神奈川県丹沢山(たんざわさん)系の仏果(ぶっか)山と高取山は、登山道のいたる所で展望が楽しめ、かつ標高差が400メートル程度と初心者やお子様連れでの登山におすすめの山です。特に宮ケ瀬湖を望む景色はまさに絶景そのものです。
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絶景が続く登山コース
今回ご紹介するのは、神奈川県丹沢山系にある仏果山から高取山を縦走し、宮ケ瀬湖を渡るコースです。複数の山を渡って歩く「縦走」スタイルです。縦走は「走」の字が使われていますが、別に走るわけではなく、連なった山々を歩くスタイルのことを言います。縦走のいいところは、ほぼ山頂に近い標高を歩き続けるので、見晴らしが良い区間が長いことです。
特に、仏果山と高取山は「痩せ尾根」と言われる、細く切り立った登山道が多く、道の両サイドで絶景が楽しめます。それでは仏果山、高取山、宮ケ瀬湖を順にご紹介していきましょう!
仏果山登山口までのルート
道の駅 清川
まずは仏果山から。仏果山へのアクセスは、こちらの「道の駅 清川」から始めるのがいいでしょう。理由は休憩所とトイレが開放されているので、登山前の準備などをゆっくりすることができるからです。
「道の駅 清川」の2Fには無料休憩所があって、誰でも利用することができます。この日も登山客のほか、サイクリストなどアウトドアアクティビティの装いの人々が、休憩やこれからの準備をしていました。
トイレも24時間使うことができ、男性用トイレは1F、女性用トイレは2Fにあります。登山前にはここで用をすませておきましょう。
- 道の駅 清川
- 清川村(愛甲郡) / 道の駅・サービスエリア / 休憩所 / おみやげ屋
- 住所:神奈川県清川村煤ヶ谷2129地図で見る
- 電話:046-288-2700
- Web:https://michinoeki-kiyokawa.jp/
道の駅から登山口まで
「道の駅 清川」で準備を整えたら、仏果山の登山道にバスで向かいます。神奈川中央交通(通称:神奈中)のバス停「清川村役場前」が、道の駅の真ん前にあります。
そして「土山峠」で下車。おおよそ10分程度の乗車時間です。
- 清川村役場前(バス停)
- 清川村(愛甲郡) / その他スポット
- 住所:神奈川県愛甲郡清川村煤ヶ谷2216地図で見る
登山口からいよいよ登山開始
「土山峠」の前に仏果山登山道入り口があります。わかりやすい場所にあるので、迷うことはないでしょう。それでは、登山道に入っていきます。
山中にはところどころ腰かけられる場所があります。こんなに至る所にこうした台が設置されている山って珍しいなあと思いながら、疲れたら休憩しつつ、マイペースで登ることができる山です。
仏果山 山頂
仏果山は標高700メートル程度の比較的小さな山です。山頂からは神奈川県の水がめ「宮ヶ瀬湖」を見下ろすことができます。
山頂には豊富にテーブルとイスがあり(数えるのを失念してしまいましたが、ざっと10セットはあったように思います)休憩には困りません。
今回、テーブルとイスが沢山あることがわかっていたので、かつ同行したメンバーの1人の誕生日が近かったため、ホットケーキミックスを使った簡単なケーキでお祝いをしました。山好きな人がまわりにいれば、山頂で誕生日会をするというのは、最高のお祝い方法ではないでしょうか。
ところで、山頂につくまで動物のフンをよく見かけました。1時間のうちに3箇所でフンを発見しました。
そのイメージが強すぎるせいでしょうか、もうひとつ作ったチョコレート&生クリームケーキが、心なしかフンをオマージュしたような作品に見えます・・・。
おまけ① とっても大事なフンの話
ここでフンの話を出したのには理由があります。山中では危険な動物に出くわす可能性もあるので、ここでフンの見分け方をご紹介しておきましょう。
- 山で最大級に注意しなければならない危険度MAX の動物はクマです。クマは体が大きいのでフンの量も多いのが特徴です。だいたい野球ボールぐらいの大きさで、まとまって落ちています。食べたものをあまり消化しないで排泄するため、食べたものの色そのままで出てくることが多いようです。臭いも食べたものの香りそのままなので、そんなに臭くありません。
- 多分この動物のフンを一番見ることが多いであろう、シカ。シカそのものも山でよく見ます。パチンコ玉くらいのコロコロしたフンをします。種類によって微妙に形が違ったり(アーモンド型のものもあります)、数も異なります(多いもので300個くらい排泄する種類もあります)。シカは登山中に何回か出くわしたことがありますが、向こうが逃げてくれるのでフンを見つけてもそんなに心配することはないでしょう。
- イノシシも気をつけるべき動物のひとつです。イノシシは、果物のブドウのように粒が連なったフンをするのが特徴です。
- フンの匂いMAXなのがタヌキ!強烈に臭いです。タヌキは仲間でトイレの場所を決めていて、みんなで同じ場所にフンをします(それが臭さの原因かも)。決めた場所でするって、今まで登場した動物の中でで一番お行儀が良い動物かもしれませんけどね。
仏果山展望台
仏果山の山頂には展望台もあります。仏果山のテーブル群のど真ん中にどどーんと建っています。
登ってみると、数メートル上がるだけなのに、関東平野の広大さ、宮ヶ瀬湖の青さと周囲の山々の美しさが強調されて見えるような気がします。
宮ケ瀬越
仏果山山頂から20分ほど歩くと、宮ヶ瀬越です。
ここは仏果山と高取山の分岐となっているところです。高取山方面に進みます。
ここからは道幅が狭くなったり、はしごが登場したり、細かくアップダウンもあるので低負荷のアトラクションがずっと続く感じで、飽きずに登れます。
単調な道だと、数時間山中を歩き続けると、集中力が切れてしまいますが、こうした手足を使うような細かいアップダウンや、
痩せ尾根を歩いたりするので、冒険感覚で登れます。
痩せ尾根について少々補足しておきましょう。尾根とは両サイドが谷になっている地形のことです。この谷の傾斜が急なものを「痩せ尾根」と呼びます。おのずと道の周囲はとっても開けた景色になります。