ポルトガル
ポルトガル観光
ユーラシア大陸最西端の国で見たい美しい町並み

最もポルトガルらしい村モンサント ~巨石と共存する不思議な村に出会う~

取材・写真・文:

訪問エリア:41ヶ国

2020年5月1日更新

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写真:Emmy

「ポルトガルで最もポルトガルらしい村」と称される村をご存知ですか?ポルトガル中部にある山の上には、巨大な岩々と共存している小さな村の姿があります。大きな岩が家に乗っかってるように見えたり、家の中に岩が入り込んでいたり、今まで見たことのない摩訶不思議な光景が広がります。そこには岩を聖なるものと認め、自然と共に生きてきたモンサント村の人々の暮らしがあります。見るもの全てがアートのような村を歩いてみませんか?ガイドブックに細かく載っていない村の様子をたっぷりお伝えします。

この記事の目次表示

モンサントはどこにあるの?

  • 写真:Emmyまるで芸術品のモンサントの村

モンサントは縦に長いポルトガルの中央辺り、スペインの国境付近に位置しています。なかなか知られていない秘境ではありますが、主要都市のポルトやリスボンからもバスや列車を乗り継いでアクセスすることが可能です。

村を歩くと出会える不思議な家たち

まるで、野外美術館?アート?と思うような巨石と石造りの家々。人口100人程度の小さな村ですが、1938年に「ポルトガルで最もポルトガルらしい村」に選ばれ、現在は政府認定の「ポルトガルの歴史的な村々」の一つにもなっています。

  • 写真:Emmy

大きな岩が屋根に乗っかっており、落石があったのかと驚いてしまいます。実は屋根になっていたり壁になっていたり、岩をうまく利用して家が作られています。

  • 写真:Emmy

歩いていると目を疑いたくなるような家々に出会います。家の中は一体どうなってるんだろうと創造力が掻き立てられます。

  • 写真:Emmy
  • 写真:Emmy
  • 写真:Emmy
  • 写真:Emmy

まるで小人が住んでいるかのような、かわいらしい家がたくさん。

  • 写真:Emmy
  • 写真:Emmy

村は路地が入り組んでおり、突然行き止まりだったり同じ道に戻ってしまったり。新しい家を発見したと思ったらさっき見た家の後ろ側だったり。まるで不思議の国に迷い込んでしまったような、楽しい楽しい村歩き。

なんでこんなに岩がたくさんあるの?

  • 写真:Emmy

標高約758mの岩だらけの山は、昔からその特異な姿から聖なる山と崇められてきました。岩は地中のマグマが雨で冷やされ固まったものが、地上に現れたものだと言われています。中には200tの重さがある岩もあるようです。

中世の頃は城塞都市が築かれ、山の頂上には城跡が残っています。そちらも必見です。

  • 写真:Emmy城跡散策も感動の連続

人々は岩を避けるのではなく、あえて岩の間に家を造り一緒に生活してきました。岩を信仰対象としていたという説もありますが、「自然の中に住まわせてもらっている」という人々の謙虚さや、自然を尊重し大切にしていこうという思いも感じとれます。

モンサント山から大自然を感じる

秘境に泊まる

モンサントへ来たらぜひ一泊することをお勧めします。日帰りの観光客がいなくなり、静まり返った村は特別です。

  • 写真:Emmyひっそりした村はまたひと味違った空間

村には伝統的な石造りの宿が10軒ほどあります。どこも素敵で迷いますが、中でもおすすめなのが貸切一軒宿のCasa do Miradouro (カサドミラドウロ)

  • 写真:Emmyモンサントらしい石造りの宿カサドミラドウロ
  • 写真:Emmy清潔でかわいらしいリビングルーム

お隣に住む優しいオーナーさんのおもてなしにもほっこしりますが、この宿の屋上テラスからの眺めが素晴らしいです。

山の周りには広大な景色が広がります。筆者はこのテラスに立った瞬間思わず言葉をなくしました。ここから大自然を感じるひとときは、この上ない幸せと非現実的な時間を味わえます。

  • 写真:Emmyテラスからは絶景が独り占めできる
カサ ド ミラドウロ
ポルトガル
住所:R. da Soenga 7, 6060-091 Monsanto, ポルトガル地図で見る

美しい感動的な夕日

  • 写真:Emmy

モンサントの夕日を見なくては帰ることはできません。遠くの山に吸い込まれるように沈んでいく太陽は、まるでじゅっと音がするかのようです。涙が出るくらいの美しさに胸を打たれます。

  • 写真:Emmy宿のテラスから見える赤く染まる村
  • 写真:Emmy一生忘れることのない、燃えるような夕日

モンサント村のグルメ

モンサントの飲食店はたった3軒。そのうちの2軒をご紹介します。

Petiscos E Granitos (ペティスコス エ グラニトス)

  • 写真:Emmy観光客が必ず訪れるペティスコス エ グラニトス

岩に囲まれたテラス席があり、モンサントらしい雰囲気を楽しめるPetiscos E Granitos (ペティスコス エ グラニトス) 。大きな岩が一際目立つ建物がレストランになっています。

  • 写真:Emmy入り口はこちらから 赤いドアがかわいい

タコと濃厚チーズのオーブングリルは、オリーブが良いアクセントとなっており絶品です。他にもおいしいポルトガル料理を堪能することができますよ。

  • 写真:Emmy店内も岩が壁にめり込んでいる様子が見られる
  • 写真:Emmyタコとチーズのオーブングリル
ペティスコス エ グラニトス
ポルトガル / 洋食・西洋料理
住所:Rua da Pracinha 16, Monsanto, 6060-087,ポルトガル地図で見る
電話:351277096050

Taverna Lusitana (タベルナ ルジターナ)

Taverna Lusitana (タベルナ ルジターナ) というB&Bには眺めの良いカフェが併設されています。ポルトガルの伝統焼き菓子のエッグタルトを味わってみましょう。

  • 写真:Emmyエッグタルトとカフェラテ(約500円)包装が可愛すぎて使えないシュガー

軽食もあり、ちょっと休憩するには最適です。夜は宿泊客で賑わうバーとなります。

  • 写真:Emmy個性的な看板が目印のタベルナ ルジーナ
  • 写真:Emmyテラス席が気持ち良い
タベルナ ルジターナ
ポルトガル
住所:Rua Do Castelo, 19 Monsanto地図で見る
電話:351927892768
Web:http://tavernalusitana.com/

モンサント村への行き方

まずはカステロブランコ駅へ

最寄りの駅はカステロブランコ(castelo branco)という田舎町。ポルトからもコインブラ経由でバスか列車で行けますが、リスボンからの方がアクセスしやすいです。リスボンからバスか列車、どちらも直通で2時間半から約3時間。

  • 写真:Emmyカステロブランコ駅
カステロブランコ駅
ポルトガル / 駅・空港・ターミナル
住所:castelo branco railway station地図で見る

カステロブランコ駅からはタクシーで

ここから更にローカルバスでモンサント村に向かいますが、バスは1日に1~2本。しかも乗り換えが必要でかなり難易度が高いです。時間短縮もできるタクシーで行くのが断然オススメです。

駅を出たら右手の大きな四角い建物を目指しましょう。徒歩3分でバスターミナルに到着。そこにタクシー乗り場があります。

  • 写真:Emmy真ん中の建物がバスターミナル

乗る前に運転手に片道か往復かを伝え、大体いくらか値段を確認しておくと安心。英語が通じない場合もあるので紙に書いてやり取りするとスムーズです。

往復だと2時間の滞在時間を含めて約70€ (8,750円) 、片道だと40分程で着き、約50€ (6,250円) が相場です。

  • 写真:Emmy運転手さんが指さす先に見えたのが、モンサントの山

少しの勇気と冒険心を持てば女性一人でも大丈夫。陽気なタクシー運転手さんの笑顔に和みます。車内に流れるラテン系の音楽を聴きながら、窓から眺めるポルトガルの田舎風景も素敵です。

宿泊する場合の戻り方

モンサント村に宿泊する場合は、翌朝7時台のバスでカステロブランコ駅に戻ることができます。(2017年訪問時は平日7:15発)乗り換えなしです。

学校が休みの期間はバスの時刻が変更されることもあるので、正確な時間は現地で確認しましょう。宿泊先が決まったら宿にメールで確認しておいてもいいかもしれません。

おわりに

  • 写真:Emmy村人が集うほっこりする風景

いかがでしたか?

不思議な光景にたくさん出会えるモンサント。小さな村はゆったりとした時間の流れを感じ、人々も温かく迎えてくれます。巨石や家々を見る村歩きも楽しめますが、何よりもモンサント村から眺める広大な景色は忘れることはないでしょう。心がとても穏やかになりパワーをもらえる場所です。

一生に一度は訪れるべき村、それがモンサントです。

モンサント
ポルトガル / 町・ストリート
住所:Monsanto,ポルトガル地図で見る

※記事内のユーロから日本円への換算は1ユーロ=約125円で計算しています。

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この記事を書いたトラベルライター

✿ かわいいと不思議と古いものが好き ✿
~トラベルライターアワード受賞歴~
2018年間 “審査員特別賞”
2019上半期 “国内記事部門・フォトジェニック賞”
2019年間 “海外記事部門・アクセストップ賞”
2020年間 “海外記事部門・フォトジェニック賞”
2021年間 “国内記事部門・フォトジェニック賞”をいただきました

旅が人生のモチベーション。年々好奇心だけが向上していく30代。

一人旅の魅力を知ってから、国内外問わずフリーの一人旅に出ています。念入りな下調べ、計画は欠かせない慎重派。宿を決めない自由旅は憧れ。

メジャーな場所より、あまり人が行かないスポットに惹かれます。

可愛い街並みはもちろんのこと、
摩訶不思議な光景、大自然、秘境、
古い建築物、遺跡、お城やお寺 etc…

訪れた国は現在41ヶ国、国内は44都道府県。
海外も好きだけど日本も好き。

主に一人旅やフリーの旅人を意識して、詳しく正確な記事を心掛けています。

※2020年12月にトリップノートさんよりインタビューを受けました。興味がある方はサイト内の「トラベルライターインタビューVol.3」をご覧ください。

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