宮崎県の人気観光スポット「鵜戸(うど)神宮」。洞窟の中に本殿があり、運玉を投げる体験ができる…だけの神宮だと思ってませんか?!本殿とは別の場所にある、地元民でもあまり知らない貴重な隠れ家的スポット「波切神社」も見逃せません。何度も鵜戸神宮を訪れた事のある筆者が、その満喫方法をご紹介!
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鵜戸神宮について
鵜戸神宮は、宮崎空港から車で約40分、宮崎の別の人気観光スポット、山幸彦(やまさちひこ)と豊玉姫命(とよたまひめ)のラブロマンスの地として有名な「青島神社」から車で10~15分南に行った場所にあります。
人気のワケ①縁結び&安産のパワースポット
鵜戸神宮にまつわる神話は、実は青島神社で生まれたラブロマンスの続きの物語なのです。兄から借りた釣り針を探している途中で海宮(龍宮)に訪れ、そこに住んでいた豊玉姫命と恋に落ちた山幸彦。契りを結んでもなお陸に戻らなければいけなかった山幸彦が海宮を去った後、豊玉姫命は身ごもっていることに気づきます。「神の御子を海の中では産めない」と、子どもの産み場所を探して亀の背中に乗ってやってきた地が、ここ、鵜戸の地なのです。
豊玉姫命は自らの赤ちゃんを産むために鵜の羽で産屋を作り、ここで無事に出産されたと言われていることから、鵜戸神宮は安産のパワースポットとして親しまれています。
人気のワケ②写真映え!絶景!!
鵜戸神宮は、海に沿った場所にあります。赤い神社に、青い海、緑のソテツやヤシの木、というまさにカラー映えが最高です。カラー映えという意味では青島神社も写真映えスポットですが、鵜戸神宮は高い位置にあるので、大海原を見渡せます。
国指定名勝の地でもあり、まさに絶景に出会えるんです。
人気のワケ③苦労せずして絶景に出会える
駐車場に車を停めて、徒歩3分で鵜戸神宮の入り口に到着します。そこから本殿までも、歩いて徒歩5分程。しかもその間、右手にはブルーの大海原が広がっているので、景色を楽しみながら本殿まで行くことができます。
本殿に着く手前に階段があり、下る必要がありますが、30段程度ではないでしょうか。老若男女問わず、手軽に楽しむことができるということで、人気なのです。
人気のワケ④体験型
本殿入り口には、大人から子供まで楽しめる体験コンテンツ「運玉投げ」があります。詳細は後ほど詳しくお伝えいたしましょう。
鵜戸神宮・本殿の見どころ&お楽しみポイント
①正門の○○がおっぱいの形?
正門の扉についている取っ手の部分の金具。いつもなら素通りするところなのですが、こちらは「むむ?」と気になる形をしています。それはまさに、おっぱいの形をしているんです。名称もちゃんとあり「乳金具」と呼ばれています。
この後紹介しますが、鵜戸神宮が「お乳」にまつわり、安産祈願にもいいと言われていることに、この乳金具が関係しているのでしょう。ぜひ門をくぐる時には、扉の取っ手を注意して見てみて下さい。
②鵜戸神宮の神の使い!撫でうさぎ
本殿の中を歩いていき、ちょうど真ん中くらいにさしかかるころに「撫でうさぎ」が登場します。なぜ、うさぎなのか?それは、鵜戸神宮の神の使いだからだそうです。そしてこの「撫でうさぎ」を撫でると、病気が治る、開運するなど、願い事が叶うと言われています。
みんなが撫でる為、うさぎさんの頭ははげちゃってる状態に…。それでも、ぜひ撫でてみてくださいね。
③探せ!岩にくっついてるおっぱい!
まずは、先に紹介した神話にまつわる続きのお話から…。
お産をする場所を探し、海から亀に乗って陸に到着した豊玉姫命。子どもを産むために鵜の羽で産屋を作り始めたのですが、その途中で陣痛が起き、そのまま出産をすることになります。豊玉姫命は、山幸彦に「私が出産中は絶対に中を見ないでほしい」とお願いしたにもかかわらず、山幸彦は中を覗いてしまいます。すると豊玉姫命の本当の姿はワニだったとか、サメだったとか…。
山幸彦に正体を知られた豊玉姫命は、恥ずかしさと悲しみから、出産後、赤ちゃんの為に自分の両方のおっぱいを岩にくっつけて海に帰ってしまった、とのことです。
そのおっぱいとされている岩が、本殿にあります。ですが期待して行くと拍子抜けしてがっかりするので、あまり期待せずに探してみましょう。
④天井から滴り落ちる水
豊玉姫が残したおっぱいから乳がでているのか、いないのか…わかりませんが、通年この本殿の中は天井も床も、水で滴っています。
⑤食べ物もお乳にちなんだ、お乳あめ!?
お乳にちなんで、鵜戸神宮では「お乳あめ」が売られています。筆者が子どものころに母が買って食べさせてくれましたが、固くて甘いです。固さは尋常じゃないくらい固かった記憶があります。色は、お乳をイメージしているのか、真っ白。ぜひ、行った際には買って食べてみて下さい。
鵜戸神宮で人気の「運玉投げ」にまつわる裏話
鵜戸神宮・本殿でのお楽しみと言えば「運玉投げ」。観光客のみなさんが運玉を手に取って投げている様子が定番となっています。男性は左手、女性は右手に運玉を持ち、願い事をしながら先の方にある亀岩をめがけて投げ、投げた運玉が亀の甲羅に当たると願い事が叶うと言われています。
そんな「運玉投げ」にまつわる裏話をご紹介。
裏話①:亀岩の背景にある悲しい物語
運玉を投げるこの亀さん、実は神話に登場する亀なのです。
豊玉姫命を乗せて、鵜戸の地に一緒にやってきた亀。先に紹介したとおり、豊玉姫命は出産後、悲しみにくれて一人海に帰るのですが、亀はそれに気づかず、姫を待ち続けたそうです。待ち続けているうちに、石になってしまったと伝えられています。
なんとも切ないお話なのです。
裏話②:運玉に隠されたほほえましい秘密
運玉は粘土でできており、本殿入り口にて5個100円で販売しています。この運玉、よく見ると1つ1つ形や大きさが異なります。機械で作っていないことは一目瞭然。
では誰が作っているのか?!それは、地元・鵜戸小学校の生徒たちなのです。地元の子ども達が一生懸命作った運玉、それを感じながら運玉投げをしてみると、また感動が増すのではないでしょうか。
裏話③:投げられた運玉の、複雑な行く末
運玉を投げる亀岩の甲羅の中心部はくぼみになっており、このくぼみに見事運玉が命中すると、その中に鎮座し、運の良い運玉として見なされます。
その運が良いとされる運玉の行く末はどうなっているか…。
後日回収されて天日干しにされ、本殿入り口にて「御守り」として売られています。それに加えて、運玉を保管する用の綺麗でピッタリサイズのかわいい袋まで別売りしています。凄い商売だな…と感じるものの、筆者の母親は買っておりました。
販売経路の詳細を知っていてもなお「かわいい×運が良い」という事実には勝てないですね。