1810年にポーランドに生まれた作曲家でありピアニストのショパン。ポーランドのみならず世界的に有名で、今日でもノクターンやワルツなど広く人々を魅了する音楽が生き続けています。幼少期をポーランドで過ごし、ウィーン(オーストリア)やパリ(フランス)等各地に住み演奏を続けた彼の生涯は、ヨーロッパ中で起こった戦の中にあり、彼の音楽は戦の中の灯となりました。今回は、ポーランドの人々にとって永遠のヒーローであるショパンの、息づかいが聞こえてきそうなポーランド・ショパンづくしの旅にご案内します。
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ショパンが生まれ育ったポーランドという国
ポーランドは西ヨーロッパに位置し、北はバルト海に面し、北東はロシアの飛地カリーニングラード州とリトアニア、東はベラルーシとウクライナ、南はチェコとスロバキア、西はドイツと国境を接する国です。
首都はワルシャワで、新市街と昔の風情を残す旧市街とが解け合う街となっています。ポーランドと言えば、最近ではポーリッシュポタリーのケルセン(Kersen)など、日本でもその温もりある手作り陶器をお店で見かけるようになりました。
その他、琥珀が名産であり、食べ物ではポーランドの餃子であるピエロギやアップルタルトのシャルロットは、ポーランド旅行に欠かせないものです。
そしてポーランドと言えば忘れてはならないのが、ショパン。ポーランドを旅すると街の教会で演奏会が頻繁に行われており、ポーランドの人々のショパンに対する愛を感じることができます。
今回は、そんな魅力たっぷりのポーランドの中でも、ショパンの足跡を辿るスポットをご紹介します。
生家や公園、教会...ショパンを味わい尽くす!
ショパンは、誰もが一度は耳にしたことのある世界的に有名な作曲家で「幻想即興曲」 、「軍隊ポロネーズ」、ワルツ第9番「別れのワルツ」等の名曲を世に遺しました。
ショパン音楽のルーツが眠るショパンの生家
ワルシャワから西に約60kmほどの村にあるのが、1810年にショパンが生まれた家です。現在は博物館になっており、手紙や出生証明書、ピアノ(複製)などショパンゆかりの品が展示されています。
ワルシャワ市内からの道中、国名「ポーランド(平らな土地という意味)」が示すように見渡す限り平らで広大な土地が広がります。
ショパンの生家は真っ白い壁の平屋建てで、各部屋の四方に窓があり、温かな日差しの入る家です。
家の中には、家具はなく、2つの部屋にそれぞれショパンが使っていたピアノの複製が置かれているのみです。それでもピアノのあるショパンの当時の暮らしの様子を伺わせる雰囲気となっており、ショパンのルーツを想像することができます。
- ショパンの生家
- ポーランド / 博物館・美術館 / 博物館
- 住所:elazowa Wola 15, 96-503 Sochaczewm, Poland地図で見る
- Web:http://chopin.museum/en/information/visitors/id/43...
首都ワルシャワにあるフレデリック・ショパン博物館
ショパンの足跡を辿ってポーランドの首都ワルシャワに戻りましょう。
ワルシャワにはショパンの遺品を展示したり、彼の功績を知ることのできる博物館があります。それがフレデリック・ショパン博物館です。
ショパンが作曲した直筆の楽譜や、映像で楽しむ曲と彼の人生物語について知ることができるコーナーや子供向けのコーナーなど、充実した展示の数々となっています。
こちらの動画で館内の雰囲気を垣間見ることができます。
また、見どころはショパン本人が使用していたピアノの展示です。ショパンの生家には複製品しかなかったピアノですが、こちらではガラス越しに実物を見ることができ、飴色に変わった木の色や所々色あせた鍵盤など、ショパンの呼吸が聞こえてきそうな本物を見ることができます。
- フレデリック・ショパン博物館
- ポーランド / 博物館・美術館 / 博物館
- 住所:Pałac Gnińskich, 00-368, Okólnik 1, 00-368 Warszawa地図で見る
- Web:http://chopin.museum/en
壮大なショパン像が存在感を放つワジェンキ公園(Lazienki Park)
首都ワルシャワの中心部に市民憩いのワジェンキ公園(Lazienki Park)があります。こちらでは、毎年5月~9月の日曜日に無料の野外コンサート「ショパン・コンサート」が開催されることで有名です。
ポーランド最後の王・ポニャトフスキーがここにワジェンキ宮殿を建造したため、そのまま公園名になりました。 敷地面積は76万㎡、植物園や劇場もありヨーロッパでも屈指の美しい公園として知られています。
中でも公園内にそびえる巨大なショパン像は、バラ庭園に囲まれ、この公園のシンボル的存在となっています。柳の木の下に座り、ワルシャワの今昔を見守るショパン。どこか哀愁が漂いながらも動きの見える美しい存在感たっぷりの像となっています。
- ワジェンキ公園
- ポーランド / 公園・動植物園 / 公園
- 住所:Agrykola 1 Street, Warsaw, Poland地図で見る
- Web:http://www.lazienki-krolewskie.pl/
ショパンの心臓が埋められている聖十字架教会
オーストリアやフランス等ヨーロッパ各地を旅したショパン。最期には39歳の若さでパリでその生涯を終えました。
遺体はパリ市内の墓地に葬られましたが、遺言によりショパンの心臓は祖国ポーランドの教会に埋められることとなりました。ショパンの心臓が眠るのがポーランドの首都ワルシャワにある聖十字架教会です。
教会内に入ると心臓が埋められている柱にはひと際目立つ装飾が施されており、ショパンの心臓が埋められていることが記載されています。
ショパンの心臓は小さな壺に入れられ、コニャックらしきアルコール液体に漬けられた状態で、レオナルド・マルコーニ作の柱の最下部に納められています。ショパンの心臓は、第2次世界大戦中に避難のため持ち出された時を除いて、こちらで眠っています。
こちらの教会でもたまにショパン・コンサートが開かれているようですが、ポーランドで聴くショパンの音楽はまた格別です。ショパンが愛したポーランドの空気を感じながら、どこか哀愁漂うこの中欧の土地で、1人の有名な作曲家の足取りを辿って旅をしてみてください。
- 聖十字架教会
- ポーランド / 社寺・教会 / 教会
- 住所:Krakowskie Przedniescie, Warsaw, Poland地図で見る
- Web:http://swkrzyz.pl/