神武天皇によって建国された大和のはじまりの地とされる奈良県橿原市。橿原神宮をはじめとする神社仏閣や数々の遺跡など、橿原観光の拠点となる橿原神宮前駅周辺のおすすめ観光スポットをご紹介します。
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1.神武天皇を祭る橿原神宮
人々と明治天皇の想いが詰まった宮
橿原神宮が創建されたのは、明治時代の1890年。「この地に神武天皇を祭る神宮を」という民間の声に感銘を受けた明治天皇が、元京都御所の賢所(かしこどころ)と神嘉殿(しんかでん)を下げ渡されたのが始まりです。
本殿裏にそびえる畝傍山(うねびやま)は、「畝傍山の東南に宮を建てた」と日本書紀にも記されている山で、この辺りに大和の国としての初めて皇居が建設されたことがわかります。
畝傍山は、耳成山(みみなしやま)、天香久山(あまのかぐやま)と並んで大和三山とよばれ、万葉集にも歌われた国指定の名勝地でもあります。
昭和の神社建築美を堪能
参拝者が、神門を抜けて先ず目にするのは、外拝殿(げはいでん)とよばれる建物。ほかの神社でよく見かけるような建築様式とは異なっています。この昭和の神社建築は、昭和14年に完成したのだそう。どこかほっとする風景ですよね。
外拝殿の中から本殿・内拝殿を参拝します。外は暑い日差しでも、畝傍山から吹き下ろす穏やかな風に吹かれて外拝殿は涼しく、光と影が日本的な美を演出する特別な景色になっています。
本殿や畝傍山からの風が庭を吹き抜けて吊り燈篭を揺らす様は、心が荒れている時に訪れたら穏やかな気持ちにさせてくれそうな風景です。
回廊を歩こう
外拝殿から内拝殿へ渡る回廊は、残念ながらその全てを歩くことはできませんが、開放された一部のみ歩くことができます。
神武天皇が宮崎県高千穂から東征して崩御されるまでの物語、『神武天皇御一代記』を見ながら、のんびりと歩くことができます。
ほうき目で美しく整えられた庭を眺めながら、凛とした空気が流れる静かな空間で、忙しない毎日をリセットしてみるのも良いかもしれませんね。
広大な深田池
表参道を抜けた左側にある広い池は、15,000坪もある広大な御池で、深田池と呼ばれます。
地元の方々を中心に、のんびり散歩をされている方が多く、季節折々の花々を眺めながらゆったりと散歩するのに最適な場所です。
たくさんの亀を目当てに来る子どもたちが多いようですよ。
- 橿原神宮
- 奈良 / 神社
- 住所:奈良県橿原市久米町934地図で見る
- 電話:0744-22-3271
- Web:http://www.kashiharajingu.or.jp/
2.伝説の久米寺
聖徳太子の弟来目皇子が建立
久米寺は、聖徳太子の弟である来目皇子(くめのみこ)が建立したとされる古刹です。眼病を患った来目皇子が、聖徳太子の勧めで久米寺で37日祈願をしたところ、たちまち平癒したという言い伝えが残されています。
来目皇子より以前では、神武天皇が東征した際に軍を支えた久米一族の菩提寺とされています。神武天皇が、久米一族を讃えた有名な歌は、古事記や日本書紀に残されています。今もなお、橿原神宮で行われる紀元祭等の特別な日に舞われる「久米舞」で、久米歌と舞を見聴きすることができますよ。
久米仙人伝説の残る寺
今昔物語や徒然草にも語られている伝説の人物、久米仙人。
空を飛び、念力で物を移動させる等の不思議な神通力を持っていたとされる久米仙人は、百数十年もの間このお寺に住んでいたとされます。
久米仙人像の前にある、1枚200円の瓦に願い事を書き、書いた瓦を割ったら願いが叶うのだそうですよ。ぜひお試しくださいね。
大和七福八宝めぐりの社寺の一つである久米寺は、紫陽花の時期以外は無料で拝観できます。駅から徒歩6分と近いので、電車待ちの間にも訪れることができますよ。
3.橿原オークホテルが経営する老舗・埴輪まんじゅう本舗
元々は畝傍陵前駅周辺にあった埴輪まんじゅう本舗。現在は橿原オークホテルが経営を引き継ぎ、「埴輪まんじゅう」をはじめとするお菓子を製造・販売されているのだそうです。
長く愛されてきた橿原名物「埴輪まんじゅう」
70年以上の歴史がある埴輪まんじゅうは、人形・馬・壺・鈴の4種類の形で、こしあん・白あん・クリームの3種類から選べます。ホテルの奥で、一つ一つ丁寧に焼き上げられている、橿原だけでなく奈良を代表するお菓子の一つです。2個セット(195円)もあるので、気軽に試せて、小腹も満たせますね。
古代スイーツ「蘇」のアレンジお菓子を味わう
古代の日本で愛されていた乳製品、蘇。牛乳をコトコト煮詰めていき固形になったもので、日本で最初に作られたチーズとされています。
古い文献では、大化の改新頃には乳製品を食べていたという記録がされていて、平安時代になると貴族たちが日常的に食べていたそう。1本の牛乳からほんの少ししか作れない、手間のかかる一品です。
埴輪まんじゅう本舗では、蘇とスポンジを合わせたお菓子「飛鳥乙女」を販売しています。道の駅や土産物屋では手に入りづらい飛鳥乙女は、ここで手に入れておきたいもの。味は、くり・うめ・抹茶の3種類です。
硬めのチーズとふんわり甘いスポンジの絶妙な組み合わせは、旅のお供にも、女子へのお土産にもとてもおすすめ。古代の人々が食べていたとされるチーズを、ぜひ味わってみてくださいね。地方発送も可能なので、気になる方はぜひチャレンジしてみて下さい。(6個入り1,500円)
- 埴輪まんじゅう本舗
- 奈良 / おみやげ屋 / スイーツ
- 住所:奈良県橿原市久米町905-2地図で見る
- Web:http://kashihara-oakhotel.com/haniwa.htm
4.地元の名物を手軽に味わえるわさび葉寿しうめもり
橿原神宮駅の改札内には、数店舗のお店が軒を連ねています。カレーパンや伊勢うどんも良いですが、地元のものを手軽に味わえる名産品をお探しならうめもりのお寿しがおすすめです。
古代米を使った寿しや、柿の葉寿しが並ぶカラフルで見るからに美味しそうなショーケース。その中でもおすすめなのが、わさび葉寿し(1個290円)です。
具材は、炙り鯖・シメ鯖・えび・鮭の4種類から選べます。地元産の素材を使った梅酢の銀しゃりと、ぱりっとしたわさび葉は、一度食べたら忘れられない味。ぜひお試しくださいね。
- うめもり 橿原神宮店
- 奈良 / ご当地グルメ・名物料理
- 住所:橿原市久米町618(近鉄橿原駅構内)地図で見る
- Web:http://www.umemori.co.jp/
橿原市へのアクセス
近鉄・橿原神宮前駅までは、大阪や京都から特急・急行でアクセスが可能なので、日帰りもできます。今回ご紹介したスポットは、すべて駅から徒歩10分圏内です。
緑豊かな橿原神宮駅周辺で、古のロマンと、建国の歴史に想いを馳せてみませんか?