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【日光】曇りでも大丈夫!半日で大満足の秘境・憾満ヶ淵の見どころ5選

取材・写真・文:

茨城在住
訪問エリア:45都道府県

2021年3月20日更新

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【見どころ4】大谷川の水が豊かに溜まる!「憾満ヶ淵」

ハイキングコースの遊歩道のすぐ隣を終始流れている川を大谷川(だいやがわ)と言います。中禅寺湖に源を発し東へ流れ、途中鬼怒川と合流します。大谷川の支流には華厳滝(けごんのたき)や白糸の滝など有名な滝が多くあります。透明感のある青さは一目見たら忘れられない美しさです。

  • 写真:Sosyu Kikuchi憾満ヶ淵
  • 写真:Sosyu Kikuchi大谷川(だいやがわ)

憾満ヶ淵は大谷川の流れの途中にある「淵」を指します。「淵」とは川の流れのなかで、速度がゆっくりになるポイントを言い、深さのあるよどみのことを呼びます。かつて洪水が起きた際に、ピンポイントでそのような深い地形が形成され、のちに「淵」となるのだとか。水量が豊かな様子がよく伝わってきます。

  • 写真:Sosyu Kikuchi木のカーテン

ちなみに憾満ヶ淵は、含満ヶ淵と表記することもあります。男体山(なんたいさん)から噴出した溶岩によってできた地形です。男体山とは栃木県を代表する名峰で、標高2,486メートルです。

命名したのは本記事でも何度か登場している晃海(こうかい)大僧正です。川の流れが不動明王の真言(仏の言葉)を唱えるように響くため、真言の最後の句「カンマン」を取ってこのような名前になったのだとか。ネイチャースポットでありながら、歴史や信仰も深く関わっている点も憾満ヶ淵の魅力です。

【見どころ5】飽くまで川を眺めよう!「霊庇閣(れいひかく)」

道中に建物が出てくるポイントがあります。こちらを「霊庇閣」(れいひかく)と呼びます。これは先述した慈雲寺創建の際、晃海(こうかい)大僧正が1654年に建立した護摩壇(ごまだん)です。護摩とは、火を使った儀式で護摩木などを燃しながら祈祷することを言います。

現存はしていませんが、2メートルあまりの不動明王像が対岸にあり、その石像に向かって天下泰平を祈り護摩供養を行ったのだとか。当時の建物は流出してしまったため、現在のものは昭和46年、輪王寺により復元されました。

  • 写真:Sosyu Kikuchi霊庇閣(れいひかく)
  • 写真:Sosyu Kikuchi下から見た様子

霊庇閣から眺める川はひときわ絶景で、目の前をごうごうと水が流れていきます。ぜひ足を止めて頂きたいポイントです。また、霊庇閣の近くには小さな橋がかかっており、こちらも見ごたえがあります。

  • 写真:Sosyu Kikuchi霊庇閣からの眺め
  • 写真:Sosyu Kikuchi橋を渡る

橋の左側を見ると、山奥から流れてくる豊かな水に目を奪われます。橋の右側には浅い水溜りがあり、川へと続いています。冒険心をくすぐられる景色を望むことができます。

  • 写真:Sosyu Kikuchi(橋の左側)山奥からも川が続いている
  • 写真:Sosyu Kikuchi(橋の右側)透明感のある水

ここまで来ると、徐々に川から離れた道になり道路へ出ますので、元来た道を戻ります。ちなみに元来た道を戻らずに、そのまま道路を進んでいくルートもありますので、お好きなルートで散策を楽しんでみて下さい。こちらで折り返すと全体で約2時間30分程度の散策となります。

霊庇閣
日光 / 遺跡・史跡
住所:栃木県日光市匠町地図で見る
憾満ヶ淵
日光 / 自然・景勝地 / 紅葉 / ハイキング / インスタ映え
住所:栃木県日光市匠町地図で見る

【ランチポイント】限定20食の手打ち蕎麦「含満の茶屋」

ハイキングスポットのスタート地点(折り返した場合のゴール地点)に位置するお食事処をご紹介します。ハイキングを終えたあとに一息つくのにぴったりのスポットです。一日限定20食の手打ち蕎麦が名物で、お蕎麦は店内で打っているという絶品です。店員さんも大変朗らかで話しやすく、日光の観光について分からない点は快く教えて下さいます。

  • 写真:Sosyu Kikuchi含満の茶屋
  • 写真:Sosyu Kikuchi店内かテラス席を選べる

筆者が注文したのは「ゆば付きざるそば」(850円)です。お蕎麦はしっかりとした歯ごたえと香りが印象的で、麺は程よく透き通っており蕎麦の実の粒々が見えるなど、本格的なざる蕎麦です。ゆばは山菜ときのことの含め煮で、上品なほんのりした甘さが特徴です。

ゆばを油で揚げたという「揚巻(あげまき)ゆば」を使用しているそうで、そちらを油抜きしてからお野菜と煮ていらっしゃるのだとか。ひと手間もふた手間もかけられたお料理です。ゆば独特の食感と大豆の香りが楽しめる、自信を持っておすすめしたいメニューです。

  • 写真:Sosyu Kikuchi手打ちざる蕎麦
  • 写真:Sosyu Kikuchi日光名物ゆばの含め煮
含満の茶屋
日光 / 和食
住所:栃木県日光市匠町8-33地図で見る
電話:0288-54-0713
Web:http://www.nikko-kanmangafuchi.com/

アクセス方法

日光駅よりハイキングのスタート地点(含満の茶屋)まで徒歩約40分です。40分と聞くと遠く感じるかもしれませんが、できれば徒歩での訪問がおすすめです。理由はスタート地点までの道のりにも美しい見どころがたくさんあるからです。特に日光の町を流れる大谷川(だいやがわ)が、あちこちで素晴らしい表情を見せてくれます。

  • 写真:Sosyu Kikuchiスタート地点までにも素敵な景色が転がる

スタート地点までの道順は簡単です。スマートフォンなどで検索する場合「含満の茶屋」を目的地にして頂ければハイキングルートへたどり着けますが、詳しくご説明します。

まず日光駅を降りて日光東照宮へ向かう道、日光街道(国道119号線)を歩きます。日光街道は、一本の道がまっすぐ伸びているだけなので、迷うことはありません。その後、日光橋という橋が出てきますので、渡り終えたところを左に曲がります。左手にはずっと大谷川が流れており、この川を辿るように舗装された道を歩きます。

  • 写真:Sosyu Kikuchi日光橋から見た神橋
  • 写真:Sosyu Kikuchi大谷川に沿って歩いて行く

やがて看板が出てきますので、目印にして下さい。引き続き大谷川を左手にして進みます。含満大谷橋という橋が見えてきますのでそちらを渡り、突き当りを右に進むとしばらく住宅街になります。

  • 写真:Sosyu Kikuchi看板があります
  • 写真:Sosyu Kikuchi含満大谷橋

住宅街の突き当りがハイキングコースのスタート地点及び「含満の茶屋」です。お手洗いが用意されていたり、駐車場があったりとひらけた空間になっています。ちなみにこの先のハイキングコース中にお手洗いはありません。お車でお越しになりたい方はこちらに駐車可能です。

  • 写真:Sosyu Kikuchi駐車場の様子

バスを利用したい場合、JR日光駅または東武日光駅より出ている「東武バス」に乗車しましょう。「総合会館前」にて下車すると便利です。徒歩約15分でハイキングスタート地点及び「含満の茶屋」に到着です。

【お土産ポイント】迷わずおすすめしたいこだわりの4品

【1】「湯沢屋」のまんじゅう

日光で歴史のあるまんじゅう屋といえば「湯沢屋」です。1804年創業という老舗で、以来200年以上受け継がれる「元祖日光酒饅頭」(140円/1個)が看板商品となっています。こちらは世界遺産「日光の社寺」御用、大正天皇献上品など、これまで公式な場でも重宝されてきたまんじゅうです。

  • 写真:Sosyu Kikuchiまんじゅうの老舗「湯沢屋」

原材料は、糀、もち米、小麦粉、小豆、砂糖の5つのみで、仕込みから完成まで一週間の時間をかけて製造されています。生地を作るために必要な酵母は、戦時中に消えかけるなどたくさんの困難にあったそうですが、創業当時から現在まで代々受け継がれているということで、驚きと感動を覚えます。

  • 写真:Sosyu Kikuchi新商品にも力を入れている

まんじゅうの生地は、むっちりとしたほどよい歯ごたえがあり、発酵食品独特のコクや酸味を感じさせるものがあります。中には上品な味付けのこしあんがたっぷりと詰まっています。添加物を使用していないため硬くなりやすいのが難点で、できれば購入したその場で食べ歩きしたい一品です。ただ、持ち帰りでも自宅で蒸し直したり、オーブンで温め直したりすれば美味しく頂くことができます。

  • 写真:Sosyu Kikuchi酒まんじゅう
湯沢屋
日光 / スイーツ / 和菓子店 / 和菓子
住所:栃木県日光市下鉢石町946地図で見る
電話:0288-54-0038
Web:http://www.yuzawaya.jp/

【2】「海老屋長造」のゆば

日光の町にはゆばを使ったお食事処やお土産屋さんが多くあります。なかでも、ここでご紹介する「海老屋長造(えびやちょうぞう)」は1872年創業という老舗で、ゆばを作り続けています。ちなみに日光にゆばの製法が伝わったのは山岳修行の修験道が盛んになった鎌倉時代で、以来ゆばは祭礼や修行僧の精進食材として、この土地に根付いていったという背景があるそうです。

  • 写真:Sosyu Kikuchi外観
  • 写真:Sosyu Kikuchi店内商品その1
  • 写真:Sosyu Kikuchi店内商品その2

国産大豆と日光連山の名水を原料に使用するというこだわりぶりです。さしみゆばや、含ませ煮(開けてすぐに食べられるもの)、乾燥ゆばなどを取り扱っています。さしみゆば等は要冷蔵品のため、持ち歩きに時間がかかり心配な方は乾燥ゆばを購入するといいかもしれません。

筆者は島田湯波(540円/10個、1,188円/25個)という乾燥ゆばを買いました。蝶々のような形をしており、中央が昆布で結ばれています。ぬるま湯で数分間戻し、お吸い物に添えると可愛らしい見た目になりました。ゆばのしこしことした食感が印象的です。

  • 写真:Sosyu Kikuchi乾燥ゆば
海老屋長造
日光 / その他グルメ
住所:栃木県日光市下鉢石町948地図で見る
電話:0288-53-1177
Web:http://www.nikko-ebiya.com/

【3】「浜亀」のしもつかれ

「浜亀」は、鮮魚や一般食材の卸売販売をされているお店で、店内は小さな商店のようなつくりになっています。お魚や野菜、その他お惣菜などを販売しており、店内の奥ではお魚をさばいたり、調理するスペースがあります。

  • 写真:Sosyu Kikuchi外観
  • 写真:Sosyu Kikuchi左にある鬼おろしで野菜をおろす

こちらで購入できる絶品のしもつかれをご紹介します。しもつかれとは栃木県の郷土料理で、「浜亀」では大根、人参、炒り大豆、塩サケの頭(北海道産)、油揚げ、酒かすを原料とし、それらを細かく刻み煮込んだものを販売しています。店内で手作りしているそうなので安心です。

サケがお料理全体によい香りとアクセントをもたらしており、その他のお野菜とよくマッチしています。しもつかれ初心者でも十分楽しめる優しいお味で、ご飯がよく進みます。栃木ならではのお土産を楽しみたい方に強くおすすめします。

  • 写真:Sosyu Kikuchiしもつかれ
浜亀
日光 / 食料品・デリ
住所:栃木県日光市下鉢石町955-1地図で見る
電話:0288-54-0732
Web:http://hamakame.co.jp/publics/index/7/

【4】天然の湧き水「磐裂霊水(いわさくれいすい)」

日光の町を歩いていると至るところで湧き水と出会います。「ご自由にお飲みください」といった表記がされており、水が汲めるようになっています。なかでもおすすめしたいのが、「磐裂霊水(いわさくれいすい)」です。日光橋のすぐ近くにあります。こちらの霊水は男体山(なんたいさん)系の湧水で特に美味しいと評判です。

日光開山の祖、勝道上人が清水を発見し、以来修験者が神仏に備えた霊水と伝えられているのだとか。口の中で滑らかに踊る水で、いつも飲んでいる水道水とは明らかに違い、不純物がないような舌触りと味です。ペットボトルに詰めればユニークなお土産になりますよ。

  • 写真:Sosyu Kikuchi磐裂霊水(いわさくれいすい)
  • 写真:Sosyu Kikuchi味が良いと定評がある

その他にも湧き水が頂けるポイントは複数あります。分かりやすい場所でご紹介すると、「JR東日本日光線」日光駅前や日光郷土センターなどが挙げられます。ぜひ湧き水をちょっと変わったお土産として活用してみて下さい。

  • 写真:Sosyu Kikuchi日光駅前の湧き水
  • 写真:Sosyu Kikuchi日光郷土センター内の湧き水
磐裂霊水
日光 / その他スポット
住所:栃木県日光市上鉢石町地図で見る
日光駅(JR東日本日光線)
日光 / 駅・空港・ターミナル
住所:栃木県日光市相生町地図で見る
日光郷土センター
日光 / 観光案内所・ビジターセンター
住所:日光市御幸町591地図で見る
電話:0288-54-2496
Web:https://www.city.nikko.lg.jp/nikkokankou/shisetsu/...

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この記事を書いたトラベルライター

大自然に魅せられて
江ノ島出身、現在は霞ヶ浦湖畔で暮らしています。自然に触れる旅が好きで、これまで国内45県、海外13か国を訪問。地域に根付く食と文化を探るのも楽しみの一つです。

▶よくある執筆ネタ
・湧き水、ネイチャースポット
・焼き芋、食文化、町の飲食店

▶Awards
・H30.10 環境保全茨城県民会議主催「いばらき自然環境フォトコンテスト」部門賞
・H31.01 羽田空港主催「私の旅する日本語2018」大塚製薬賞
・R01.08 tripnote主催「トラベルライターアワード2019上半期」審査員特別賞
・R03.08 tripnote主催「トラベルライターアワード2021上半期」SNSシェアトップ賞

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