沖縄
沖縄観光
琉球時代の遺跡が人気の、美しい海に囲まれた島々

こんな景色はじめて!砂浜じゃなくサンゴ浜。波照間島の毛ビーチ

取材・写真・文:

神奈川在住
訪問エリア:47都道府県

2017年1月26日更新

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写真:えいぶゆう/TossyPhoto

南の島といえば、どのような風景を想像しますか?エメラルドグリーンに光る穏やかな海、ぬくもりのある柔らかい潮風、きめ細かな真っ白い砂浜。多くはそんなイメージではないでしょうか。日本の有人島として最南端の「波照間島」には、そんなイメージを嬉しいほうに裏切ってくれる超個性的なビーチがあるのです。「えっ?こんなとこあるの?」とびっくりすること請け合い!そしてビーチに向かう間も魅力がたくさん!パイナップルに似た不思議な実、ノンビリとした時を過ごす島のヤギ。さあ、あなたも島の魅力を堪能してみませんか?

この記事の目次表示

波照間島ってどんなところ?

ご紹介する超個性的なビーチは、その名も「毛ビーチ」。毛ビーチは、沖縄県の波照間島にあります。まずは波照間島について少しご紹介しましょう。

前述したとおり、日本の有人島として日本最南端の島が波照間島です。

地理に興味がある方は、「あれ?最南端は沖ノ鳥島じゃなかったかな?」と思われるかもしれません。残念ながら、沖ノ鳥島は人が住めるサイズではなく、また一般人が上陸することはできません。ということで、波照間島は「有人島」として最南端の島なのです。

波照間の読み方は「はてるま」です。とってもエキゾチックな名前ですね。

もともとは「果てのうるま」だったと言われています。うるまは珊瑚礁のことで、果ての地にある珊瑚礁の島をあらわしたものだとされています。(注:地名の由来は諸説あります)

波照間は珊瑚礁でできた島なのです。つまりビーチのいたるところにサンゴが転がっているということ。どうです?素敵な感じがしませんか?

筆者は山育ちなので、そんな「南の島」的な要素になんでも感動してしまいます。

最南端ということで、年間を通して気温は非常に高く、3月半ばには海開きをするほどの暖かさです。

それでは毛ビーチへ行ってみよう!

たった今「3月半ばに海開きをする」とご説明したばかりですが、残念ながら毛ビーチは遊泳禁止です。実は波照間島のビーチはほとんどが遊泳禁止。波が高く、潮の流れが速いので、一度海に出てしまうと非常に危険なのです。

「遊泳禁止か。ちぇっ。」と拗ねることなかれ。安心してください!泳ぐより、むしろ景観を楽しむべき理由が毛ビーチにはあるのです。

それでは早速、毛ビーチに行ってみましょう。毛ビーチは「毛崎」という岬にあるため、「毛ビーチ」と呼ばれています。

この毛崎に行くのは少々難易度が高く、可能であれば地元の人に聞くか、携帯のGPSなどと照らし合わせて行ったほうがいいでしょう。ただしキャリアによっては圏外になる可能性もあるので、地図アプリなどオフラインでも使えるように事前に読み込んでおくと万全です。

島の足

波照間島は、ぐるりと一周しても約14キロの小さい島です。頑張って歩けなくもないですが、島での移動はレンタル自転車や原付バイクが一般的です。

波照間は緩やかにお椀の形をした島なので、島の内側から海側を見ると、島であることを一瞬忘れるかのように、空との境目は陸地が続いています。つまり、海側に行くには坂道を登らないと行けないのです。

ということで、レンタル自転車の場合は、電動自転車を借りるのがベター。普通自転車だと、結構必死でペダルをこぐ羽目になります。「ぐぬぬ・・・!」と、立ちこぎしても苦しい坂があったりするので、事前に電動自転車を予約しておきましょう。

  • 写真:えいぶゆう/TossyPhoto海に続く道

筆者が訪れた際は、数日波照間島に滞在していたのですが、予約せずに行ったので、電動自転車を借りられた日と普通自転車しかない時がありました。

電動自転車の日は、立ちこぎする普通自転車の人々を「ひひひ」とあざ笑いながらスイスイ追い越していったのですが、別の日は汗だくになりつつ、軽く太ももを張らせて立ちこぎすることになりました。

毛ビーチに向かう間も南の景色を味わおう

波照間島は、サンゴでできた土壌ながら、緑深く様々な木々や草花が茂っているのには、驚きとともに感動します。

足元をじっくり見てみれば確かにサンゴの気配のする、つぶつぶと細かな穴の開いた岩が土の隙間から見え隠れします。

毛ビーチへは、そんな自然が潮風に吹かれるノンビリした道を通っていきます。

  • 写真:えいぶゆう/TossyPhoto意外にも緑の深い島の自然

南国特有のアダンの木もところどころに茂っています。自分の目線のすぐそばに、明らかにパイナップル状の実がずっしりと実っていて、さすが南国!と感激します。

ものすごくパイナップルに似ているので、ついつい人目を盗んで、「ちょっと頂いちゃおうか・・・。」と誘惑にかられますが、残念ながらその実は固い繊維質に包まれています。食べられる部分をとりだすのにのに、かなりの労力と手間がかかるため食用には向かないようです。

ちなみに、味はパイナップルではなく、タケノコに似ているらしいですヨ。

ヤギと遭遇

波照間島で面白いのは、こんな風に景色をゆったり楽しんでいると、急にヤギがノソっと現れること。

実は波照間島はヤギの島で、人に飼われているヤギが約400頭、さらに野生のヤギもわんさかいるので、頑張って見つけなくても、パッと見た景色のいたるところにヤギがいます。

ちなみに、波照間島の人口は500人程度ということなので、野生のヤギの数を入れれば、人口よりヤギ口(?)のほうが多いかもしれないのです。

当然、毛ビーチに続く道にもヤギが待ち構えていました。なんとなーく、ノンビリして何にも考えてない雰囲気のヤギですが、大人の男性くらいのサイズがあるので、正面から対峙すると結構怖いです。

  • 写真:えいぶゆう/TossyPhotoヤギがあらわれた!どうする!?

これにはアドバイスはありません!なんとか回避して通りの向こうに行きましょう!頑張って!!

ちなみに、この時筆者の前に一組の観光客が歩いており、ヤギの前でオロオロしていましたが、筆者が近づいて行ったことでヤギの気がこちらに向き、その隙にヤギの横をダダダッと駆け抜け、向こうに行ってしまいました。アッ、チョットマッテ・・・。

ついに来た!サンゴだらけの毛ビーチ

なんとかヤギを振り切り、ずんずんと海のほうに歩いていくと、不思議と茂る緑が深くなります。まるで、これから見せる景色を、島がもったいぶって覆い隠しているよう。

  • 写真:えいぶゆう/TossyPhoto毛ビーチに向かう道

深くなる緑をかき分けて進むと、足元からはしゃりしゃりと今までに聞いたことのない音がしてきました。

ビーチサンダルの底を通して、しっかりとした細長いサンゴの質感が伝わってきます。

  • 写真:えいぶゆう/TossyPhoto足元のサンゴ

「うわーうわー!」と足元の景色に興奮していると、ついに背の高い草木が途切れ、開けたところに出てきました。

なんじゃこりゃー!

  • 写真:えいぶゆう/TossyPhotoサンゴだらけの毛ビーチ

ご覧ください。サンゴサンゴサンゴ!です。砂浜ではなくサンゴ浜なのです。どうです?見たことないでしょ?

歩くと、ざくざくと音を立てて足が沈み込んでいきます。確かにサンゴが堆積していできた浜なのだなと身をもって実感します。

  • 写真:えいぶゆう/TossyPhoto不思議とみな同じようなサイズのサンゴ

注意深く観察してみると、海に近いほうに転がっているサンゴは茶色く、海から離れるにつれて白く白く、漂白されたようなサンゴになっていました。きっと茶色いところまでは、潮があがってくるのでしょう。

  • 写真:えいぶゆう/TossyPhotoグラデーションのかかったサンゴ浜

サンゴに腰かけて海を見る

圧倒的なサンゴにびっくりして、すっかり海を見るのを忘れていました。ビーチですから、サンゴと一緒に海を楽しみましょう。(ただし見るだけですよ。危ないから入っちゃダメ。)

よっこいしょっと腰をおろすと、サンゴが体に思いのほか食い込んできます。足つぼマッサージ用の健康サンダルの強い版を押し当てられているようで、かなり痛い!ということで、長居する場合は、ウレタンマットの持参をお勧めします。

  • 写真:えいぶゆう/TossyPhoto毛ビーチから見た海

痛いけど、サンゴで痛がるなんて、きっと人生でそう何回もないだろう・・・。と達観して、しみじみ痛みを味わいながら海を見てみると、毛ビーチから見える海は、とっても穏やかに凪いでいます。

海ははっきりとまだら模様になっていて、浅瀬に岩があるんだなーとわかります。ときおり遠くのほうで「ざぷんざぷん」と波の音が聞こえてきますが、とっても静かなものです。

  • 写真:えいぶゆう/TossyPhotoまだら模様の海

海と浜の境目には、コの字型になった岩々がビーチを覆っているので、やってくる潮風もそよそよと穏やかです。

おわりに

いかがでしたか?日本の最南端にある、サンゴだらけのビーチ。

行ってみると、日本の一番南の島で体にサンゴを感じながら、こんな風に海を穏やかに眺めるなるなんて、めちゃくちゃゼータクな旅ではないだろうか。と気分がホクホクになるビーチでした。

今まで見たことのない景色を見てみたい!という方は、ぜひ訪れてみてくださいね!

毛ビーチ
竹富町(八重山郡) / ビーチ
住所:沖縄県八重山郡竹富町波照間地図で見る

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この記事を書いたトラベルライター

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知らない土地、知らない文化、知らない人。知らない何かがいつも自分の心を広げてくれます。広がったその先を見てみたい。その探求心や好奇心はそのまま「旅」として、いつも心のまんなかにあります。

えいぶゆう(文)とTossyPhoto(写真)の2人で、心のまんなかにある「旅」を切り取っていきます。

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