ドイツの首都ベルリンから電車で約30分のところに位置するポツダムは、世界の歴史的瞬間が作られた場所と言っても過言ではない街です。今回は、街歩きにぴったりなポツダムのスポットをご紹介します。
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ポツダム(Potsdam)とは?
ポツダムは、ドイツの首都・ベルリンから直通電車で約30分のところにある街で、「ポツダム宣言」が話し合われた、歴史的な場所でもあります。
また旧市街のまわりは、湖や公園などがある緑豊かな環境となっており、観光客にも人気の都市です。ポツダムは、「ポツダムとベルリンの宮殿群と公園群」として1990年以降、ユネスコの世界遺産にも登録されています。
実際に、ポツダムの街中が世界遺産の一部となっており、サンスーシ宮殿が位置するサンスーシ地区やツェツィーリエンホーフ宮殿のある新庭園地区、救世主協教会を擁するザクロウ地区、そしてバーベルスベルク宮殿のあるバーベルスベルク地区と歴史的地区が点在しています。
今回は、ベルリンからの日帰り旅として1日でポツダムの街をまわる際に、おすすしたい見どころをご紹介します。
1. サンスーシ宮殿および庭園(Schloss und Park von Sanssouci)
サンスーシ宮殿はサンスーシ公園の上に位置します。フランス語で「憂いなし」を意味し、まさにその堂々とした姿は威厳を持っています。ロココ建築の宮殿で、1745年にプロイセン国王・フリードリヒ2世の命令によって建てられました。
もともと夏の離宮として建てられましたが、結局は居城として機能し、フリードリヒ2世もその設計に携わったといいます。規模は、東西の全長が100メートル、部屋数12室で、ヨーロッパの数ある宮殿の中でも割と小さい規模です。外装もさほど煌びやかというわけではありませんが、薄い黄色の外壁が印象的で、こぢんまりとした宮殿となっています。
また、サンスーシ宮殿前の王の墓にはいつもジャガイモが供えられています。これは、フリードリヒ2世のお墓で、実は、寒冷で痩せた土地でも良く育つジャガイモ栽培を奨励した人物なのです。今でこそ、ドイツは主食として欠かすことのできないジャガイモですが、それまで観葉植物だったものを、当時の貧しい市民のために食用として広めました。
また、宮殿のある庭園も広大な敷地となっており、18世紀同様、現在でも宮殿の前には6段に連なるテラスがあります。フランスの庭園や宮殿に倣って、左右対称に樹木や彫像が配置されており、バランスのよい広場です。
庭園内は、遊歩道が整備され、地元の人々が散策する憩いの場となっています。
2. ツェツィーリエンホーフ宮殿(Schloss Cecilienhof)
サンスーシ庭園から北東へ1km程離れた新庭園にも必見のスポットがあります。それがツェツィーリエンホーフ宮殿です。ポツダムと聞いて、まず思い浮かべるのは「ポツダム宣言」という方もいらっしゃるかと思いますが、実際に1945年に開かれたポツダム会議が行われた場所として有名です。
1945年7月に行われたポツダム会議では、イギリス首相、アメリカ合衆国大統領、中華民国主席の名の下、大日本帝国(日本)に対して降伏要求の最終宣言、いわゆるポツダム宣言が出されました。その他、第二次世界大戦の終戦処理についても話し合われた、歴史的な会議です。
そんな歴史的舞台となったツェツィーリエンホーフ宮殿は、55本の煙突や組み木が特徴で1917年にチューダー様式によって建てられました。もともとは、ホーエンツォレルン家の最後の皇太子・ヴィルヘルムの住居として建てられたものです。
1990年に、宮殿の建物および庭園は「ポツダムとベルリンの宮殿群と公園群」の1つとしてユネスコの世界遺産(文化遺産)に登録され、現在はポツダム会議の議場はミュージアムとして公開されているほか、一部がホテルとして利用されています。
ミュージアム(入場料€8=約960円/大人)では、本会議場や会議参加各国代表団の控え室、そしてダイニングなどを見学できる他、日本と終戦についてのパネル展示も見ることができます。近代日本の歴史の1ページが刻まれたツェツィーリエンホーフ宮殿、ぜひ訪問してみてください。
- ツェツィーリエンホーフ宮殿
- ドイツ / 建造物
- 住所:Am Neuer Garten, 14469 Potsdam地図で見る
3. その他の街歩きスポット
オランダ人街(Holländisches Viertel)
新庭園とポツダム中央駅の中間くらいの所にあるのがオランダ人街です。ここは、赤レンガ造りのオランダ風の2~3階建ての建物が約130軒立ち並び、オランダの雰囲気を感じられます。
もとは、18世紀に祖国を追われたユグノーのオランダ人たちが暮らしていた地区で現在では、カフェやレストラン、ショップなどが集まりおしゃれなエリアとなっています。
- オランダ人街(ポツダム)
- ドイツ / 町・ストリート
- 住所:Mittelstrasse, 14467 Potsdam地図で見る
ブランデンブルク門(Brandenburger Tor)
ブランデンブルク門と言えばベルリンのシンボルの門として知られていますが、ポツダムにはベルリンのものより20年早く建てられた同じ名前の門があります。プロイセン王フリードリヒ大王がオーストリアとの戦いに勝ち、7年戦争の記念として1770年に建てたものです。
大きさはベルリンより小さく、ミニチュア版といったところですが、旧市街のショッピングストリートの入り口として街の中央に位置しています。
今やポツダムの街を見守るように存在し続けるブランデンブルク門。街歩きの中継地点としてぜひ立ち寄ってみてください。
まとめ
いかがでしたか?
ベルリンから日帰りで訪れることのできる、ポツダムの街。
日本との関係性もあり、見どころも多いこぢんまりとした都市です。現地の人の暮らしも見つつ、世界遺産にも訪れてみたいという方は、ぜひ一度、立ち寄ってみてください。