パキスタン
パキスタン観光
インダス文明やガンダーラ王国の遺跡

【パキスタン】意外に整然とした首都イスラマバード

取材・写真・文:

東京在住
訪問エリア:186ヶ国

2021年8月27日更新

1,603view

お気に入り

写真:toshel

パキスタンの首都イスラマバードは、計画的な都市設計を元に作られた比較的新しい都市です。スタイリッシュンなデザインと、古くからあるモダンな建築物の混在した街は、意外なほど整然としており、散策の楽しさもあります。今回は、イスラマバードの主な見どころをご紹介します。

この記事の目次表示

パキスタンの首都イスラマバード

イスラマバードは、パキスタンの北部に位置する首都です。1947年、イギリスおよびインドから独立した当初は南部沿岸の大都市カラチが首都となりましたが、アラビア海に近すぎる安全保障上の脅威と、暑すぎる気候、そしてインドとの領土争いを抱えるカシミールに遠すぎる距離が問題となっていました。

そこで、それらをすべてクリアできる北部の村「サイドプル」が遷都先候補となり、1969年に名称も「イスラマバード」と改め晴れて首都となっています。「イスラマバード」は現地の言葉で「イスラムの都市」という意味です。

  • 写真:toshel

首都となった小さな村は、新鋭的な都市計画に基づいて再開発されました。街は、車道、歩道ともに幅広くとられ碁盤の目に整備。信号を減らすために、交差点は極力立体化されています。また、商業地と住宅地を分けて昼夜の人の流れを細分化するなど、シンプルかつ機能的な都市設計がされています。

  • 写真:toshel

さらに、新しい建築物は美的景観を意識しているほか、都市中心部へのリクシャー(バイクの後部にシートと屋根をつけた三輪タクシー)乗り入れを禁止するなど騒音対策も考慮し、緑の多い静かで過ごしやすい街となっています。

  • 写真:toshel

それでは、意外なほど美しい都市、イスラマバードの見どころをご紹介します。

ファイサル・モスク(Faisal Mosque)

イスラマバード一番の観光名所といってもいいファイサル・モスクは、1986年に完成した比較的新しいモスクです。

  • 写真:toshel

サウジアラビアのファイサル王によって寄進されたため、彼の名前が使われています。

  • 写真:toshel

このモスクを建設するにあたっては、実に世界17ヵ国から43件にもおよぶ建築設計案が提出されました。そしてこの壮大なプロジェクトは、最終的にトルコ人建築家のこのデザインに決定しました。モスクとしては珍しいこの外観は、一般的に用いられる伝統的なドーム型とは違い、ベドウィンが砂漠に張るテントをイメージしています。

ムスリムは一般的に伝統を重んじる保守的なイメージが強いですが、世界最大級のモスク建設という一大事に、パキスタンがこの斬新なデザインを選んだことに驚きです。ベドウィンの多かったサウジアラビアに配慮したのでしょうか。

  • 写真:toshel

ファイサル・モスクは、モスク内部に15,000人、外には85,000人を収容できます。

  • 写真:toshel

青い空と白の大理石のコントラストが壮観です。

  • 写真:toshel

79メートルの高さがある4本のミナレットは、天に突き刺すように聳えています。

  • 写真:toshel

目を惹く白さのファイサル・モスクは、いつ訪ねても掃除をしている人の姿があり、常に綺麗に保たれています。

  • 写真:toshel

特別な合同礼拝の日である金曜以外は、館内への入場はできませんが、金曜は人が多すぎるため、平日に訪ねた方が良さそうです。

ファイサル・モスク
パキスタン / モスク / 観光名所
住所:ファイサル・モスク イスラマバード地図で見る

ダーマン・エ・コー・パーク(Daman-e-Koh Park)

ダーマン・エ・コーは、イスラマバードの北方マーガラヒルズにあります。公園は広く、観光客だけでなく近隣住民も多く寛ぐ人気の公園です。展望台のあるView Pointまでの道のりには、サルをはじめちょっとした小動物が放し飼い(若しくは住み着いた?)されています。

  • 写真:toshel
  • 写真:toshel

公園の奥の方まで歩いていくと、View Pointがあります。

  • 写真:toshel

ここからは、イスラマバード全体のパノラマを眺めることができます。

  • 写真:toshel

先ほど、地上から巨大に見えていたファイサル・モスクもあんなに小さい!

  • 写真:toshel
ダーマン・エ・コー・パーク
パキスタン / 公園 / 展望台 / 展望・景観
住所:islamabad地図で見る

モナル・イスラマバード(The Monal Islamabad)

そして、ダーマン・エ・コーから、更に車で山を上ること15分。イスラマバードで一番眺めのいいレストランがあります。場所、雰囲気、サービスもさながら、食事も美味しく値段も安く、昼夜問わず地元の人や観光客で賑わっています。

  • 写真:toshel
  • 写真:toshel

イスラマバードを眼下に一望できる、素晴らしい景色です。

  • 写真:toshel
モナル・イスラマバード
パキスタン / パキスタン料理 / ランチ
住所:モナル・イスラマバード地図で見る

パキスタン記念館(Pakistan Monument)

イスラマバードのランドマークであるパキスタン記念館は、イギリス(およびインド)からの独立時に犠牲となった人々への敬意を表し、またパキスタン人の団結を象徴するために建てられました。4枚の大きな花びらと、3枚の小さな花びらで構成され、大きな4つは主要な州を、小さな3つはパキスタンの3つの領土を表しています。

  • 写真:toshel

パキスタンの国名の由来は、パンジャブ州のP、アザド・カシミール州のA、カイバル州のK、シンド州のS、バロチスタンのTANから取られており、それぞれ民族も違えば言語も違いますが、それぞれの州が一丸となってパキスタンを支えて盛り上げて行こう!という思いがあります。

  • 写真:toshel

夕暮れや夜のライトアップが美しく、そのような思いに灯が点いているように感じられます。こちらのモニュメント以外にも、博物館やカフェなどがあります。

パキスタン記念館
パキスタン / モニュメント / 博物館
住所:パキスタン記念館地図で見る

次のページを読む

パキスタンの旅行予約はこちら


パキスタンのパッケージツアー(新幹線・飛行機付宿泊プラン)を探す

パキスタンのホテルを探す

パキスタンの航空券を探す

パキスタンの現地アクティビティを探す

パキスタンのWi-Fiレンタルを探す

この記事で紹介されたスポットの地図

関連するキーワード

※記事内容については、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。

あなたにオススメの記事

同じテーマの記事


【パキスタン】そこに行けばどんな夢も叶うというよ!遥かに遠い愛の国ガンダーラ

ガンダーラは、紀元前6世紀から長きに渡り存続した古代王国です。当時のギリシャとオリエントが融合したヘレニズム文化の源流となり、そこで確立された仏教美術は世界中へ...


【パキスタン】もはや解明不可能?謎の文明「モヘンジョ・ダロ」

パキスタン南部にある古代インダス文明の遺跡「モヘンジョ・ダロ」は、後世「死の丘」と呼ばれ、地元の人は決して近づかない呪われた場所でした。核戦争で滅びたとまで言わ...

【パキスタン】古き良き大都市「カラチ」の見どころ

パキスタン最大都市のカラチは、イスラム教を重んじる国の中ではかなり先鋭的な都市です。建物や見た目こそ古いものの、賢明で先進的な市民のもと急激な発展を遂げようとし...

日本とパキスタンの時差は「4時間」!パキスタンへの飛行時間は?

パキスタン旅行に出かける前に知っておきたい、日本とパキスタンの時差や、サマータイム、日本からパキスタンへの飛行時間について解説します。

【パキスタン】ムガル帝国歴代皇帝の愛した都市ラホール

近年、何かと物騒なニュースの多かったパキスタンですが、ここにきて治安は好転し、穏やかな日々が戻りつつあります。先日は、ノーベル平和賞を史上最年少で受賞したマララ...

この記事を書いたトラベルライター

地球旅~現在186ヵ国~
行ったことのない国を中心にひとり旅しています。他国の歴史、文化、宗教、遺跡、そしてそこに住む人々の考え方に興味があります。

車の運転が好きなので、海外ではドライブ旅を楽しんでます。普段は会社員です。

【ホンジュラス】世界屈指の犯罪都市テグシガルパ

世界の治安が悪い国ランキングなどを見ると、毎年必ず上位になってしまうホンジュラス。しかし、手つかずの美しい自然が多く、世界遺産に登録されたマヤ文明のコパン遺跡を...


【レバノン】ベイルート・ビブロス・バールベックの見どころ

遠い昔、世界の中心が地中海にあった時代、レバノンは東西貿易の交差点となる重要な位置にあり、繁栄の極みにありました。古くから数多くの王様や将軍が、この土地を挙って...


カリブの島はどこがいい?陽気レゲエでちょっぴり危険な「バルバドス」どこまでも静かな「アンティグア」

カリブ海には、大小様々な島がおよそ700あります。そのほとんどは欧米各国の領土で、独立国はわずか13カ国のみ。今回は、その中より対極にある2つの小さな島国をご紹...

【サウジアラビア】ついに観光ビザ解禁!閉ざされていた王国の珍しい文化と各都市の見どころ

観光での入国が困難だったサウジアラビアが、2019年9月27日に突然、ツーリストビザの発給開始を発表しました。今回は、サウジアラビアに古くからある慣習と文化、そ...

【ベネズエラ】世界の危険都市上位?首都カラカス

世界屈指の産油国にしてハイパーインフレーションに陥った南米の国ベネズエラ。かつて、スペイン植民地から独立へと導いた英雄「シモン・ボリバル」の生まれ育った街でもあ...

トラベルライターインタビュー Vol.3 Emmyさん

【トラベルライターインタビューVol.3】一人旅を応援する記事を多数執筆!Emmyさんならではの人気記事執筆のコツやその原動力に迫ります