水戸市にある保和苑には色彩豊かな紫陽花が咲き競い、その数6千株とも言われています。周辺には歴史的に興味深い場所もあり、散策するのに最適なスポット。6月のおでかけにぴったりの徳川家ゆかりの庭園で紫陽花散歩してみませんか?
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保和苑(ほわえん)とは?
梅園が有名な水戸の偕楽園から北へ2㎞ほど。大悲山保和院桂岸寺(だいひざん ほわいん けいがんじ)に隣接する庭園のことです。その昔、「黄門さま」と親しまれた徳川光圀公が、お寺の庭を愛され、「保和園」と名付けられました。
その後、保和苑となり、昭和25年に桂岸寺より水戸市へ移管されました。現在は、保和苑振興協議会が発足、運営されています。
昭和30年代には、苑を拡張してあじさいの植栽が行われ、1.5haの敷地に100数種類、約6,000株のあじさいが咲き競います。例年6月には、「水戸のあじさいまつり」が盛大に開催され、市内中心部から近いこともあり、大人気のスポットとなっています。
まずは桂岸寺へのお詣りから
水戸藩の付家老(つけがろう) 中山備前守信正を供養するために建てられたお寺で、地元の方々からは、「水戸谷中の二十三夜尊」と呼ばれています。当初は香華院(こうげいん)と称していましたが、徳川光圀公の命により保和院と改称します。
ご本尊は勢至菩薩(せいしぼさつ)で、縁結び・金運・合格祈願に恵まれるとされています。本堂手前には、水戸黄門御一行様の銅像も。
- 桂岸寺
- 茨城 / 寺
- 住所:茨城県水戸市松本町13−19地図で見る
- Web:https://mitokoumon.com/facility/historic/keiganji/
ぴんころ地蔵尊にも手をあわせよう
桂岸寺から保和苑へと歩き進めたいところですが、ここにも注目!ぴんぴんと元気に天寿を全うし、ころりと大往生をとげられるようにと建立された延命地蔵尊が、保和苑の直前、左手にたっています。
平成19年に建立されて以来、ぴんころ地蔵と親しまれているお地蔵様なので、ぜひ立ち止まってみてください。毎月23日は「ぴんころ地蔵尊ご縁日」が行われています。
日本庭園と紫陽花の競演
昭和初期に地元有志の手によって拡張整備された保和苑。入り口はこじんまりとした印象ですが、苑内を進むに従い、広がる奥行きに驚かされます。
芝生の広場をすぎると、小さな噴水がある明星ヶ池(みょうじょうがいけ)にたどり着きます。池に築山を配した美しい日本庭園となっていて、それを一望できる見晴台もあります。
あじさい谷と呼ばれる谷におりると、そこにも小さな池があり、周囲には深い森が広がっていて、また別世界に。ここでは、夜になるとホタルも見られるそうです。咲き競う紫陽花も、ヤマアジサイやガクアジサイなど多種多様で色もカラフルなので、お花好きでなくても楽しめる場所です。
また苑内には子供たちが遊べる遊具や、白いハトや孔雀を見られる鳥小屋もあります。孔雀のご機嫌が良いと、羽を広げてターンしてくれるので、感動です。
保和苑の概要
保和苑の料金など
- 無料
- 休園日なし
保和苑へのアクセス
- 【車】常磐自動車道「水戸IC」から約20分
- 【電車】JR「水戸駅」北口バスターミナル7番(末広町経由バス)に乗車し、末広町3丁目下車
保和苑の駐車場
- 桂岸寺駐車場あり
- 紫陽花開花期間中は有料となります。
「水戸のあじさいまつり」の時期
令和5年6月10日(土)~7月2日(日)開催予定
- 保和苑
- 茨城 / 庭園 / 穴場観光スポット / 花畑(6月) / 花畑(7月) / あじさい名所
- 住所:水戸市松本町13-19地図で見る
- 電話:029-232-9189
- Web:https://mitokoumon.com/facility/historic/howaen/
- 水戸のあじさいまつり
- 茨城 / イベント・祭り / 夏のおすすめ観光スポット
- 住所:水戸市松本町13-19 保和苑及び周辺史跡地図で見る
- 電話:029-224-1111(水戸のあじさいまつり実行委員会(水戸市観光課内))
- Web:http://www.mitokoumon.com/festival/ajisai.html
周辺にも足を伸ばそう
いにしえに想いを馳せる回天神社と水戸殉難志士の墓
保和苑と隣接し水戸市指定史跡となっている、回天神社と水戸殉難志士(みとじゅんなんしし)の墓。安政の大獄、桜田門外の変、坂下門外の変など、国のために命をおとした志士の霊を慰めるとともに、後世に伝えるために造営された神社です。
また、1864年の筑波山挙兵に関係し、各地で処刑された尊王攘夷(そんのうじょうい)の志士達の遺体を集めてこの地で埋葬したため、神社のむかい側には、その墓石371基が整然と並んでいます。
あの格さんのお墓参りも
テレビドラマ『水戸黄門』でおなじみの格さんですが、そのモデルとなったのが、安積澹泊(あさかたんぱく)氏。通称が覚兵衛だったところから、格さんにつながったのでしょうか。
安積氏は、儒学者で徳川光圀公の命により『大日本史』の編纂(へんさん)に功績を残した人だそうです。回天神社を過ぎた常磐共有墓地にあります。そこかしこに案内板が立てられているので、すぐにわかります。
さいごに
水戸市内で気軽に紫陽花を楽しめる保和苑と、周辺のスポットをご紹介しました。ここから、少し足を伸ばすと、本殿が国指定文化財となっている水戸八幡宮や万葉ゆかりの湧き水・曝井(さらしい)などがあり、水戸のロマンチックゾーンと名付けられたコースがあるので、ハイキングがてら散策してもよいですね。