数々の有名な神社仏閣が密集する武家の古都・鎌倉。様々なご利益のスポットがありますが、中でも異彩を放つのが「銭洗弁天」。読んで字のごとく、ここでは「銭を洗う」のです。洗ったお金が何倍にもなって返ってくるという不思議な神社。願うは当然金運UP!どんな風に願うのか、バッチリ紹介しちゃいます。
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さあ行くぞ!の前に準備は大丈夫?
「お金が何倍にもなって返ってくる?よおし行くぞ!」となった方はちょっとまって!銭洗弁天に行く前にしっかり準備しましょう。
銭洗弁天では水で銭を洗うため、お金が濡れてしまいます。硬貨だったら問題ありませんが、お札を濡らすとなると、それなりに準備が必要です。ここは抜かりなく次のものを準備しましょう。
タオル
お金についた水分を拭うのに必要です。鎌倉はかわいい雑貨屋さんも多いので、タオルや手拭いなどを現地調達するもの楽しいですよ。
ビニール袋
濡れたお金をタオルに包んだ後も、その水分が布に染み渡って鞄を濡らすことに。そうならないため、ビニール袋を用意しておきましょう。ビッタビタに濡らすと季節にもよりますが、乾くまでに丸一日かかります。
お金
そしてこれが一番大事!本日の主役です。お金に直接ご利益を祈願できる貴重な機会です。懐が許す限りお金を準備しておきましょう。参拝者の多くはお札を洗っていますが、クレジットカード、キャッシュカードなどを洗う人もいますよ。
さあ、タオル、ビニール袋、お金の準備はバッチリですか?
次に、ご利益を授かりに行く銭洗弁天について少しご紹介しましょう。
どうして銭を洗うの?
そもそも、どうして「銭を洗う」という面白い風習になったのでしょう。これには歴史上の超有名人である源頼朝が関係しています。
その昔、鎌倉は災害が続き、鎌倉に住む人々は精神的にも経済的にもボロボロでした。そこで源頼朝が神さまに「助けてください!」とお願いします。すると巳の年、巳の月、巳の日、巳の刻という巳のグランドスラム的なタイミングで、頼朝の夢枕に神様が立ちます。
「この地に湧き出す水で神仏を供養しなさい。そうすれば平和な世の中になりますよ。」と告げるのです。これが発端で頼朝は、この地にお社を建て、その神様を祀りました。
そして北条時頼が、この水で銭を洗って一族繁栄を祈りました。これが起源になったと言われています。
どんな神様なの?
さて、銭洗弁天にはどんな神様が祀られているのでしょう。
銭洗弁天は通称で、正式には「銭洗弁財天宇賀福神社」と言います。名前に、「弁財天」と「宇賀福」という名前が入っています。弁財天はわかるとしても宇賀福って何・・・??と疑問に思われる方も多いはず。
紐解いていくと「へー、そうなんだー。」と結構面白かったので、謎をご説明してまいりましょう!
弁財天は河の名前の神様だった!
主に琵琶を持った女性の姿で表され、七福神のメンバーとしても有名な弁財天様。七福神は年賀状の定番の絵柄なので、何回も見かけたことがあると思います。
もともとは弁「才」天で、芸術や学芸の神様として有名です。国内の有数な弁財天には、芸能上達を祈って芸能人も訪れたりしますね。
弁才天は仏教の神様です。仏教が生まれたインドでは、もともとはヒンドゥー教の「サラスヴァティー」という女神様で、それが仏教に取り込まれました。「サラスヴァティー」はインドの河の名前で、彼女の神徳は「水」なのです。
この繋がりで、水が湧き出る地に弁才天を祀ったという説が考えられます。
後に弁才天は、その音の響きから弁「財」天と書かれるようになりました。ここで「お金関係の神様」という一面も出てきました。
じゃあ宇賀福って?
日本の古来の神様で、人の頭に蛇の胴体という姿をした宇賀神という神様がいます。
もともとは宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ)という神様で五穀豊穣の神様として、稲荷神社で祀られていることが多い神様です。
あまり知られていませんが芸能上達の神徳もあるため、仏教が日本に入ってきた際に、同じ神徳を持つ弁才天と合体し、宇賀弁才天となります。
せっかく合体したのですが、明治時代に神仏分離があり、弁才天と宇賀神は分かれました。ということで2人の神様が同じ敷地内にいるというわけ。
宇賀神は蛇の神様なので、巳の年、巳の月、巳の日、巳の刻という巳のグランドスラム的なタイミングで夢枕に現れたのですね。
宇賀神が蛇の姿をした神様ということから、この後紹介する銭洗弁天の独特のお参り方法につながっていきます。
それではいざ銭洗弁天へ!
銭洗弁天の成り立ちを学んだ後は、いよいよ銭洗弁天へ!
銭洗弁天は急な坂道の途中にあります。突然ぽっかりと洞窟があいたような不思議な入口で始まります。
入り口の石碑には、しっかりと「銭洗弁財天宇賀福神社」の文字が。鳥居の前で記念撮影をする人で、いつも賑わっています。
普通の道路から異空間に続くような、薄暗いトンネルを抜けると、木のそのままの色の鳥居が連なっています。これから神域に入るドキドキ感を演出しています。
その先には、常に賑わいを見せる境内が広がります。敷地内には、鳥居、お社、売店、休憩所など、ついキョロキョロしてしまう要素がたくさん!
それではいよいよ私たちもお参りを始めましょう。
Let’s 銭洗い!
銭洗弁天は「銭を洗う」わけですが、お参り方法はライトに済ませるパターンから、がっつりお祈りするパターンまで松竹梅のレベルがあります(松竹梅のレベルは本記事で勝手に名付けたものです)。
- 梅パターン
無料のざるにお金を乗せ、水を掛けて銭を洗う。ささっと済ませたいライトユーザー向け。
- 竹パターン
100円の参拝キット(ロウソク、線香、ざる)を使ってお参りするパターン。多くの参拝者が選ぶパターンがこれ。中級者向け。
- 松パターン
100円の参拝キットに加え、神様に卵をお供えするパターン。感覚的に100人に1人くらいの割合しかいない。上級者向け。卵を持ってうろうろしていると、すれ違いざまに、小さな声で「え?なんで卵?」とびっくりされることも多い。たぶん卵をお供えするパターンがあることをご存じない方も多いのでは。
今回は松パターンでのお参りをご紹介します。ところで、なぜ卵をお供えするかお解りですか?
宇賀神は蛇の体をした神様でしたね。蛇は卵が好き。お稲荷様に油揚げをお供えするのと同じ感覚で、ここでは卵をお供えするのです。
Step1 参拝キットの入手
境内の真ん中に社務所があります。そこには「ざる」、「ロウソク」、「線香」の3点セットが置いてありますので、100円をお納めしてキットを入手します。
Step2 卵の入手
社務所でキットを入手したら、境内の端っこにある売店に行きましょう。
お店の人に300円を渡して卵を5個ゲットします。
なぜ5個も?と思われるかもしれません。銭洗弁天にはお社が5つあって、それぞれに卵をお供えするのです。
目の前に生卵があるとスーパーに食材を買いに来た感覚に襲われます・・・。
Step3 ロウソクに火をつける
さあ、必要なものは全てゲットしました。
「いよいよお参りしていくぞ~!」と向かうは、社務所のすぐわきにある、ロウソクを立てる専用の台です。中にとびきり大きなロウソクがあるので、それで自分のロウソクに火をつけ、燭台に立てます。
小さいロウソクは、他の参拝者が立てたものなので、そこから火を貰わないようにしましょう。
Step4 線香に火をつける
同じく、大きなロウソクで線香に火をつけます。ロウソクゾーンの近くに大きな線香立てとトングがおいてあり、線香をトングでつまんで立てます。
常に大量の線香がたかれているので、火傷防止のためにトングを使うのですが、ふとBBQ感が胸を過ります・・・。