アメリカの犯罪発生状況や日本人旅行者が遭いやすい犯罪被害、犯罪に巻き込まれないための対策など、旅行前に知っておきたいアメリカの治安や旅行中の防犯・安全対策を解説します。
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日本より犯罪発生件数が多いアメリカ
2013年のデータによると、1年間で発生した主要犯罪(殺人,強姦,強盗,傷害,住居侵入,侵入盗及び非侵入盗)の認知総件数は
- 日本(総人口約1億2,730万人):約132万件(※警察庁の警察白書より)
- アメリカ(総人口約3億1,509万人):約979万件(※FBIの統計データより)
となっており、総人口に対する犯罪発生率はアメリカの方が確実に多く、日本よりも治安は悪いと言えます。
都市やエリアによっても発生状況は異なりますが、どこを訪れる場合にも、日本ほどに安全な国ではない、ということを常に意識して行動することが重要になります。
アメリカで日本人旅行者が遭いやすい犯罪被害と防犯対策
ここでは具体的に、日本人旅行者がアメリカ旅行中に被害に遭うことの多い犯罪の事例と、犯罪被害に遭わないための防犯対策を紹介します。
スリ・置き引き・盗難
バッグのファスナーがいつの間にか開けられていて財布を盗られていた、食事中にテーブルの上に置いていたスマートフォンをいつの間にか盗まれていた、といったスリや置き引き被害が多く発生しています。
このような被害に遭わないために、バッグは身体の前側に来るように持つこと、また持ち物は肌身離さず持つことを心がけましょう。
もちろん、日本でよく見かけるような、荷物だけ先に置いて席取りをするような行為は自ら犯罪を誘発するようなものですので、海外では控えましょう。
空港での白タク
空港からの移動の際、いわゆる“白タク”と呼ばれる無許可営業のタクシーに誘導されて乗車してしまい、法外な料金を請求されるという被害が発生しています。
タクシーを利用する場合は、必ずターミナルの外に用意されている正規のタクシー乗り場から乗車し、空港の内外で声をかけてくるドライバーのタクシーには乗車しないようにしましょう。
詐欺・押し売り
わざとぶつかってきて、メガネやサングラスが壊れたとして弁償を要求される詐欺被害が繁華街などを中心に発生しています。ガイドブックやスマートフォンを見ながら歩いたり、キョロキョロしながら歩いている旅行客は格好の標的と見なされますので、注意しましょう。
また、CDやアクセサリー、花などを一方的に渡してきて、受け取ると代金を要求されるという押し売り被害もよく聞かれます。くれぐれも知らない人からこういった物品を不用意に受け取らないようにしましょう。
カードのスキミング
キャッシュカードやクレジットカードの情報を抜き出し、悪用されるスキミング被害が多くなっています。
被害に合わないためには、スキミングが困難なICカードタイプのものにする、スキミング防止のグッズを利用する等の対策が考えられます。
また、万が一スキミングされた場合のことを考えて、暗証番号を入力する際には絶対に他人に見られないようにすること、さらに不正利用された場合のことも考慮し、あらかじめカードに盗難保障をつけておくと安心でしょう。
その他の防犯・安全対策
パスポートの保管方法は泊まるホテルによって変える
スリや置き引きに合う可能性や、紛失の可能性を考えると、パスポートなどの貴重品はなるべく持ち歩きたくないところ。ある程度グレードの高いホテルであれば、フロントの金庫やセーフティボックスに預けるのがベストですが、ホテルの対応に不安を感じる場合は、預けるのは避けた方が良いでしょう。
また格安ホテルなどの場合はそもそも預かってもらえない場合も多く、もし預けることが可能であっても、セキュリティの観点から預けることはおすすめしません。
フロントに預けられない場合には客室に置いておくことはせず(客室を狙った窃盗犯罪が起きているため)、肌身離さず持ち歩くようにしましょう。
ホテルの客室へ人が訪ねてきたときは安易にドアを開けない
ホテルのスタッフを装って強盗犯が侵入してくるという事件が起きているため、客室のドアを開ける場合は相手をしっかり確認してからにしましょう。客室にいる時は鍵とチェーンを必ずかけておくことも忘れずに。
人通りの少ない場所へは出向かない
昼夜問わず、人通りの少ない場所では犯罪に巻き込まれる可能性が高くなります。そういった場所にはできるだけ出向かないようにし、特に単独での行動は避けましょう。
しつこく話しかけてくる人は無視する
親しげに話しかけてくる人に騙され、被害に遭う事件が発生しています。面識のない人には気を許さず、特にしつこい声がけは相手にしないようにしましょう。
アメリカの最新の治安・危険情報は外務省ホームページでチェック
最新のアメリカでの犯罪発生状況やテロ等の危険情報は、外務省の「海外安全ホームページ」で確認できます。緊急時の連絡先なども紹介されていますので、旅行前に一通り目を通しておくことをおすすめします。