17世紀に造られた「桂離宮」。それは、日本庭園として最高の庭園と誰もが絶賛するそうです。「それは実に涙ぐましいまでに美しい」と絶賛したのは、20世紀を代表する建築家のブルーノ・タウト。今回は、そんな誰もを魅了する桂離宮の見どころに加え、訪問時の注意点についてもご紹介します!
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桂離宮とは?
17世紀の初めから中頃にかけて八条宮初代智仁親王と二代智忠親王によって造られました。桂離宮の総面積は約69,000㎡と広大。敷地内にはお茶会用の茶室等の建物がいくつかあるのですが、なんと58,000㎡もの面積を庭園部分が占めています。
見学はガイド付き
桂離宮の庭園見学はしっかりと管理されています。自由気ままに勝手に見て回るのはNGです。ガイドツアーの定員は各回20名程度になっており、1グループに一人付くガイドの説明を聞きながら見て回ります。
桂離宮に関する予備知識が全くなくても、十分楽しむことができるでしょう。実際に筆者は、友人に連れられて行ったため当初あまり興味がなかったのですが、至る所にちりばめられた庭園の美や意味、ボリュームたっぷりな見学内容に大満足でした。
桂離宮は何のために造られた?
ガイドに付いて庭園を見て回ると、ある2つのことに気づく事でしょう。一つは、設置されている灯籠が低いこと。もう一つが、池が広々と繋がっていること。この桂離宮は、月を愛でるため、舟遊びを楽しむための庭園なのだそうです。だからこそ、月を見るのに明かりが邪魔にならないよう、灯籠は低い位置に設置されているのです。
昔の高貴な方々は、この桂離宮で舟をゆっくり漕ぎながら月夜を楽しんでいたのかと思うと、なんとも羨ましい限りです。
それでは以下より、桂離宮の見どころについて紹介していきます。
表門:高貴な人限定で開けられる門
こちらの表門は、普段は閉鎖されいます。現在、ここの扉が開かれるのは、皇族等のお偉い方々が訪れる時のみだそうです。その時にはこの表門を開け、こちらから御幸門へと入っていただくそうです。普段は、御幸門から表門への道も通れないように、竹が置かれてあります。
ソテツ山:ツクシみたいなものの意味とは?
外腰掛の目の前にある巨大つくしんぼのようなもの。一体何かと思うと蘇鉄山(そてつやま)でした。お茶会が始まる前までここの外腰掛に座り、ソテツ山を見て過ごすのだそうです。このソテツ山にも意味があり、お茶会の準備の為の目隠しや、これから見る庭園の景色に備えたリセット効果、いえいえ実はその当時の流行りだった等、諸説あるそうです。
松琴亭:藍色と白のチェック模様の意味とは?
見学ツアー開始後、石橋を渡って一番最初に登場するのが、この松琴亭です。この建物内にある障子の模様が、なんともお洒落!藍色と白のチェック模様。何のためにこの模様にしたのか、それは庭園をぐるりと見て回っていく後半に分かります。
賞花亭:裏の景色と呼ばれる景色
桂離宮の中で、一番高い位置にある茶室です。
ここから見える景色は絶景というわけではなく、裏の景色と言われているそうです。
笑意軒:景色の為に建てられた茶屋
この建物が建てられた理由にまず驚きます。なんと、景色を充実させる為に造られた茶屋だそうです。
そのため、この笑意軒から見た景色は、上記写真の通り庭の全体が見えず、特別素晴らしいものではありません。なぜなら、この茶屋自体がある場所から見た際の景色の一部になるからなのだそうです。
見ものは矢羽根形
笑意軒の中にある扉の取っ手は、矢羽根形になっています。取っ手も、様々な形のものがあるようです。お洒落ですね。