山口
山口観光
海に囲まれた、高級ふぐの特産地

【下関】水揚げ日本一!市場や神社もふぐづくしの唐戸を散策しよう

取材・写真・文:

トラベルライター

2017年6月30日更新

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写真:トラベルライター

北は北海道から南は九州まで、全国のふぐが一堂に会する下関。ふぐは冬だけでなく、夏でも全国から集まってきています。ふぐの旬は秋の彼岸から春の彼岸までと言われ、冬に食べることが多いのですが、夏のふぐも意外とおいしい。しっかりとした食感で、紫外線対策にも効果があるとか…何よりも薄く切られたお刺身は清涼感を演出してくれます。近年ではわざわざ海外から食べにくる人が増えてきたというふぐ。下関の人たちはふぐのことを福とかけて''ふく''と呼ぶくらい、ふぐが大好き。そんなふぐの町の魅力をご紹介します!

この記事の目次表示

ふぐの水揚げ日本一!下関の市場へ

仲卸が集う南風泊(はえどまり)市場

  • 写真:トラベルライター南風泊市場
  • 写真:トラベルライター袋セリ像(唐戸市場前)

下関駅から西へ車で10分ほど。中心地から離れた場所に、一般の観光客は入れないふぐの玄人たちが集まる南風泊(はえどまり)市場があります。ここが全国から運ばれてくるふぐが集う場所。南風泊の名前の由来は、海が南風でしけになったとき、この港で船が停泊していたことからきているとか…。

「袋セリ」という、セリ人と業者が布袋に手を入れて指先で値段を決める昔ながらの落札方法が行われています。このあたりはふぐの加工場も多く、ふぐの毒を取り除いてから、地元はもちろん、築地や関西の市場などに送られています。まさにふぐ食安全の要といえる場所です。

  • 写真:トラベルライター南風泊活魚センター前
  • 写真:トラベルライター南風泊ふぐ像

市場以外にあるのはきれいな海だけですが、漁協の入り口には昭和5年に種田山頭火が詠んだ「久しぶりに逢った秋のふくと汁」という碑もあります。ふぐと包丁の銅像も…かわいい!

南風泊市場
山口 / 市場・朝市
住所:山口県下関市彦島西山町4-11-39地図で見る
電話:083-267-8181

観光客向けの唐戸市場

  • 写真:トラベルライター唐戸市場とふぐ像
  • 写真:トラベルライター唐戸市場

南風泊市場から下関駅を挟んで反対側。駅から車で東へ10分ほどのところにあるのが、唐戸市場です。卸売市場なので、安くて新鮮!いつも観光客でにぎわっています。

  • 写真:トラベルライター唐戸市場内準備風景
  • 写真:トラベルライター唐戸市場魚屋準備

営業開始の朝5時には、魚屋さんが準備を始めます。新鮮な魚をさばく様子が見られるかも。準備風景を楽しんだら、市場の朝ごはんがおすすめ!2階の食堂で食べられます。

  • 写真:トラベルライター唐戸食堂
  • 写真:トラベルライターふぐの唐揚げ定食

こちらのお店では、ふぐのから揚げ定食がたった750円!からあげはその場で揚げてくれるので、あつあつで衣はカリカリ。淡白ながら弾力のあるふぐの身はほくほくです。

  • 写真:トラベルライター昼の馬関街混雑
  • 写真:トラベルライター馬関街テーブル

朝が苦手という方には、同じ唐戸市場内で金・土・日・祝日の観光にも便利な時間帯に行われる「活き活き馬関街」がおすすめ。お昼にかけて、屋台が出て、お寿司や海鮮丼などが、たっぷり味わえます。

  • 写真:トラベルライター馬関街お店のお寿司
  • 写真:トラベルライター馬関街ふぐ雑炊

ふぐにこだわりたい人には、ふぐ刺し、ふぐ汁、ふぐ雑炊、ふぐのから揚げ、ふぐ寿司、ふぐの白子寿司と様々!

  • 写真:トラベルライター馬関街お店のふぐ寿司
  • 写真:トラベルライターお店ふぐの刺身

いつもは高くて手を出せないふぐ刺しが、なんと1,000円以下で食べられます。

唐戸市場
山口 / 市場・朝市
住所:山口県下関市唐戸町5-50地図で見る
電話:083-231-0001(唐戸市場業者連合共同組合)
Web:http://www.karatoichiba.com/

ふぐを訪ねて?唐戸市場周辺を散策

伊藤博文が解禁!不遇のふぐ食文化

  • 写真:トラベルライター春帆楼
  • 写真:トラベルライター春帆楼ふぐ像

唐戸は古来から中国(唐)などの諸外国への玄関口(戸)でした。遡ることおよそ500年。豊臣秀吉の朝鮮半島遠征のときにも、下関は重要な拠点でした。

しかし、集結した兵士たちの多くが下関で、ふぐ中毒によって死亡。それを受けて秀吉は武士たちに「ふぐ食禁止令」を出しました。その後も江戸、明治にかけてと長い間、ふぐを食べるのは禁止されていました。でも、庶民たちはふぐを楽しんでいたようです。

  • 写真:トラベルライター春帆楼の伊藤博文像
  • 写真:トラベルライター日清講和記念館(春帆楼)

そして運命の日。時の総理大臣・伊藤博文が立ち寄った料亭で、女将が打ち首覚悟でふぐ料理を出しました。すると伊藤博文はいたく感動し、こんなにおいしいものを禁止しておくのはもったいないと、ふぐを解禁。

その店は、「春帆楼」と命名され、ふぐ料理の公許第一号店となりました。日清講和条約(下関条約)が結ばれたのもこの春帆楼。お店の脇には、日清講和記念館もあります。

春帆楼は唐戸市場から歩いて5分ほどのところにあり、現在も営業中。気になる方は総理大臣を虜にしたふぐの味を堪能しながら、歴史に浸ってみては?

春帆楼 下関本店
山口 / 魚介・海鮮料理 / ご当地グルメ・名物料理
住所:山口県下関市阿弥陀寺町4-2地図で見る
電話:083-223-7181
Web:https://www.shunpanro.com/location/shimonoseki/

世界一?亀山八幡宮のふぐの像

  • 写真:トラベルライター亀山八幡宮
  • 写真:トラベルライター亀山八幡宮お社内

唐戸市場の目の前にある神社、それが平安時代(859年)の創建といわれている亀山八幡宮です。古くは航海安全を祈願したり、藩主たちが崇敬したりと、地元では氏神様として親しまれています。

  • 写真:トラベルライター亀山八幡宮ふぐ絵馬
  • 写真:トラベルライター亀山八幡宮ふぐ守り

社務所を覗くとふぐの形をした「ふく絵馬」。お守りにもふぐが…かわいい…

  • 写真:トラベルライター亀山八幡宮のふぐ像

その境内にあるのが、地元の人たちから日本一とも、世界一の大きさとも称され、愛され続けるふぐの銅像。下関ではふぐをふくと呼び、幸運をもたらしてくれると信じられています。

実はこのふぐの像は、平成元年に2,000万円かけて再建された2代目。1代目は昭和9年に建てられたものの、わずか10年後、戦時中の金属供出によって鉄砲玉に変えられてしまったそうです。

再建された銅像は平成2年9月29日に除幕式が行われ、その後毎年9月29日は、ふぐ像の前で航海安全・豊漁・商売繁盛を願うふく祭りが行われています。ふぐの銅像は平和の象徴でもあるのかもしれません。

亀山八幡宮
山口 / 神社
住所:山口県下関市中之町1−1地図で見る
電話:083-231-1323
Web:http://www.kameyamagu.com/

道を歩いてもふぐ尽くし!

  • 写真:トラベルライターふぐ自動販売機
  • 写真:トラベルライターふぐロゴのカフェ

下関の道は広くてとてもきれい。歩き回ってみるのもおすすめです。お楽しみはふぐ探し!唐戸市場の近くの自動販売機にもふぐ。カフェのロゴもふぐ。

  • 写真:トラベルライターふぐちょうちん

駅ではふぐちょうちんがお出迎え。

  • 写真:トラベルライター下関グランドホテル
  • 写真:トラベルライターホテルの鍵

宿泊したホテルの鍵にもふぐ。

  • 写真:トラベルライターふぐマンホールふた
  • 写真:トラベルライターふぐ下水道ふた

道端の下水道管のふたにもふぐ。下関市では「フクフクマーク」と呼んでいます。カラーもあるようなので、探してみると楽しそう。

  • 写真:トラベルライター止水栓ふた

こんなふたも、だんだんふぐに見えてきちゃうかも…

下関グランドホテル
山口 / ホテル
4.4 (78件の口コミ)
料金(目安):5,000円〜45,316円
宿泊時間:15:00〜12:00
住所:山口県下関市南部町31-2地図で見る

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