南米やアフリカ渡航する際には、ほとんどの方が持っていた方がいいもの、イエローカードをご存じですか?日本から南米やアフリカへの渡航者が少ないため、認知度は低いですが、このイエローカードは黄熱病のワクチン(予防接種)の接種証明書にあたります。黄熱に感染した場合、重症者の致死率はなんと30〜50%ということをご存じない方がほとんどでしょう。そんな怖い黄熱と、いかにこのイエローカード(黄熱予防接種証明書)の取得が大事であるかを解説します。
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初感染の場合死亡率は30%~50%!治療法が未だない黄熱病
どうしてこの黄熱が現代でも恐ろしいかというと、現代の医学でなお治療法が確立されていないためです。その上、重症感染者の致死率がなんと3割〜5割にものぼるという恐ろしいウィルスであることは、日本人の私たちにとってあまり知られていない事実でしょう。10人感染すると、半数近くの割合で命を奪われているのが今の現実なのです。
黄熱病が発生するエリアとは?
黄熱は主に、アフリカと中南米の熱帯雨林のエリアで発生します。日本人にとってこの黄熱病はあまり馴染みがありません。それもそのはず、日本から黄熱に感染する危険のある国に行く方があまり多くないからです。ゆえに危険意識が薄いのかもしれませんが、南米やアフリカ地域の熱帯雨林へ渡航する方は、この恐ろしいウィルスと隣り合わせ。次の旅行の行き先がアフリカや中南米であれば、あなたも黄熱病の感染の恐れがあります。
日本の指定する黄熱に感染する危険のある国に関しては、FORTH/厚生労働省検疫所ホームページにてご確認ください。
黄熱病の症状
- 発熱とインフルエンザ様症状
- 黄疸(皮膚や眼球が黄色くなる)
- 肝臓、腎臓、呼吸器などの臓器の機能低下
- 吐血
感染経路は小さな小さな蚊!だから恐ろしい
黄熱の感染経路は蚊なので、蜂や今知られているヒアリなどの危険な蟻とは違い、刺されたことに気づかない内に感染している、なんてことも。普通に蚊に刺されただけでまさか高熱になったり、体が恐ろしい病に蝕まれているなんてあまり思いませんよね。
蚊に刺されないことも数少ない対策の一つですが、治療法のない黄熱病に対しては、事前に生ワクチンの予防接種を受けることが重要なのです。
一度接種すれば、ワクチンの効力は一生涯
2016年7月11日より、ワクチン接種後10日間から生涯有効となることがWHOより発表されました。有効期限の過ぎた接種証明書でも、一生涯有効となるようです。
あの有名なウユニ塩湖の国ボリビアも、例外なくイエローカード取得推奨地域
ウユニ塩湖自体は熱帯雨林ではありませんが、ボリビアはイエローカード取得推奨地域に指定されています。2018年6月現在は入国時にイエローカードの携帯が必須ではありませんが、いずれ携帯していないと入国できなくなる可能性もあります。南米、アフリカへ渡航する際には黄熱病ワクチンを接種し、イエローカードの取得を心がけておきましょう。
ボリビアの黄熱予防接種証明書に対する情報
(以下構成労働省検疫所の情報より抜粋)
黄熱に感染する危険のある国から来る、1歳以上の渡航者は黄熱予防接種証明書が要求されています。黄熱に感染する危険のある国です。標高2,300m以下のアンデス山脈東部の以下の地域に渡航する生後9か月以上のすべての渡航者に黄熱の予防接種が推奨されています。
※渡航先が、標高2,300m以上の地域、ラパス(La Paz)市とスクレ(Sucre)市を含む上記に示されていない地域に限られる場合は、黄熱の予防接種は推奨されていません。
気をつけて!黄熱病ワクチンは今日明日でどこででも接種できるものではない
黄熱病の予防接種は予約制であるだけでなく、接種が可能な機関も全国で限られています。予めワクチンを接種するため、日時に余裕を持った計画が必要です。
まず、ご自身のお住いのエリアに黄熱病ワクチンの接種可能な機関があるかを調べておきましょう。また受付状況の混み具合や予約受付の締切日も機関ごとに大きく異なりますので、事前にワクチン接種までの流れを確認しておきましょう。詳細は、厚生労働省検疫所の対象ページFORTH/厚生労働省検疫所の接種期間一覧ページにてご確認ください。
接種時の注意点
接種後28日間もの間、他の予防接種の一切を受けることができません。また各検疫所では事前の予約が必要です。さらに接種可能日も平日の限られた時間のみの場合が多いですので、前もった計画を立てましょう。
ワクチン接種の詳細については、ご自身でお住いの地域の機関のウェブサイトにて最新情報をご確認ください。