鳥取県東部の万葉の里・国府町に平成23年度に完成した殿ダム。「平成のピラミッド」と呼ばれる殿(との)ダムのダム堤体は、白を基調とした岩や石を積み上げて造られた大変美しい外観です。今回は県下一の高さを誇る、迫力と美しさを兼ねそろえた殿ダムの見どころ&楽しみ方についてご紹介します。
この記事の目次表示
殿ダムとは?
美しい外観の殿ダム
「平成のピラミッド」と呼ばれる殿ダムは、土や岩で積み上げられたロックフィルダムという種類のダムです。
コンクリートの高い壁から轟音をたてて一気に放水するダムは、迫力と共にどこか怖いイメージもありますが、殿ダムを目にしてまず感じるのはその外観の美しさです。
ピラミッドのように積み上げられた岩は、白を基調とした優しい色合いで、怖さよりもその建設技術のすばらしさや美しさに意識を奪われます。
放水の際も、一般的なダムに比べると穏やかで、導流部が階段状になっているため、水の勢いは一段ごとに減勢されていく仕組みです。
県下一の高さを誇っているものの、どこか穏やかな殿ダムは、迫力と共に美しさを兼ねそろえたダムといえます。
多目的ダムである殿ダムの役割
殿ダムの優れているところは美しい外観だけではなく、その役割にもあります。
国土交通省が管理している多目的ダムである殿ダムには、
- 1.洪水から守る
- 2.川の環境を守る
- 3.工業用水を供給
- 4.水道用水を供給
- 5.水力発電を伴う
の、主に5つの役割があります。
昔から水害が多い鳥取市近郊の洪水を防ぎ、河川環境の保全や、鳥取県東部地域の発展に必要な水を確保している殿ダムは、人々の暮らしを豊かにしてくれる大切な役割を担っているダムなのです。
殿ダムの見どころ&楽しみ方
大変美しい外観と、とても重要な役割を担っている殿ダムですが、その周辺には公園や広場が整備され、交流や憩いの場としても活用されています。
ダム好きの方のための絶景スポットや、小さな子供たちも遊べるスポットなど、殿ダムの見どころや楽しみ方について5つご紹介します。
【1】殿ダム記念広場
殿ダム記念広場は、県下一の高さを誇るダム堤体を間近で感じることができる殿ダムのシンボル的空間です。
大型遊具や多目的広場があり、休日にはスポーツやレジャーを楽しむ人々やファミリーで賑わいます。
普通車が89台停められる駐車場があり、お手洗いや自動販売機などもあり、ドライブの休憩スポットとしてもオススメです。
【2】殿ダム交流館
殿ダム記念広場内にある殿ダム交流館では、パズルや塗り絵、ブロックなど小さな子供が遊べる環境が整っています。
夏には冷房がきき、冬には暖房がきいているので、季節や天候に関係なく快適に過ごすことができます。
記念広場周辺で利用できる無料の電動自転車の貸出やレジャー用品の貸出も行っているので、殿ダムにいらした際にはぜひ立ち寄ってみて下さいね。
【3】殿ダム管理支所
殿ダム記念広場へ続く道を通り過ぎ、殿トンネルを越えると、すぐ右手側に殿ダム管理支所の入り口が見えてきます。
こちらからは、殿ダムの真上から広場やダム湖を見渡すことができます。
岩や石が美しく積み上げられて造られているダム堤体や、ダム湖である因幡万葉湖の穏やかな湖面、周囲の大自然など、絶景を楽しめるスポットの1つです。
【4】殿ダム中央広場
野鳥観察や自然観察ができる殿ダム中央広場は、閑静な安らぎの空間として親しまれています。
殿ダム管理支所を越えた先にある拾石(じっこく)トンネルの前後に、殿ダム中央広場へと続くウォーキングトレイルのコース入り口があるので散策なども楽しめます。
【5】殿ダム親水広場
拾石トンネルを越え、更に車を走らせると殿ダム親水広場の入り口が見えてきます。
殿ダム親水広場では、渓流釣りや川遊びを楽しむことができます。
休憩するのに丁度いい大きな岩がゴロゴロとあり、ただ座って川のせせらぎに耳を澄ましているだけでもゆったりとした気持ちになれます。
水遊びはもちろんのこと、癒しのスポットとしてもオススメです。
おわりに
迫力と美しさ、そして、交流や憩いの場としても愛されている殿ダムの魅力の数々はいかがだったでしょうか?
殿ダムがある国府町には、大自然がつくりだした壮大な景色や万葉集に関する歴史の産物など、魅力に富んだスポットが数多くあります。
鳥取県東部へお越しの際は、殿ダムやその周辺スポットにも、ぜひ足を運ばれてみて下さいね。