフロディテ像
Room10の隣のRoom23には、うずくまるアフロディテ像が展示されています。2世紀ごろに造られたもので、水浴姿をみられて、慌てて体を隠すアフロディテが表現されています。女性らしい曲線のラインがとても美しい彫刻です。
⑦イースター島のモアイ像
いったんグレート・コートに戻ります。ミュージアムショップを前にして、左手に進みRoom4へ向かいます。手前には、コートカフェがあるので、疲れた場合は一休みも。Room4に入ると、圧倒的な存在感のモアイ像がお出迎えです。1枚岩でつくられ、高さ2.4m、重さ4tの巨像ですが、島では小ぶりな像だそうです。背中には、鳥人信仰の現れといわれる鳥の姿が描かれているので、背中もお見逃しなく。