タミルナードゥ州の州都・チェンナイを玄関口とする南インド。デリーを代表とする北インドとは、言語面・文化面では外国ほどにも違います。多くの日本人は、インドへ来るとしても、北インドをさらっと巡るだけのことが多い印象ですが、南インドはまた違った魅力があるのです! 本記事では、現地に駐在している筆者が、チェンナイの見どころを7つ厳選してご紹介します!
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【1】世界で2番目に長い「マリナビーチ」
海沿いの街チェンナイを代表するビーチはマリナビーチ! ビーチとはいえ、バカンスを楽しむリゾートのような場所ではなく、休日に現地の人々で賑わう庶民的なビーチです。
世界で2番目に長いと言われるだけあって、相当広い砂浜には、露店やアトラクションが点在しています。ビーチの入り口から海までは、歩いて15分ほどはかかるでしょう。
マリナビーチには、州政府首相であった、アンナードゥライとM.G.ラマチャンドランを記念するアンナー記念廟とMGRメモリアルがあります。どちらも夕暮れ時は、シルエットが美しいです!
【2】ヒンドゥー教徒で賑わう「カパレーシュワラル寺院」
マイラポールには「カパレーシュワラル寺院」という、南インドの特徴的なドラヴィダ様式の寺院があり、多くの参拝者が訪れます。高さ40m近い塔門(ゴープラム)と、大きな清めの池が特徴的で、ヒンドゥー教の神であるシヴァ神を祀っています。
異教徒は聖堂までは入れませんが、中庭までは靴を脱げば入ることができます(無料)。お祈りしている方の邪魔をしないように、静かに観光しましょう!
- カパレーシュワラル寺院
- インド / 社寺・教会 / 寺
- 住所:kapaleeshwar temple地図で見る
- 電話:044 2464 1670
- Web:http://www.mylaikapaleeswarar.tnhrce.in/
【3】チェンナイ、陸の玄関口「チェンナイ中央駅」
大都市チェンナイの中心が、チェンナイ中央駅です。様々な長距離列車が発着しています。大きな駅舎は多くの人でごった返しており、南インドのエネルギーを感じますね!
改札口はないので誰でもホームまで入れますが、乗車時に車掌さんが切符を確認する仕組みになっています。
「インドは電車が遅れる」というイメージが強いですが、筆者がチェンナイ中央駅からマイソール宮殿で有名なマイソールまで寝台列車に乗った時は、ほぼ時刻表通りの運行でした。予想以上に車内は綺麗で、料金も手頃なので、インドの寝台列車にもぜひ挑戦してみてください!
【4】南インド文化を学ぶなら「ダクシナチトラ」
ダクシナチトラは、タミルナードゥ州だけでなく、アンドラプラデシュ州、カルナータカ州、ケーララ州の、南インド4州の文化を学べる、文化村のような施設です。
それぞれの地域の特徴的な家屋を敷地内に移設しており、実際に中に入って見学することができます。建物内部は資料館になっていて、生活様式から芸術まで、幅広く知ることができます。メヘンディ(ヘナタトゥー)や、おもちゃ作りなどの、アクティビティも充実しています。
不定期で、それぞれの地域のお祭りを再現した踊り等を観ることができます。HPは要チェックです! ダクシナチトラの入場料は150ルピー(270円)です。
- ダクシナチトラ
- インド / 体験・アクティビティ
- 住所:Dakshina Chitra地図で見る
- 電話:9841425149
- Web:http://www.dakshinachitra.net/
【5】世界有数の爬虫類園「マドラス・クロコダイル・バンク・トラスト」
インドだけではなく、世界中のワニを集め、飼育、保護、研究をしている機関が、「マドラス・クロコダイル・バンク・トラスト」です。マドラスはチェンナイの旧名です。本当に様々なワニがいて、圧倒されます!
ワニは基本的に夜行性です。そんな彼らの生態をより知るために、ナイトサファリも行われています。ワニが大好きな方にはもってこいの場所ですね!
昼間のチケットは60ルピー(128円)、ナイトサファリは200ルピー(360円)です。
- マドラス・クロコダイル・バンク・トラスト
- インド / 公園・動植物園
- 住所:Madras Crocodile Bank Trust地図で見る
- Web:http://www.madrascrocodilebank.org/
世界遺産の遺跡を有するリゾート地「マハーバリプラム」
チェンナイから南へ60km下ると、ベンガル湾を望む、マハーバリプラムというリゾート地にたどり着きます。リゾートとして訪れるのもいいですが、実は世界遺産に登録されている数々の遺跡がある村なのです!
世界最大のレリーフや複数ある石窟も目を引きますが、ここでは、観光客に特に人気な2つのスポットをより詳しくご紹介します!
【6】1,300年の歴史を誇る「海岸寺院」
8世紀初頭、パッラヴァ朝時代に造られた小さな寺院です。「海岸寺院」の名の通り、海岸に建てられているので、1,300年という長い年月をかけて風化してきています。風化してはいるものの、東西交易の拠点として栄えた往時を偲ばせますね。
世界遺産となったため、周辺は整備されています。入場料500ルピー(900円)を払ってでも、近くまで行ってじっくり見てみたいですね! 寺院の中にも入れるようになっています。
【7】今にも転がりだしそうな奇妙な巨岩「クリシュナのバターボール」
この岩を見るとあなたは自分の目を疑うのではないでしょうか? 大きな岩が、今にも斜面を転がりだしそうなのに、ぴたりと止まっているのです! ヒンドゥー教の神である、クリシュナ神の大好物バターボールに似ているため、「クリシュナのバターボール」と呼ばれています。
その昔、象を使って動かそうとしましたが、ビクともしなかったそう。後ろから見ると、まるでナイフで切ったような形になっているのも、これまた不思議ですね。
- クリシュナのバターボール
- インド / 遺跡・史跡
- 住所:Mada Koil St, Mahabalipuram, Tamil Nadu, India地図で見る
終わりに
日本人がよく訪れる、いわゆる北インドの「ゴールデントライアングル(デリー、アグラ、ジャイプール)」は、もちろん素晴らしいです。ただ、観光客が多い分、騙されたり、観光業を生業にしている一部のインド人の粗暴さに疲れ、インドが嫌いになってしまう人が多いのも事実です。
それに比べて、「南インドの人々は穏やか」とインドに詳しい人たちがよく言っており、筆者自身そのように感じています。北インドを訪れて悪い思い出ができてしまっても、インドを嫌いになる前に、ぜひ南インドにいらっしゃってください! あなたの知らないインドがここにはあります。
※記事内のルピーから日本円への換算は1ルピー=1.8円で計算しています。