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【3】移動遊園地
遊園地と言うと子供のためのイベントという感じがするかもしれませんが、昔はお金持ちの大人のためのエンターテインメントでした。移動遊園地は列車10台以上を使って街から街へと移動し、大人たちは着飾ってお祭りを楽しみました。そんな豪華な移動遊園地が現代に蘇ります。
ここにはオルゴールの原理で動く自動演奏装置があります。当時のままの音質で、非常に大きな音が出ます。昔は2キロ先まで音が聞こえたそうです。
こんな音と音楽です。
遊園地なのでもちろんここにもメリーゴーラウンドがあります。ここに設置されているものは馬が上下するタイプで、約100年前にフランスとドイツの合作で作られました。もちろんこれも乗れます!100年という歴史を感じてドキドキしながら乗りました。
ガイドさんがこのメリーゴーラウンドに関して面白い話をしてくれました。当時はドイツの方が細工する技術が高かったためドイツ製の馬の方が精巧に作られているそうです。こちらがドイツ製の馬です。
尻尾には本物の毛を使い、細かい装飾がなされ、目、耳、口もリアルです。
一方でフランス製がこちらです。
尻尾も木で作られ、全体的に装飾も少なめです。素人が見てもその差は一目瞭然ですね。
ここでメリーゴーラウンドに関する豆知識をひとつ。イギリス以外のヨーロッパ製のものは反時計回りに動き、イギリス製のものは時計回りに動きます。この馬のメリーゴーラウンドはドイツ・フランス製なので反時計回りです。
さて、この移動遊園地にはもうひとつ、実際に乗ることができるメリーゴーラウンドがあります。これはとても珍しい1879年製の自転車のメリーゴーラウンドでイギリスで作られました。なのでこちらは時計回りです。
こちらも装飾が豪華です。このメリーゴーラウンドの面白いところは、乗った人が自転車を漕ぐ力を利用して動くという点です。なんと人力なんです。子供はペダルに足が届かないため、自転車部は大人限定です。他にも注意点があり、バッグ等は持たずに乗ること、途中でペダルから足がはずれたらもうペダルには戻さないように、と説明を受け、ワクワクしながら乗りました。鐘の音を合図にいっせいに大人たちが漕ぎだすとあっという間に加速して驚きのスピードで回り始めました。
予想外のスピード感です。止まっているとき、自転車は軽く内側に傾いているのですが、動きだすと遠心力でほぼ垂直になります。そのくらいのスピードが出ます。消防士のグループがこのメリーゴーラウンドに乗り、本気で漕いだときは時速60キロのスピードが出たそうです。その速さにもびっくりですが、100年以上も前に作られた装置が今でも抜群のコンディションで動いていることに驚きを隠せませんでした。
緑溢れる外のエリアも素敵
博物館の3つの部屋をそれぞれ紹介してきましたが、建物の外のエリアも雰囲気があって素敵です。
立ち並ぶ木が天然のエアコンの役割を果たし、木々の間にはシャンデリアが飾ってあり、魔法にかかったような、異世界に迷い込んだような気分になれます。パリならではの魔法の世界にタイムスリップできる縁日博物館、絶対におすすめです。

- 縁日博物館
- パリ / 博物館・美術館 / 博物館
- 住所:53 AV. DES TERROIRS DE FRANCE - 75012 PARIS地図で見る
- 電話:+33 (0) 1 43 40 16 22
- Web:http://arts-forains.com/




















































