佐賀
佐賀観光
吉野ケ里遺跡が所在する、陶器の名産地

【佐賀】嬉野が誇るお茶・焼物・温泉を融合したブランド化プロジェクトに注目!

取材・写真・文:

佐賀在住
訪問エリア:33都道府県

2020年4月14日更新

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写真:hithit

日本三大美肌の湯として有名な「嬉野温泉」。その歴史は古く、江戸時代から宿場町として栄え歓楽街も発展してきました。以前は多くの団体客で賑わっていた温泉街ですが、今ではかなり様変わりしています。その理由は、これまでのイメージを一新する「嬉野茶」「吉田焼」「温泉宿」に関するプロジェクトの数々。嬉野の新しいブランド化をはかる戦略に、観光客からの注目も集まっています。

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嬉野の代名詞はなんと言っても約1300年の歴史を誇る温泉

嬉野温泉は、和銅6年(713年)に書かれた『肥前国風土記』の中に「東の辺に湯の泉ありて能く人の病を癒す」と記されているほど歴史のある温泉郷です。江戸時代には長崎街道の宿場町としても栄えていました。長崎の出島からドイツ人医学者のシーボルトも度々訪れていたそうです。その名残として、温泉街にはシーボルトの名前が付く施設もいくつか見られます。

昭和の中頃までは社員旅行やツアーなどの団体客が日本全国から訪れ大変賑わっていたようで、周辺にはバーやスナックをはじめ風俗のお店などが集まった一大歓楽街が広がっていたそうですが、個人旅行が主流になった今ではその面影が多少残る程度になっています。

嬉野温泉
佐賀 / 一人旅 / 温泉地
住所:佐賀県嬉野市嬉野町地図で見る
電話:0954-42-3310(嬉野庁舎 うれしの温泉観光課)
Web:http://kankou.spa-u.net/

嬉野の新しいブランド化をはかる数々のプロジェクトに注目!

嬉野は「嬉野茶(うれしの茶)」「肥前吉田焼」、古来より受け継がれる「温泉(宿)」の3つの伝統文化が息づく唯一無二の舞台です。その独自性を生かして、嬉野全体のブランド化を図るプロジェクトが続々と発進されています。

今回はその中から、緑茶の伝統文化を守りながら発展させるプロジェクト「嬉野茶時」、吉田焼に新しい風を吹き込む「えくぼとほくろ」、ティーツーリズムを提唱している温泉宿「和多屋別荘」について紹介します。

若手茶農家が緑茶の伝統文化+新しい魅力を訴求するプロジェクト「嬉野茶時」

実は九州はお茶の産地

日本茶の産地と言えばダントツで静岡が生産量第1位ですが、令和元年の農水省の統計データによると、意外にも第2位は鹿児島、第4位が福岡など、九州のほとんどの県が10位以内に入っています(※)。ですが、お茶の銘柄としてはあまり有名ではありません。例えば「鹿児島県南九州市の知覧茶」と言っても、ほとんど知られていないのではないでしょうか。

令和元年農林水産省「作物統計」資料より

  • 写真:hithit緑が美しい嬉野の茶畑(撮影:野田尚之)

そんな中で、佐賀県は第8位。中でも嬉野は室町時代頃、平戸に渡ってきた明の陶工が釜炒り茶の技術を伝えたことによって広まった「釜炒り茶(玉緑茶)」 発祥の地です。

最近では生産性の高いやぶきた品種の栽培量が増えたため、香り豊かな釜炒り茶はとても希少。そんな嬉野茶をもっと広く知ってもらおうと、おもてなしと新しい切り口で嬉野茶の魅力を表現するプロジェクトが「嬉野茶時」です。

無農薬・減農薬にこだわって作られたハイクオリティな嬉野茶を販売

最近では日本茶が世界的にブームとなっていますが、日本国内ではペットボトルのお茶しか飲まない人が多いように思います。「嬉野茶時」では、プロジェクトの一つとして、ハイクオリティなパッケージとともに様々な「嬉野茶」のブレンドを販売しています。

嬉野の若手茶農家が“もっとお茶を知ってほしい”という思いを込めて、何百年も受け継がれてきた歴史的伝統文化であるお茶を、無農薬・減農薬にこだわって栽培しています。そんな究極のお茶をつくる農家の方を、元サッカー選手で今は実業家として世界を飛び回っている、あの中田英寿さんがわざわざ訪ねて対談を望むほどです。

  • 中田英寿さんが対談を行った様子は「BMW LUXURY」にて紹介されています

上質な空間で最高の嬉野茶に触れることができる「嬉野茶寮」

高級旅館や茶畑の中の天茶台など普段とは趣の違う空間で、茶農家が丹精込めた最上のお茶を自らお茶マイスターとしてサーヴする、特別なおもてなし企画が「嬉野茶寮」です。

地元の菓子職人によるオリジナルのスイーツもブランド化の一端を担っており、見た目にもアーティスティックな体験ができます。

吉田焼に新しい風を吹き込む「えくぼとほくろ」

有田や伊万里、唐津に代表される有名な産地のほかにも、佐賀県内にはたくさんの焼物の産地が点在しています。嬉野温泉の近くの吉田という地域でも、古くから陶磁器が盛んに作られており、明治時代には輸出用の日用食器が主に作られていました。

吉田焼お馴染みのデザインといえば、昔から変わらない紺地に水玉模様のレトロな急須と湯のみ。こちらが、代表的な吉田焼のデザインです。その他、最近の若手作家が作り出すシンプルで普段使いにもぴったりなモダンな吉田焼きも、近年人気を博しています。

  • 写真:hithit

そんな吉田焼きをもっと広く知ってほしい、そして使ってほしいという思いからはじまったのが「えくぼとほくろ」。ちょっとしたキズ(えくぼ)や汚れ(ほくろ)があるB級品を手頃な値段で販売しています。

この「えくぼとほくろ」には様々な窯元が参加しています。それぞれの窯元で工場の見学を行って「えくぼとほくろ」がついた陶器に関して理解を深めた上で、B級商品を購入することができます。ちなみに「えくぼとほくろ」に参加している窯元の工場見学は事前予約制となっているので、詳しくは公式サイトにてご確認ください。

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この記事を書いたトラベルライター

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