ニュージーランド
ニュージーランド観光
都市型の北島と大自然を楽しむ南島からなる

【NZ】ブレナムのおすすめワイナリー&ツアー

取材・写真・文:

ニュージーランド在住

2020年11月18日更新

634view

お気に入り

写真:mumin

世界のワイン生産量と比べると僅かながら、豊かな香りと強い果実味が特徴のユニークなワインとして、近年注目されているNZワイン。辛口と甘口どちらにも適し、フルーティな香りと酸味を感じるスッキリした味わいで、女性にも人気のワインです。ここでは、NZワインの特徴や、おすすめのワイナリー、人気のワイナリーツアー、適した観光時期についてまとめて紹介します。

この記事の目次表示

NZワインの歴史

  • 写真:mumin

ニュージーランドにワインの原料となるブドウが持ち込まれたのは1819年頃。以降は小さな規模でワイン造りが行われていました。1970年頃、当時の大手ワイナリーであったモンタナ社が、ニュージーランド国内の地質調査を実施。その際にぶどうの栽培に適した土地としてマールボロ地方が発見され、以降大規模のワイン生産がはじまりました。

ワイン造りに適した土地の条件を持つ「マールボロ地方」の発見

  • 写真:mumin

ワイン造りに適した土地には、豊富な日照量、1日の中での寒暖差が大きいこと、水はけのよい痩せた土地という3つの条件が求められます。マールボロ地方は晴天率が高く、年間日照量は約2,400時間とニュージーランド国内でも群を抜いて多いです。そしてこの豊富な光によって、ぶどうの中にたくさんの糖がつくられます。

またニュージーランドは、”1日の中に四季がある"と言われるほど、1日の寒暖差が激しいのも特徴。夜、気温が下がることによってぶどうの活動が弱まり、日中につくられた糖がそのまま消費されずにぶどうにとどまります。

  • 写真:mumin

さらにマールボロ地方は、古代に起きた氷河の侵食によって、栄養分の高い土壌が地表から削られている痩せた土地でした。またこの地を流れるワイラウ川によって運ばれた小石が混じった土壌は水はけもよく、ワイン造りに非常に適した土地の条件が揃っています。今日では、ニュージーランド国内で生産されるワインの70%以上が、マールボロ地方でつくられています。

海外ワイナリーの参入

土壌調査によって、ぶどう栽培に適した土地であることがわかったマールボロ地方には、国内のみならず、海外からも優秀なワインメーカーが参入してきました。彼らのもつ技術やノウハウ、経験をフルに取り入れて、ニュージーランドワインが開花します。

マールボロのソーヴィニヨン・ブランの誕生

  • 写真:mumin

約40年と歴史の浅いマールボロのワインですが、ぶどう栽培に最適な土地で造られるワインには、光るものがありました。特に有名なワインのひとつが、ソーヴィニヨン・ブランです。後で紹介する「クラウディ・ベイ」というワイナリーが生産したのが始まりで、非常に豊かな香りが立つ、これまでのワインとは異なったユニークな味のワインとして国際的に評価されました。

以降、ニュージーランドといえばマールボロのソーヴィニヨン・ブランと知られるようになり、国際的な知名度を得るようになっていきました。

マールボロのソーヴィニヨン・ブランの魅力

  • 写真:mumin

ソーヴィニヨン・ブランは、主にフランスのボルドー地方、ロワール地方が原産のブドウ品種です。世界でも広く栽培されている人気の白ブドウ品種で、ハーブやレモンなどの爽やかな香りをもち、シャープな酸をいかしたフレッシュな味わいを持つ白ワインと言われます。

マールボロ地方で生産されるソーヴィニヨン・ブランは、グレープフルーツなどの柑橘系、パッションフルーツなどのトロピカルフルーツの強い香りが特徴で、ボトル口に鼻を近づけただけではっきりと香りがわかり、口の中に含んだ際には口から鼻にかけて香りがふわっと抜け広がる印象があります。

ワインにあまり詳しくない筆者でもよくわかるほど、はっきりとした特徴で、ワインがもつ香りや味の違いを楽しめました。ぜひワイナリーをいくつか巡って、好みのソーヴィニヨン・ブランを見つけてみてください。

ブレナムのおすすめのワイナリー

以下からは、マールボロ地方の中心地・ブレナムにあるおすすめのワイナリーを紹介します。

①クラウディ・ベイ(CLOUDY BAY)

  • 写真:mumin

1985年、オーストラリアのワイナリー「ケープ・メンテル」の醸造責任者をつとめていたホーネン氏によって、ブレナムで設立されたワイナリー。ニュージーランドワインを世界的に有名にした、ニュージーランドを代表するワイナリーです。

  • 写真:mumin

クラウディ・ベイが1985年に作ったソーヴィニヨン・ブランは、パッションフルーツやトロピカルフルーツなどの果物の香りが、これまでのソーヴィニヨン・ブランがもつ特徴のハーブや青草の香りと絶妙に融合した素晴らしいワインです。

英国市場を中心に国際的に評価され、ニュージーランドに新しいユニークなソーヴィニヨン・ブランがあると世界的に話題になり、ブレークしていきました。

テイスティング:$10(約700円)3-4グラス〜
クラウディ・ベイ
ニュージーランド / ワイナリー
住所:230 Jacksons Rd Blenheim, 7240地図で見る
電話:+64 03 520 9147
Web:http://www.cloudybay.co.nz

②フレミンガム・ワインズ(FRAMINGHAM WINES)

  • 写真:mumin

イギリスの南ノーフォーク出身のレックス・ブルック・テイラー氏によって1994年に設立されたワイナリー。ブレナムでリースリングを最初に植えたワイナリーのひとつで、リースリングのワインが多く、また甘口のワインが多いのが特徴です。

  • 写真:mumin

フレンドリーなスタッフが対応してくれるので、初めての方でも気楽に過ごせる環境です。整えられた庭園も美しく、晴れた日は外でランチするのもおすすめ。

テイスティング: $10(約700円)4グラス〜
フラミンガム・ワインズ
ニュージーランド / ワイナリー
住所:19 Conders Bend Road Renwick 7243 Marlborough, New Zealand地図で見る
電話:+64 3 572 8884(無料電話 (NZ) - 0800 36 40 80)
Web:https://framingham.co.nz/

③ホワイト・ヘイブン(WHITE HAVEN)

  • 写真:mumin

グレッグとスー夫妻によって設立されたワイナリー。夫妻はヨットで航海中、マールボロ地方の人気観光地・マールボロサウンドで美しい海と出会いました。この地域の美しさに魅せられたふたりは、この地にワイナリーの設立を決意。ブランドのマークにアンカーが用いられているのも、この航海に因んでいます。

ホワイトヘイブンは、後から紹介するレンタルサイクルツアーの受け渡し場所が近く、セルフワイナリーツアーを行う場合には最初に訪れるワイナリーとして最適。豊富な種類のワインがあり、いろいろ試して好みのワインを見つけるにもオススメです。香り豊かなホワイト・ヘイブンのソーヴィニヨン・ブランを、ぜひ試してみてください。

テイスティング:$5(約350円)3-4グラス〜
ホワイト・ヘイブン
ニュージーランド / ワイナリー
住所:93 Rapaura Road, Rapaura, RD3, Blenheim地図で見る
電話:03 577-5177.
Web:https://whitehaven.co.nz/

④フロム(FROMM)

  • 写真:mumin

スイスの老舗ワインメーカー「フロム」のゲオルク・フロム・ハッチ・カルベラー氏によって、1992年に設立されたワイナリー。当初はブドウの適正をみるために、赤ワイン用のブドウ8種を植樹していましたが、現在はソーヴィニヨン・ブランを含む、白・赤・ロゼなどを製造しています。

  • 写真:mumin

フロムでは、ソーヴィニヨン・ブランはもちろんですが、赤ワイン用のブドウを植樹していたこともあり、ピノ・ノワールに定評があります。テイスティングは赤ワイン4種、ミックス4種、ピノ・ノワールのシングルテイスティングの3種類があります。

テイスティング:$10(約700円) 4グラス〜
フロム・ワイナリー
ニュージーランド / ワイナリー
住所:15 Godfrey Road Blenheim 7201 New Zealand地図で見る
電話:+64 (0)3 572 9355
Web:https://frommwinery.co.nz/

⑤ワイラウ・リバー・ワインズ(Wairau River Wines)

  • 写真:mumin

1978年に最初のブドウを植樹してから、1991年に自社ラベルでワイナリーを設立したワイラウ・リバー・ワインズ。ソーヴィニヨン・ブランに関しては、ニュージーランドで最も名誉があると言われているニュージーランド航空ワイン・アワードを始め、複数の金賞を受賞しています。

ワイラウ・リバー・ワインズには、雰囲気のいい広いレストランが併設されているので、食事をするにもおすすめです。コロナ下では、テイスティングは予約のみとなっていますが、レストランを利用することで、食事と一緒にワインをオーダーすることができます。

テイスティング:予約のみ
ワイラウ・リバー・ワインズ
ニュージーランド / ワイナリー
住所:11 Rapaura Road, Blenheim 727地図で見る
Web:https://www.wairauriverwines.com/

※以上5つのワイナリーは、1年を通して開いているワイナリーです。冬場は閉園しているワイナリーが多いので、ご注意ください。今回紹介していない夏場に開いているワイナリーで、地元の人に大変好評なのが、Saint Clair Family EstateWither HillsRock Ferry WinesHANS HERZOG ESTATEなどがあります。夏に観光される際は、ぜひ足を運んでみてください。

次のページを読む

ニュージーランドの旅行予約はこちら


ニュージーランドのパッケージツアー(新幹線・飛行機付宿泊プラン)を探す

ニュージーランドのホテルを探す

ニュージーランドの航空券を探す

ニュージーランドの現地アクティビティを探す

ニュージーランドのWi-Fiレンタルを探す

ニュージーランドのレンタカーを探す

この記事で紹介されたスポットの地図

関連するキーワード

※記事内容については、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。

あなたにオススメの記事

同じテーマの記事


年末年始の海外旅行におすすめの国・都市16選!お正月は海外で年越ししよう

お正月休みに海外旅行へ出かけたいという方に、冬にベストシーズンを迎える国や、年越しのカウントダウンイベントが魅力の旅行先など、年末年始の海外旅行におすすめの国・...


2泊3日で周遊可!ニュージーランド北島のおすすめ観光スポット6選

南北二つに分かれる島国ニュージーランドは、自然の雄大さから映画『ロード・オブ・ザ・リング』のロケ地として至る所で撮影がされており、中でも北島にはかわいいホビット...

一度は訪れてみたい憧れの場所!世界の有名映画ロケ地8選

大好きな映画のロケ地を訪れてみたい!一度はそんな風に考えたことのある人は多いのでは。今回は世界で愛されている有名映画のロケ地となったスポットをご紹介します。さあ...

【ニュージーランド】気軽に楽しめる2つの氷河 「フランツ・ジョセフ」と「フォックス」

日本では、簡単に見ることの出来ない氷河ですが、ニュージーランド南島には、近くの町から気軽に見に行くことが出来る氷河が存在します。その名も「フランツ・ジョセフ・グ...

【ニュージーランド】徒歩でまわれるクライストチャーチ市内観光スポット6選

ニュージーランド南島の東海岸に位置するクライストチャーチ。市内の見どころが徒歩圏内に集中しているため、1日で観光スポットをまわることができます。2011年2月に...

この記事を書いたトラベルライター

無計画さが玉にきず、自由気ままなトラベラー。
幼い頃からよく動き回る子どもだった私は、そのまま大人になり大の旅行好きとなりました。見知らぬ街で、はじめてみる景色や人との出会いが、冒険しているようで大好きです。国内外さまざまな場所へ行き、「旅をしながら暮らすこと」が将来の夢。自分の経験も踏まえつつ、読者の方に役立つ情報をお届けしたいと思います。

【岩手県】ここだけは行きたい!定番のおすすめ観光スポット5選

北海道に次いで広い面積をほこる岩手県は、世界遺産の「平泉」をはじめ、リアス式海岸で知られる「浄土ヶ浜」や「龍泉洞」など、歴史的建造物やうつくしい景勝の宝庫!日本...


冬の蔵王はこう楽しむ!山形・蔵王の見どころ4選&周辺のおすすめ観光スポット4選

宮城県と山形県の県境にそびえる「蔵王連峰」。日本百名山にも選ばれた美しい山は、夏はエメラルドグリーンの神秘の湖「御釜」や、冬にはスノーモンスターと呼ばれる「樹氷...


秋田観光の穴場、「抱返り渓谷」の見どころ完全ガイド!

神秘的な碧い渓流や、紅葉の名所として知られる「抱返り渓谷」。田沢湖や角館からも程近く、秋田観光の穴場スポットです。今回は抱返り渓谷に行くならおさえておきたい見ど...

お土産も揃う、巨大市場!八戸観光の定番「八食センター」の見どころ10選

八戸観光といえばココ、「八食センター」。港町・八戸ならではの新鮮な魚介類や珍味、変わり種スイーツに八戸B級グルメモニュメントまで、ありとあらゆるものが揃う巨大市...

天然芝生の美しい海岸線!八戸・種差海岸の見どころ10選&楽しみ方3選

異国情緒ただよう、美しい海岸「種差海岸」。代表的な景観の「種差天然芝生地」をはじめ、趣ある松並木や西洋の古城のような展望台、"かぶあがり祈願"で有名な神社など見...

トラベルライターインタビュー Vol.3 Emmyさん

【トラベルライターインタビューVol.3】一人旅を応援する記事を多数執筆!Emmyさんならではの人気記事執筆のコツやその原動力に迫ります