モンゴルのドンドゴビは大地の力強さと美しさが感じられる興味深い場所です。たどり着くまで楽とはいえませんが、貴重な体験となることは間違いないでしょう。今回はそんなドンドゴビの魅力をご紹介します。
この記事の目次表示
ドンドゴビはこんなところ
ドンドゴビとは県の名前で、モンゴルの中央付近に位置しています。県庁地となるマンダルゴビはウランバートルから約280km離れていて、各スポットへたどり着くには、そこからさらにオフロードを進みます。
「ゴビ」とは砂漠という意味ですが、ドンドゴビもその名の通り、草がまばらに生える荒野や砂地になっている場所が多いです。見どころとなるのは自然が作り出した岩山のアートや古代人によって描かれた岩絵であり、大地の力強さと神秘を感じる旅となるでしょう。
ドンドゴビの見どころ
イヒ・ガザリーン・チュルー
数種類の岩からできている自然の彫刻です。人や動物に見える様々な形の奇岩が連なり、心臓にいいといわれる岩のベッド、男性器の形をした子宝祈願の岩、そのほか数々の洞窟などがあり、まるで未知の世界を探検しているかのようなワクワク感に浸れます。
- イヒ・ガザリン・チュルー
- モンゴル / 自然・景勝地
- 住所:Dundgovi Mongolia地図で見る
バガ・ガザリーン・チュルー
こちらも自然が作り出した岩の彫刻が連なっており、規模はイヒ・ガザリーン・チュルーより小さめですが、風化した寺院跡やアイベックスの岩絵、目にいいといわれる聖水が湧き出る場所など、数々の見どころが詰まっています。距離的にはマンダルゴビから一番近いスポットになります。
- バガ・ガザリン・チュルー
- モンゴル / 自然・景勝地
- 住所:Baga Gazriin Chuluu, Dundgovi Mongolia地図で見る
オンギ寺院
オンギ川のほとりにあるオンギ寺院。かつてはこの川の周辺に数多くの寺院が立ち並び、1,000人近くの僧侶が活動していたといわれています。それはモンゴルの中でも巨大規模を誇っていましたが、社会主義時代の宗教弾圧により建物は次々と破壊されていきました。現在はあちこちに、寺院が朽ち果てた跡が残されています。
チベット仏教が信仰されているモンゴルでは、このような歴史を持つ寺院が多く、崩れた建物跡がその悲しい事実を物語っています。ちなみにオンギ寺院は、知る人ぞ知るモンゴル三大パワースポットのひとつです。周囲にはきれいな川が流れる、荒野のオアシスのような場所となっています。
ツァガーン・スワルガ(ホワイトストゥーパ)
気の遠くなるような長い年月をかけて出来上がった絶壁であり、むき出しの地層はかつてここが海だったことを表しています。遠くから見ると仏塔のように見えるため、ホワイトストゥーパ(白い仏塔)とも呼ばれており、夕日に照らされると言葉を失うような、美しい自然のアートが浮かび上がります。崖の上に立つことができますが、防護柵はないので足を滑らせないよう注意しましょう。
- ツァガーン・スワラガ
- モンゴル / 自然・景勝地
- 住所:Dundgovi Mongolia地図で見る
デル山と古代岩絵
デル山は本のページのような、ギザギザな形をした黒い岩が連なっています。そしてここには古代人によって描かれた、無数の岩絵が散らばっています。馬・アイベックス・ヤギと思われるたくさんの動物や、そしてそれを操る人間の姿も描かれていて、遥か昔の人々の暮らしをイメージすることができます。
さらに奥には古墳跡もありますが、周囲に人の姿はまったくありません。普段は研究者など専門分野を持つ人しか訪れず、一般人が来ることは非常に稀です。ですが立ち入り禁止というわけではないので、訪れることができたら貴重な体験になるのは間違いないでしょう。
ドンドゴビを旅する方法
ドンドゴビは見渡す限りの大地が広がり、見どころとなるスポットへ向かうための交通機関はありません。そのためツーリストが単独で訪れるのは不可能であり、旅をするには現地ツアーに申し込む必要がありますが、ドンドゴビを対象とした定番ツアーはほとんどありません。
そのため訪問するには、オリジナルプランとして現地旅行会社に相談するといいでしょう。ただ周辺のツーリストキャンプは7月から9月中旬辺りまでしかオープンしていないため、夏期限定の旅になる可能性が高いです。日数的にも少し余裕を持った方がいいでしょう。
また村を離れると売店などは一切なく、ツーリストキャンプに着くまで食堂もありません。そのため水や備品はあらかじめ購入しておく必要があり、当然ながら現地のSIMカードを持っていても、ネット接続はできません。快適な旅とは言い難いですが、そんな経験さえも楽しむ気持ちで出かけるならば、ほかにはない素晴らしい時間が過ごせると思います。