2021年10月31日から11月7日の間、兵庫県にある「神子畑選鉱場跡(みこばたせんこうじょあと)」でライトアップイベントが開催されています。神子畑にルーツのある筆者がその様子と徒歩圏内の関連施設をご紹介します。約1週間の期間限定ですが、ドライブがてらに是非おでかけくださいね。
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神子畑選鉱場跡とは?
明治11年に鉱脈が再発見され、生野銀山の支山として稼働を始めた採鉱所です。土地を有効活用し、効率よく選鉱できるよう、山の斜面を利用して建設されました。大正6年に一旦閉山しましたが、同じく兵庫県の明延鉱山(あけのべこうざん)で採鉱された錫などの鉱石をここで選り分け、神子畑鋳鉄橋、羽淵鋳鉄橋を経由して生野鉱山にある生野精錬所などへ送る中継拠点として栄えました。
かつては東洋一の規模と生産量を誇り、日本の近代化を支えてきた「神子畑選鉱場」。最盛期には約370人以上の人が働いていて「一の番、二の番、三の番」と勤務の当番があり、24時間稼働していたため、周辺の社宅までも夜通し煌々と明るかったそう。
安い鉱石や材料が輸入されるようになり徐々に衰退し、選鉱場は平成16年に解体されました。2021年現在は、幅110m、長さ165m、高低差75mの神子畑選鉱場跡のコンクリート基礎が階段状に見られます。
端に見られる傾斜になっている軌道は、当時インクラインと言われていて、ケーブルカーが斜面を利用して効率よく鉱石を選別したり、資材や人を各作業場に運ぶために上下に行き来していました。レールは単線になっていますが、中ほどで台車が行違えるように複線になっています。レール・枕木・バラスト・操作室が現存しています。
円錐の建物はシックナーと呼ばれ、選鉱所の最終段階で微細な亜鉛・銅・錫などが混ざった液体をゆっくり回転させ、比重の違いや浮力を利用して使える鉱石を選別回収していた濾過装置です。大きなものは直径30mもあります。
近くには共同風呂もあり、労働者とその家族は16時30分から21時まで入浴することができました。筆者も夏休みなど祖父母宅に帰省した際には毎日行って住民の方々と会話したり、タイル張りの広い浴槽にゆっくり入るのが楽しみでした。
神子畑選鉱場跡でのライトアップイベント
そんな神子畑選鉱場跡では、2021年10月31日(日)から11月7日(日)の1週間限定でライトアップイベントが開催されています。かつては不夜城とも呼ばれていた神子畑選鉱場やシックナーが明るく照らし出されて幻想的な風景を創り出し、まるでかつての明るく華やかな雰囲気が伝わってくるような必見のイベントです。
時間:17時から22時
※入場料無料、駐車料金無料、雨天決行
最新情報については、以下の朝来市観光協会か神子畑選鉱場跡のHPをご確認ください
・https://asago-kanko.com
・http://mikobata.com
夜の魅力創出イベント(点灯式)
ライトアップ初日は「夜の魅力創出イベント」という点灯式が行われており、多くの人が訪れていました。朝来市長の挨拶、カウントダウンの後に素敵にライトアップされました。山内達哉氏の「燕」「愛の賛歌」など素晴らしい演奏や、朝来市ウィンドアンサンブルの演奏が山々にこだまして迫力を増し、心に響きました。
神子畑選鉱場跡ライトアップイベントに訪れる際のアドバイス
駐車場と駐輪場について
選鉱場の近くに第一駐車場と、その少し東側に第二駐車場(臨時駐車場)があり、イベント期間中であれば、合わせて100台の車が停められます(通常時は第一駐車場30台のみ)。第二駐車場の辺りは当時映画館などがあり、市川右太衛門氏の旗本退屈男シリーズや渡り鳥シリーズなどが放映されて多くの人が楽しんでいたそうです。
お盆やお正月には有名人が訪れ、文化会館ではダンスやビリヤードを若者が楽しんでいたそう。今は埋め立てられていますが、フェンスがある場所にはプール跡もありますので時間があれば探してみてください。駐輪場も完備されています。
休憩所とお手洗いについて
休憩に利用できる屋根付きのベンチがあり、選鉱場跡を一望できます。ソーシャルディスタンスを保ってご利用ください。近くに自動販売機があります。神子畑鉱石の道神子畑交流館「神選(しんせん)」にも、いくつか椅子が配置されています。
お手洗いは、ムーセ旧居・ムーセハウス写真館の建物の側にあり、24時間使うことができます。スロープになっていますので、車椅子の方も大丈夫。17時まででしたら、「神選」にある屋内のお手洗いをご利用できます
- 神子畑選鉱場跡ライトアップ
- 朝来市 / イベント・祭り
- 住所:兵庫県朝来市佐嚢1842-1地図で見る
- 電話:079-666-8002(鉱石の道神子畑交流館「神選」)
- Web:http://mikobata.com/