パリ・マドレーヌ駅から徒歩2分の距離にあるマドレーヌ寺院。メトロの駅から地上に出れば、壮大なギリシャ神殿のような寺院の存在感にまず圧倒されることでしょう。約80年の年月をかけて建築された教会には、実はランチの時間のみ営業している食堂があるのです。そんな地元の常連客で賑わう秘密の食堂Foyer de la madeleineをご紹介!
この記事の目次表示
マドレーヌ寺院とは?
Foyer de la madeleineがあるのはパリ8区にあるマドレーヌ寺院の施設内。でもランチだけだなんて勿体無い!是非ともマドレーヌ寺院も合わせての見学をオススメします。
マドレーヌ寺院の成り立ち
1764年ルイ15世の治世に建設が始まりましたが、設計者達の度重なる死去や1789年のフランス革命により一時中断を余儀なくされます。革命後、時の権力者ナポレオンによって兵士の栄光を讃える神殿を建てたいという願いから建設が再開されます。しかし結局ナポレオンの存命中に完成は成されず、1842年にフランスの栄光と陸軍の宮殿という形で完成を見ます。
その後、ルイ18世によりマグダラのマリアに献上されたことで教会と呼ばれるようになったのです(マドレーヌ・madeleineとはフランス語でマグダラのマリアという意味です)。このような理由からマドレーヌ寺院の見た目は神殿のような、他のカトリック教会とはかなり異質な外見となっているのです。
- 出典:www.flickr.comphoto: La Madeleine,Paris,France by Greg Whalin
寺院と食堂の関係
1842年、教会の設立と時同じくして、貧しい人々のために共同作業室や衣類、軽い食事の施しを行う慈善活動が始まります。その活動によりマドレーヌ寺院周辺には有名店やハイブランドのアトリエが軒を連ね、周辺地域は働く若い女性達で賑わいを見せ始めます。
黙々と熱心に働く彼女達は仕事場の地上階でお弁当を広げて軽い食事を取ることも珍しくなく、第一次大戦前などは教会関係者らがストーブで彼女らのお弁当を温めてあげたりしていたそうです。そしてそのような活動が続く1968年、マドレーヌ寺院に正式にFoyer de la madeleineが誕生します。
今でもそうですが、ここで働くスタッフ達は皆ボランティアの方々ばかり。一般のお客さんはもちろん、貧しい人々への食事の提供を第一義に今日もFoyer de la madeleineはその食事の場を提供しています。
Foyer de la madeleine
マドレーヌ寺院の正面には鉄柵に教会の見取り図があり、Foyer de la madeleineの入り口も記載されています。これなら迷わず食堂の入り口に辿り着けますね。
食堂の利用方法
営業時間
平日の11時〜14時、ランチ営業のみ。
※7月29日〜9月3日はバカンスのため閉まっています。
料金体系
こちらでは入り口を入るとまずカウンターがあり、ここで会員証(9€・約1,200円)を作る必要があります。会員証はこちらのカード!食堂内部の写真が印刷されています。有効期限は発行日から1年間。
食事料金は個人は一律7€(約930円)、グループの場合は60€(約7,985円)。
7€で前菜・メイン・デザートが食べられるというのですから、ランチの平均が15€(約1,995円)〜20€(約2,660円)のパリでは破格のお値段ということはお分り頂けるはず!
座席
テーブルセットされているところなら自由に座れます。食堂の造りも縦に長いのでテーブル数も多く、混雑していてもそう待たずに席が見つかりますよ。迷っていてもサービスのマダム達が案内してくれるのでご心配なく!
選べるメニュー
メニューは毎日日替わりで料金を払うカウンターのところに本日のメニューを書いた看板が立っています(フランス語のみ)。前菜3種、メイン2種、デザート3種(品数も日により違います)から選べます。
また、席に着くとボランティアのマダムがまず前菜から全種類載せてテーブルまで持ってきてくれます。こちらはそれを見て食べたいものを指差して選ぶだけ!フランス語が出来なくても心配ありません。メイン、デザートの流れも全く同じです。
サロン・ド・テも楽しんじゃおう!
食事を楽しんだあとは、隣にあるサロンでコーヒか紅茶を1€(約133円)で頂くことができます。こちらにもカウンターには気さくなスタッフさんがいらっしゃいます。
マドレーヌ寺院の建築様式
ノートルダム大聖堂やサクレクール寺院に比べるとその知名度はさほどですが、メトロのオペラ駅やコンコルド駅からも徒歩圏内にあるアクセスの良さ、カトリック教会には見られない稀有な建築様式も見所のひとつ。そんな魅力あるマドレーヌ寺院についてご紹介しましょう!
外観
高さ30mのコリント式の柱が52本ぐるりと四方を囲んでおり、古代ローマ・ギリシア様式を模したネオクラシック様式で造られています。このようなギリシア宮殿を彷彿とさせる外観となったのは、ナポレオンの意思によるもの。対面に遠く臨めるブルボン宮が同じくギリシア様式で設計されていることから、以前の王政権力への対抗とも言われています。
正面のファザード上部にはアンリ・ルメール作の『最後の審判』が彫刻され、扉にはアンリ・ド・トリケッティ作『十戒』をモチーフにしたレリーフが施されています。
内観
窓が一つもなく、高い天井と3つの巨大なクーポール(丸天井)が特徴的。最奥の半クーポールには、迫害され続けたキリストと、彼の足を洗い香油をふりかけたマグダラのマリアを描いた絵画があり、その足元では『聖マグダラのマリアの歓喜』像が主祭壇を見守っています。
- Foyer de la madeleine
- パリ / 洋食・西洋料理
- 住所:Place de la Madeleine, 75008 Paris地図で見る
- Web:http://foyerdelamadeleine.fr