パキスタン
パキスタン観光
インダス文明やガンダーラ王国の遺跡

【パキスタン】古き良き大都市「カラチ」の見どころ

取材・写真・文:

東京在住
訪問エリア:186ヶ国

2021年11月4日更新

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写真:toshel

パキスタン最大都市のカラチは、イスラム教を重んじる国の中ではかなり先鋭的な都市です。建物や見た目こそ古いものの、賢明で先進的な市民のもと急激な発展を遂げようとしています。今回は、カラチの見どころをご紹介します。

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パキスタンの最大都市カラチ

カラチは、アラビア海沿いに位置するパキスタンの最大都市です。北東に位置する 首都イスラマバード遷都以前、カラチはパキスタンの首都でした。人口はパキスタン内で最多の1,500万人(2020時点)。都市人口としても世界7位という多さです。パキスタン自体、人口は2億3,818万人(2021年7月統計)で世界5位ながら、依然として増え続けています。

カラチはパキスタンの経済や金融も最大で、パキスタン歳入の多くを占める重要都市となっています。

カラチでの見どころ

フレア・ホール・ライブラリ

フレアホールは、イギリス領インド帝国時代に建てられました。中は図書館になっており、誰でも自由に入ることができます。

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フレア・ホール・ライブラリ
パキスタン / 図書館 / 建造物
住所:フレア・ホール・ライブラリ カラチ地図で見る

モハッタ・パレス

モハッタ・パレスは、1920年代後期に建設された豪華な宮殿です。

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中心のドームとサイドの9つの八角形ドームは、屋上に通じる螺旋階段になっておりエレガント。正面に向かって左側は、博物館になっています。

モハッタ・パレス
パキスタン / 建造物 / 博物館
住所:モハッタ・パレス カラチ地図で見る
Web:https://mohattapalacemuseum.com/

クエイド・エ・アザム・ハウス(Quaid-e-Azam House Museum)

パキスタンの指導者、クエイド・エ・アザムの住んでいた家です。英国の建築家モーゼによって設計された100年以上の歴史を持つ建物で、現在は美術館となっています。

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パキスタン国立博物館

パキスタンで発掘された文明文化が細部に至るまでバランスよく収蔵されている、カラチに来たら必見の博物館です。

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展示は時代ごとに分かれています。改めてパキスタンのもつ素晴らしい歴史のポテンシャルを感じさせます。

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インダス文明

ハラッパーやモヘンジョ・ダロから発掘された遺跡の中でも、貴重な遺物が展示されています。

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特に、こちらのモヘンジョ・ダロ神官王像は貴族の家から発掘したとされ、インダス文明の起源や信仰を知る上での貴重な像の一つです。

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ガンダーラ王国

こちらはガンダーラ王国の遺物です。パキスタン北西部に位置したガンダーラはヘレニズム文化を取り入れ、お釈迦様の姿にもその彫刻技法が用いられるなどし、後の中国や日本にもその影響をもたらしています。

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ムガル帝国

更には東に位置するラホールのムガル帝国時代の遺物や、少ないですがヒンズー教に纏わる遺跡も展示されています。

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ジンナー廟

パキスタン創立の父、ムハンマド・アリー・ジンナーの霊廟です。白い大理石で造られた高さ30mの建物はドームが印象的で、その周りは広大な公園になっています。

  • 写真:toshel

筆者はカメラを持っていたため、なぜか敷地内の入園を断られましたが、地元の方々が多く訪ねていました。

ジンナー廟(カラチ)
パキスタン / 史跡・遺跡
住所:ジンナー廟 カラチ地図で見る

ティーン・タルワー

カラチ・メインロードのラウンドアバウトに建つ大理石のモニュメントです。三つの剣は、ムハンマド・アリー・ジンナーの心情である「統一・信仰・規律」を刻んでいます。

  • 写真:toshel
ティーン・タルワー
パキスタン / モニュメント
住所:ティーン・タルワー カラチ地図で見る

シルバー・サンズ・ビーチ

アラビア海に面するロングビーチ。都会の喧騒から離れ、のんびりと行き交う貨物船を眺められる静かな場所です。

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シルバー・サンズ・ビーチ
パキスタン / ビーチ
住所:silver suns beach karachi地図で見る

カラチで目にする珍しい物

ローカルバス

ローカルバスがカラフルです。

  • 写真:toshel

パキスタンはデコトラも有名ですが、カラチではバスもこのようにデコレーションされています。

  • 写真:toshel
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デコレーションされている車内も楽しんでください。

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旧市街の青空ビル

イギリス統治時代に建設された百年以上前の石造りビルは、外観を残したまま旧市街に並んでいます。

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よく見ると中はボロボロで屋根はなく雨ざらしのビルも。

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ラウンドアバウト

主要な幹線道路はラウンドアバウト(環状交差点)になっており、その中心には比較的大きなモニュメントが必ずあります。人口も交通量も多いカラチの動脈を円滑に流しています。

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オートリクシャー大活躍

首都イスラマバードでは市内への侵入が禁止されているオートリクシャー(三輪タクシー)も、カラチでは多く走っているのでちょっとした移動に便利です。

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先鋭教育のパキスタン

パキスタンの正式名称は「パキスタン・イスラム共和国」といいます。

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名称の通りイスラムを国教とする国ですが、イスラム法を重んじる周辺各国の中ではかなり先進的かつ革新的で、時代をうまく捉えているように感じます。

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イスラム教の戒律が厳しい国では、男女を明確に区別し役割が定めているため、女性の働く権利が著しく阻害されていたり、バイセクシャルやトランスジェンダーはその存在自体を否定されています。これに反すると死刑になってしまうイスラム教の国もある中、パキスタンでは女性のパイロットやトランジェンダーのニュースキャスターが活躍するなど、個が重んじられ活躍の場を広げています。

  • 写真:toshel
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またパキスタンでは、ある一定以下の歳の人は男女関係なくほぼ英語を話すなど対外教育にも力を入れており、旅行者にとっても旅をしやすい国です。イスラム教の国々を多く旅した筆者から見ると、インフラなど物理的なものを除いて、パキスタンはこの辺りではかなり先鋭的に思います。

カラチへの行き方

2021年11月現在、日本からの直行便はないため、中東や東南アジアを経由して行きます。

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この記事を書いたトラベルライター

地球旅~現在186ヵ国~
行ったことのない国を中心にひとり旅しています。他国の歴史、文化、宗教、遺跡、そしてそこに住む人々の考え方に興味があります。

車の運転が好きなので、海外ではドライブ旅を楽しんでます。普段は会社員です。

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