奈良県にある興福寺は奈良公園の玄関口にある法相宗のお寺です。興福寺では古都のシンボルである「五重塔」や、仏像界のプリンス「阿修羅像」を見る事ができますよ!奈良観光のメインエリアにあるため、いつも参拝者で賑わっている上、文化財として世界遺産にも認定された歴史あるお寺です。
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藤原氏ゆかりの寺院「興福寺」とは?
藤原鎌足とその子息・藤原不比等ゆかりの寺院「興福寺」の歴史を簡単に見ていきましょう!
はじまり
669年、藤原鎌足が病を患い、夫人が夫の回復を願い仏像を祀る際に建てられたのが、興福寺の前進となる山階寺(やましなでら)です。
後、山階寺は藤原京へ移されましたが、藤原不比等によって再度移設され、名前が興福寺となったそうです。
神と仏のごちゃまぜ文化で強大に
藤原氏は興福寺の近くに春日大社を建てましたが、神と仏を同時に信仰する神仏習合が盛んになり、春日大社と合体。この事でどんどん勢力を伸ばしていきました。
しかし、1180年平氏の焼き討ちなどに遭いほとんどの建物が焼失。時間をかけ、なんとか復興したと思った矢先の1868年、神仏分離令により、さらに大きなダメージを受けてしまいます。
現在の興福寺へ
「神仏分離令」や「廃仏毀釈」などにより一部の境内を除き全ての財産を没収され、「興福寺は奈良公園の一部」の様なレベルまで衰退してしまいます。
しかし、大量の仏教美術・仏像を保存していたこともあり、観光客が増え、少しずつですが賑わう興福寺を取り戻していったそうです。
プリンス オブ 仏像!阿修羅像を見に行こう!
国宝がずらり!リニューアルされた国宝館
僧侶が食事をする食堂(じきどう)があった場所にあり、その食堂を模して建てられた国宝館。
2018年1月にリニューアルオープンした国宝館では、文化財を痛めにくいLED照明を使っているため、ガラス越しではなく、ありのままの仏像を楽しむ事ができます。この国宝館で阿修羅像を見る事ができますよ!(写真撮影不可)
阿修羅像って?
もとはペルシャの神で、良い神様でしたが、帝釈天との長い闘いの末、善の心を忘れてしまった阿修羅は天から追放されてしまいます。しかし後に、釈迦を守護する八部衆の一尊として取り入れられたそうです。国宝館の中では八部衆と並んで展示されています。
阿修羅像には3つの顔と3対の手があります。向かって左は幼く、唇を噛み自らの過ちを認める事ができない子供の様な表情、向かって右は過ちに気づき悔い改めようとする、どこか大人びた顔、そして正面は深い懺悔の心を持ちながらも、何か悟りの中に光を見たような表情。まるで子供が大人へと成長していく表情が表現されているようです。その表情こそが人々の心を魅了しているのかもしれませんね!
そして、3対の手には正面の合掌をした手以外には持ち物があったそうです。上に上げた手には日輪、月輪、真ん中の手には弓と矢持っていたと言われています。
興福寺には見どころが沢山!
高さ50m!奈良県内一の高さ五重塔
730年に創建され、焼失などにより5度再建されました。現在は室町時代1426年に建てられたものです。
高さは50mあり、全国の古塔の中でも2番目に高く、国宝にも指定されています。古都奈良を象徴する建物です。
国宝の仏像がずらり!東金堂(とうこんどう)
726年に創建、聖武天皇が叔母の病気の全快を願い建てられました。現在の建物は1415年に再建されたものです。
中には国宝の仏像が多く展示されており、間近で見る仏像は美しさと、その迫力に圧倒されます。
元は東金堂、中金堂(ちゅうこんどう)、西金堂(さいこんどう)と三つの金堂が並んでいたそう。中金堂は現在再建工事中で、2018年10月に落慶の予定。将来的には中門や回廊ができ、立派な建物になっていくようです。とても楽しみですね!
八角形のお堂、南円堂
813年の創建で、現在の建物はは1789年に再建されたものです。中には国宝の仏像が安置されています。西国三十三所観音霊場の第9番札所で、多くの巡礼者が訪れる場所です。
興福寺は記録に残るだけでも100回を超える火災にあっており、その都度再建され、現在まで存続したお寺です。その力強さも興福寺の魅力の一つのように思います。
おわりに
興福寺、そして仏像界のプリンス阿修羅像はいかがでしたでしょうか。奈良観光のメインエリアあるため、見上げればランドマークの五重塔が目に入り興福寺の場所がすぐにわかります。国宝の仏像や建築も多くあるので、奈良観光の際はぜひ訪れて下さいね!
[入館料] 国宝館700円、東金堂300円、国宝館と東金堂の共通券900円
- 興福寺
- 奈良 / 寺 / 世界遺産
- 住所:奈良県奈良市登大路町48地図で見る
- 電話:0742-22-7755
- Web:http://www.kohfukuji.com/