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6. Flavorful Origins/フレイバフル・オリジンズ
「美味の起源」を伝える、中国のフードドキュメンタリーシリーズです。シーズンごとに地方が分かれており、各エピソードで食材をピックアップして(羊肉、芋、のように)、家庭料理などが紹介されます。
シーズン1では「Chaoshan/潮汕地区」、シーズン2では「Yunnan/雲南省」、シーズン3では「Gansu/甘粛省」がフィーチャーされています。地域によって(隣接国が違ったりするので)、同じ国の料理と思えないほど差があるのも興味深いです。
7. Chef's Table/シェフズ・テーブル
世界各国の一流シェフをエピソードごとに一名ずつ掘り下げる、アメリカのドキュメンタリーシリーズです。 ホストが海外を旅する番組とは違った趣です。それぞれのシェフの哲学や料理への取り組みを紹介しています。
「なぜそのレストランが評価されるのか」「なぜその料理が評価されるのか」「なぜそういう料理を作るのか」ということが紐解かれるような内容で、一皿が代弁する文脈と必然性の理解が促されます。
意訳すると「料理人の食卓」となりますが、グルメ番組というよりは、もはや芸術鑑賞・アーティスト理解に近い体感が得られます。
8. Breakfast, Lunch & Dinner/ブレックファスト、ランチ&ディナー
アグリー・デリシャスのデイビット・チャンがホストを務める、アメリカのドキュメンタリーシリーズです。毎回のエピソードはタイトルは「都市名と人名」で展開します(バンクーバーとセス・ローゲン=セス・ローゲンとバンクーバーで食べ歩く、のような)。
料理人としてごりごりに迫っていくアグリー・デリシャスとは違い、デイビット・チャンがセレブと一緒に食べ歩きする、ゆるめの雰囲気の番組です。
9. Restaurants On the Edge/レストラン・オン・エッジ
経営不振に陥っている絶景レストランを再生するというのがテーマの、カナダの番組です。毎回のエピソードは世界各国の都市名で展開し、現地のレストランを1つ再生するという内容になっています。どのレストランも「惜しい」お店というのがミソです(絶景なのに料理やインテリアや運営で損してる、など)。
再生のプロセスが最大の見所で、3つの領域を3人のプロフェッショナル兼ホストがそれぞれ担当します。その3つの領域というのは、「メンタル/コンセプト」「インテリア」「料理」で、直すべきところを的確に説明し、現地の人気店として理にかなった姿にアップデートしていくという内容となっています。
(どちらかというと)イケイケなアメリカとはまた違う、現実主義的なカナダらしい態度が見ていて痛快です。 番組内のエンターテイメントの投与量がほどよく(娯楽に走りすぎたりしない)、さすがといった印象。基本スタンスはポジティブで建設的なので、見ていて幸福感が得られる番組です。また、本題は「飲食店経営」ということもあり、料理だけでなく、「現地(観光地)で愛されるレストランの条件」が見えてくる面白さがあります。
余談ですが、この対極にある番組がアメリカの「Kitchen Nightmares/キッチン・ナイトメアズ」ですが、後者はリアルなストレスを感じるのでおすすめしません。
以下は、参考までにキッチン・ナイトメアズの動画です。
出演者は精神的に参っている(ように見える)人が多く、大抵の場合、建設的なコミュニケーションがとれません(それが見所のように機能してしまって、見ていて辛くなる)。分類はホラーorコメディと言えなくもない気がします(ただホストのゴードン・ラムゼイが芸人なみにおもしろいです)。
10. Hyper HardBoiled Gourmet Report/ハイパー・ハードボイルド・グルメリポート
※27秒までが動画の本編
世界各国の多様なアウトサイダーの日常食にフォーカスした、日本の番組です。ギャングや売春婦などといったニッチな職業の人々の生活を取材しているので、ビジュアルに見応えがあります。日本のTV番組『クレイジージャーニー』や『進め!電波少年』などを見たときに、近い感覚があります。
まとめ:おすすめ厳選6番組
- 出典:unsplash.com
上記のご紹介の中で厳選した6番組について、「学べる」と「楽しい」のパターンで簡潔にまとめてご説明します。
学べる3番組
- ①「Ugly Delicious」:料理の定義と普遍性と、アイデンティティ(文化・歴史・人間)が現地料理にどう影響を与えるかが学べる。
- ⑦「Chef's Table」:料理人が何を考えて料理を作っているかが学べる。世界的に評価される料理の理由が学べる。
- ⑨「Restaurants On the Edge」:優良なレストランの条件が学べる。審美的に損する理由が学べる。限られた条件で得をする術が学べる。
楽しい3番組
- ②「Somebody Feed Phil」:現地の食文化と重要グルメが一通りわかるのでおもしろい。終始・ご機嫌なバイブスなので、見ていて気持ちがいい。
- ③「Salt Fat Acid Heat」:ホストが好奇心のおばけのような態度で、うそ偽りのない喜びをくまなく表現するので、知的好奇心と幸せが視聴者に伝染する。
- ⑧「Breakfast, Lunch & Dinner」:いつも単刀直入でとがっているデイビット・チャンが、プライベートで旅行して食べてチルしている様子なのでリラックスする。
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