2021年7月、日本の新たな世界遺産の一つに「北海道・北東北の縄文遺跡郡」が認定されました。三内丸山遺跡は、青森市にある縄文時代の大変貴重な遺跡で、世界遺産に認定された遺跡群の中でも最大級の大きさです。ここでは縄文時代の理解を深め、タイムスリップしたかのような体験ができるボランティアガイドツアーが毎日開催されています。
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三内丸山遺跡(さんないまるやまいせき)とは?
三内丸山遺跡は、青森県青森市にある縄文時代の遺跡です。1992年から始まった発掘調査で、縄文時代前期~中期(今から約5900~4200年前)の大規模な集落跡が見つかりました。2021年に「北海道・北東北の縄文遺跡郡」の構成要素としてユネスコの世界遺産に認定されています。
施設内は、当時の暮らしを再現した「縄文のムラ」と、出土品を展示した「縄文時遊館」の2つのエリアに分かれています。5000年前の貴重な資料が盛りだくさんの遺跡です。
縄文のムラ、ボランティアガイドツアー
2つのエリアのうち「縄文のムラ」では、三内丸山応援隊が遺跡のガイドをしてくださり、縄文時代へタイムスリップしたかのような貴重な体験ができるツアーが毎日実施されています。参加は無料。ツアーの開始時刻は公式サイトを確認してくださいね。
ツアーでは、1時間ほどかけて11か所を周ります。長いようですが、歩いているとあっという間です。以下では、ツアーのハイライトをご紹介します!
ハイライト①:道路跡を通って、縄文のムラへ
総合案内のある「縄文時遊館」から出発し、ガイドと縄文のムラへ向かいます。ムラまでの道は、当時の道路跡が見つかった場所の上に設定されており、実際の道幅を再現しているのだそうです。
ツアーの冒頭に、遺跡の広さや公開範囲、見つかった当時の状況などの分かりやすい説明があります。
ハイライト②:竪穴建物の復元
縄文時代の住居と言えば、「竪穴式住居」だとご存知の方も多いでしょう。地面を掘って床を造り、柱を立てて、屋根をかけた構造です。時代や地域によって、屋根のスタイルは変わっていたと想定されています。こちらでは、茅葺き、樹皮葺き、士葺きのそれぞれのスタイルの復元を見ることができます。
実際に大人3人程が入れるスペースも。中に入ると、保存のために燻しを行なっているため、燻製のような匂いがします。
ハイライト③:掘立て柱の建物
地面に炉や床などの跡が見られないことから、高床式の建物が並んでいたと想定されています。食べ物などを備蓄するための倉庫として使われていたそうです。
ガイドによると、ジブリの有名な作品『もののけ姫』で冒頭に出てくる主人公の住む村の建物は、こちらがモデルになったとも言われているそうです。
ハイライト④:大型掘立柱建物の復元
三内丸山遺跡のアイコン的な存在が、こちらの建物。直径2m、深さ2mの巨大な柱の跡が規則正しく並んだ状態で発見されました。屋根のスタイルは諸説あるため、現在は復元されていません。
当時の技術では考えられないほど、正確な幅感覚で柱が配置されており、柱は若干内側に傾いて設置されています。驚くべきことにこの技法は、現在の建築技法でも取り入れられているものです。縄文の時代にこれほど大きな建造物を建てることがいかに大変な事であったのか、想像できますね。
ハイライト⑤:大型竪穴建物の復元
こちらの建物は、長さ約32m、幅9.8m、床面積250㎡あり、大型竪穴建物として日本最大のものです。集会所として機能していたようで、共同で作業をする施設として使われていたと想定されています。
ツアーはここで終了、解散となります。解散後は、縄文時遊館に戻ってもよし、ムラを散策してもよしなので、ツアー参加者はそれぞれのスケジュールで遺跡内を見学できます。
・所要時間:50〜60分
・参加費用:無料
- 三内丸山遺跡
- 青森市 / 遺跡・史跡 / 観光名所 / 遊び場 / 世界遺産 / ツーリング
- 住所:青森県青森市三内丸山地図で見る
- 電話:017-781-6078(内丸山遺跡 縄文時遊館)
- Web:http://sannaimaruyama.pref.aomori.jp/
この記事を書いたトラベルライターから一言
今回は、世界遺産となった三内丸山遺跡の無料ツアーをご紹介しました。縄文時代は、1万年ほど続いた時代とされていますが、史実を記したものが残っておらず、その多くが謎に包まれたままです。遺跡に精通したガイドのツアーでタイムスリップしたかのような体験をされてみてはいかがでしょうか?(SF_logbook)