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炭鉱が残した産業遺産の内部へ【北海道・夕張】旧北炭清水沢火力発電所

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東京在住
訪問エリア:25都道府県

2021年6月17日更新

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写真:SaoRi

1926年に北炭の自家発電施設として北海道夕張市清水沢に建てられた旧北炭清水沢火力発電所。周辺の炭鉱の閉山と共に、平成4年に幕を閉じましたが、2018年より、清水沢プロジェクトと現在の所有企業である東亜建材工業株式会社の協力によって、旧発電所施設内の一般公開が始まりました。今回は旧北炭清水沢火力発電所について、歴史や一般公開に至るまでの経緯、見学の流れについてご紹介します。

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旧北炭清水沢火力発電所とは?

大正15年から約65年間にわたり、空知全域の北炭系炭鉱に電気を送り続け、炭鉱の重要拠点として活躍してきた旧北炭清水発電所。

  • 写真:SaoRi2018年7月時の旧北炭清水沢火力発電所の外観

昭和30年代前半には、発電能率の向上や先進的な技術の導入により、わが国有数の自家発電所といわれていました。

  • 写真:SaoRi施設内には稼働していた当時の写真が飾られています

ですが、平成4年に周辺の炭鉱が閉山されることとなり、旧北炭清水沢火力発電所もその役目を終えました。

  • 写真:SaoRi使用されなくなった機材
  • 写真:SaoRi使われなくなり、どんどんと錆びていってます

その後は、現在の所有企業である東亜建材工業株式会社(以下、東亜建材)の工場・作業用地として使用されることになり、同時に解体が進められていったのです。

一般公開されるようになった背景と経緯

旧北炭清水沢火力発電所の解体工事が停止され、一般公開されるようになったのは、学生たちが中心となった現代アートイベント「夕張清水沢アートプロジェクト」(2011年)のメイン会場として使用されたことがきっかけでした。

このイベントに協力をしていた東亜建材の方が心を動かされ、既に4分の3ほど進んでいた施設の解体工事を一時停止し、アート作品の展示が継続されることとなりました。

これを受け、翌年から、アートの力で炭鉱の記憶を掘り起こすことを目的とした公開事業「清水沢アートパワープラント」が始まりました。

  • 写真:SaoRi

2014年に開催された「そらち炭鉱の記憶アートプロジェクト2014」の閉幕をもって、アートの展示は終了していますが、地域を支えてきた産業への誇りと尊敬の念を象徴する空間として、清水沢プロジェクトにより施設内の一般公開が行われています。

  • 写真:SaoRi一般公開されている施設の内部

一般公開の体制が整う以前は、建物見たさに不法侵入が絶えなかったそうですが、老朽化する建物の補修維持を懸命に行ってくれる東亜建材さんや安全にガイドしてくれるこのプロジェクトのおかげで、一般の人でも安心して見学することができるようになったのです。

  • 写真:SaoRi

こういった経緯や産業遺産の今後の在り方についてガイドさんが丁寧に教えて下さるので、ぜひ、見学時にじっくりと聞いてみて下さいね。

旧北炭清水沢火力発電所の見学の流れ

では、さっそく、清水沢アートパワープラントによる旧北炭清水沢火力発電所の見学の流れについてご紹介していきます。

①まずは事前予約を!

旧北炭清水沢火力発電所の見学を希望される際には、旧発電所施設や東亜建材に直接行っても入場することはできません。事前に見学上の注意事項に同意した上での予約が必要となります。

予約の際には、「見学」と「個人的な撮影」の2つのコースがあり、どちらもお一人につき1,000円です。

「見学」コースの所要時間は1時間で、撮影などで長時間ご利用の場合は、以降1時間ごとに200円加算され、1日の最大料金は2,000円です。

予約はお電話でもできますが、清水沢プロジェクトのホームページ【清水沢アートパワープラント/旧北炭清水沢火力発電所活用事業】からも予約でき、見学の際の注意事項やコースの詳細などについてもより詳しく記載されているので、ぜひご確認してみて下さい。

②当日!見学前に同意書にサインを!

予約後の見学当日は、まず受付場所である清水沢コミュニティゲートに行き、ガイドさんから注意事項の説明を聞き、同意書にサインします。

  • 写真:SaoRi受付場所の清水沢コミュニティゲート
  • 写真:SaoRi

老朽化した施設の見学であると共に、東亜建材さんが現在もお仕事をされている敷地内にお邪魔させて頂くので、色々な危険があります。

  • 写真:SaoRi
  • 写真:SaoRi

頭上の危険に備えたヘルメットの着用(無料貸出)についてや、ガラス破片や瓦礫などが散乱した足下の危険など、様々な注意事項について説明して下さいます。

  • 写真:SaoRi
  • 写真:SaoRi

他にも、指定した通路の通行や、立入禁止場所、物品の持ち出し禁止など、見学させて頂く上でのルールを教えて頂き、同意書に署名した後に現地へと移動します。

清水沢コミュニティゲート
夕張市 / その他スポット
住所:北海道夕張市清水沢宮前町39番地宮コ23地図で見る
電話:0123-57-7463
Web:https://www.shimizusawa.com/

③入場はガイドさんと一緒に!

旧北炭清水沢火力発電所がある東亜建材さんへの敷地内には、ガイドさんと一緒に、ガイドさんの車か自身の車で入場します。

  • 写真:SaoRi

見学コースはもちろん、撮影コースの場合も、まず始めにガイドさんによる施設内の説明や旧発電所施設に関する歴史について教えて頂きます。

④自由見学や自由撮影時間!

ガイドさんと一緒に見学ができるエリアを一通りまわったら、じっくり見たい場所をもう一度見たり、しっかりとした撮影時間となります。その間も、ガイドさんが近くにいて下さり、質問にも答えてくれます。

施設内では1階と2階、地下の決められたエリアを見学することができます。1階の配電盤室には当時使われていた機械がそのまま残されており、現在の有名な企業の古い名称やロゴも見ることができます。

  • 写真:SaoRi
  • 写真:SaoRi

他にも、大正時代に導入された25トンクレーンや、はげかかったコンクリートの壁から当時の建築でよく使用された煉瓦がを見ることができ、歴史ある建造物としての楽しみにも触れられます。

  • 写真:SaoRi
  • 写真:SaoRi

2階や地下では、当時の現場で使われていた作業台やスイッチ、高圧線を引いていた跡や山積みになった石炭の灰などが見ることができ、工場好きや機械好きの方にもオススメです。

  • 写真:SaoRi感電防止の作業台
  • 写真:SaoRi
  • 写真:SaoRi高圧線を引いていた跡
  • 写真:SaoRi何かを埋めたとされている石炭の灰の山

また、こちらの施設は廃墟好きの方にも大変人気です。飛び散ったガラスや荒んだ天井、錆びた機材、苔や植物に覆われていくコンクリートなど、廃墟好きにはたまらない光景が広がっています。

  • 写真:SaoRi
  • 写真:SaoRi

歴史ある建造物として見学できるのはもちろんのこと、コスプレなどの撮影現場として使用される方、工場好きの方、廃墟好きの方など、色々な方々がそれぞれの「見たいもの」や「撮りたいもの」を求めて見学することができます。

⑤退場・解散!

一通りの見学を終えたら、ガイドさんと一緒に元の受付場所に戻り、そちらで解散し、それぞれのコースは終了となります。

おわりに

清水沢プロジェクトと現在の所有企業である東亜建材さんの協力により、一般の人でも老朽化した施設内を安心して見学ができるようになった旧北炭清水沢火力発電所はいかがだったでしょうか?

  • 写真:SaoRi

炭鉱を支える電気を供給し続けてきた歴史や、解体作業がストップされ一般公開に至った経緯などを聞きながら、ぜひ、夕張の産業遺産・旧北炭清水沢火力発電所の魅力をたっぷりと見学されてみて下さいね。

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