「スマホひとつで簡単に買い物をしたい」。そんな現代人の願いを叶えるレジ無しコンビニ「Amazon Go」が、サンフランシスコにオープンしました。レジを通らずに問題なく買い物ができるのか?体験した様子をお届けします。
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「Amazon Go」とは?
店内で好きな商品を手に取り、そのまま店を出るだけで買い物ができる「Amazon Go」は、2018年1月にワシントン州シアトルで1号店がデビュー。その後シアトルとイリノイ州シカゴで店舗を増やし、18年10月末に全米で6店舗目となるサンフランシスコ店を金融街にオープンさせました。
オンライン通販最大手のアマゾン・ドット・コムのアカウントを持っていれば、スマートフォンに「Amazon Go」のアプリをダウンロードしてログインするだけでOK。新たにクレジットカード情報などを入力する必要がないのでとても簡単です。
実際に入店してみると
入り口のゲートでスマホ上の二次元コードを読み込ませて、無事ゲートが開いたら買い物開始! アプリを持たない同行者がいる場合は、あなたの二次元コードで同行者を入店させることも可能です。(この場合、同行者が持ち帰った商品の代金はアプリの持ち主が支払うことになります)
個々の商品を選別するための電子タグのような仕掛けはなく、棚にもすぐ分かるようなセンサーは見当たりません。そのかわりに無数のカメラが天井に設置されていて、買い物客の動向をチェック。個々の客が何を手にしたかを逐一とらえます。試しに商品を棚から取ったり戻したりを繰り返してみましたが、店を出た後に正確に決算されていて感心しました。
品ぞろえは軽食が中心
店内はあまり広くありませんが、サラダやサンドウィッチなどの軽食コーナーが充実していてオフィス街のニーズに合わせているのが特徴です。サンフランシスコらしくベジタリアンやグルテンフリーのメニューも豊富。夕食の材料がひとまとめになった便利なセットまで並んでいました。
もちろんAmazon Goのオリジナルグッズも用意されているのでお土産を探している人は要チェック。板チョコ($3.49/約396円)、マグカップ($5.99/約680円)のほかに、99セント(約112円)のトートバッグもあります。
帰りはゲートを通るだけ
欲しい物を手に取ったら、後はゲートを通るだけで買い物終了。入店時のようにスマホをかざす必要はありません。先述した天井のカメラが、買い物客が手に取ったものを把握しているからです。ゲートを出ると小さな休憩エリアがあるので、買った物をここで食べるのもアリ。トイレも完備しています。
ゲートを出て10分ほどするとアプリのレシートのページが更新され、買い物の内訳が出てきます。レシートの内容に間違いがあった場合はアプリ上で返品・返金の申請が可能。問題がなければそのまま決算されます。
「Amazon Go」を利用してみて
「レジ無し」と聞いて無人化を目指しているのかと想像しましたが、実際には普通のコンビニよりも店員さんが多く、商品を棚に補充したり質問に答えたりと忙しそうでした。商品の値段もコンビニと同じ、またはやや安めの設定で良心的。
最先端技術を導入した次世代ショップという位置づけですが、実際に買い物をしてみると特に近未来的な印象はなく、単にレジに並ぶ必要がないので「早くて便利だな」と感じました。
この快適さに慣れてしまうと、他の店でレジに並んだり、無人レジで自分で商品をスキャンする手間さえ面倒に感じるようになるかもしれません。それは「進化」なのか「麻痺」なのか、不思議な気持ちになる買い物体験でした。
Amazon Goはすでにサンフランシスコ2号店の建設を進めていて、ニューヨークにも開店の準備があるそうです。計画では2021年までに3,000店舗まで事業を拡大。小売業界でのアマゾンの地位はこれからますます確実なものになっていきそうです。
- アマゾン・ゴー(California & Battery店)
- サンフランシスコ / コンビニエンスストア
- 住所:300 California Street, San Francisco, CA 94104地図で見る
- Web:https://www.amazon.com/b?ie=UTF8&node=16008589011