ガタンゴトン・・・今日も、1両編成のワンマン列車が、まちとむらを結んで、ゆっくりと走っています。福岡県の真ん中から東にかけて、筑豊地域を走る「平成筑豊鉄道(へいせいちくほうてつどう)」、通称「へいちく」。ここは、かつての炭鉱で栄えた地域。今は、里山の美しい風景や、のどかな町なみが続いています。ゆったりとした時間の流れを感じながら、平成筑豊鉄道に乗って、旅してみませんか?
この記事の目次表示
そもそも、平成筑豊鉄道とは
かつての石炭産業を支えた鉄道から、新しい時代の鉄道へ
平成筑豊鉄道は、かつては1895年(明治28年)に、豊州鉄道として開業しました。筑豊地域で採れる石炭を運ぶのが目的です。その後、旧国鉄に合併され、JR九州に。平成になってから、今の「平成筑豊鉄道」となりました。
実は、平成筑豊鉄道の生まれた年は、1989年(平成元年)。会社名に「平成」とつけたのは、全国で最初だったそうです。新しい会社と、新しい時代のスタートが、同時だったというわけです。
車両がカワイイ!現在、全部で8種類。
へいちくの列車は、1両編成のワンマン列車。車両のデザインは、現在、8種類ほど。今度はどの列車が来るのかな?と、待っているのも楽しみです。
へいちくのキャラクター「ちくまる」君がデザインされた列車は、黄色の「なのはな号」と、緑または青の「ちくまる号」の3種類。ちくまる君は、「趣味は小旅行、特技は走ること、夢は運転士さんになること!」だそう。こんな列車が元気いっぱい走ってくると、思わず嬉しくなります。
こちらは「へいちく浪漫号」。レトロな外観に、車内は全席ミニテーブル付きの転換クロスシート、テレビ・カラオケなども付いています。高級感あふれる車内で、ゆったりと楽しめる列車です。
白い列車は、旧型車両を塗装した、一番古いタイプの列車。
そして、にぎやかなイラスト満載の列車は、「炭都物語号」。「月が 出た出た 月が出た~ヨイヨイ♪」・・・「炭坑節」の歌の生まれ故郷である筑豊。かつては石炭産業で栄え、日本の近代化を支えた地域をしのんで、デザインされた列車です。
車体には炭鉱時代の風景イラストが描かれ、車内には、日本初のユネスコ記憶遺産登録を受けた炭鉱記録画家・山本作兵衛氏の絵画のレプリカが展示されています。乗っているだけで、わが国の産業遺産の学習ができる列車としても、乗ってみる価値ありです!
旅の楽しみは、途中下車!
四季を通じて、撮影スポットがいっぱい
1年間を通じて、魅力的な撮影スポットがいっぱい!
春は、菜の花や桜並木の中を。
夏は、新緑の中を。
秋は、彼岸花と一緒に。
冬は、雪にも負けず。
四季を通じて走る、小さな列車の姿は、けなげで、かわいらしくもあります。
写真のトンネルは、源じいの森駅と崎山駅の間にある「石坂トンネル」。1895年に建設され、現存する中では九州最古の鉄道トンネルです。へいちく沿線の中で、もっとも山深さを感じるトンネルです。
あなたも、お気に入りの撮影場所を、見つけてみませんか?
レトロな駅舎も見どころ
赤いポストが目印の、レトロな油須原(ゆすばる)駅。へいちくの中で、一番歴史の古い駅舎で、ホームに立つと、まるでタイムスリップしたかのよう。2007年に放送されたドラマ『東京タワー~オカンとボクと、時々、オトン~』の中で、「ボク」が旅立った駅として、撮影が行われた駅です。
へいちく本社と、車両基地のある、金田(かなだ)駅。ここでは、いろいろな種類の列車を見ることができます。
また、中泉(なかいずみ)駅は、駅舎に床屋さんが併設されているという、めずらしい駅です。
お得なきっぷと、イベントも、要チェック!
乗り降り自由の「ちくまるきっぷ」がオススメ
たっぷりと列車の旅を楽しむためにオススメなのは、一日フリー乗車券「ちくまるキップ」です。大人1,000円、子ども(小学生)500円で、その日1日、何回でも乗り降り自由です。さらに、土日祝日には、大人用キップ1枚で、子ども(小学生)1人が無料になります!親子で乗るなら、とってもお得です!!
しかも、このちくまるキップ、同日であれば、沿線にある「源じいの森温泉」の入浴料が無料に!源じいの森駅で降りたら、温泉までたったの徒歩3分。列車の旅のあとは、ゆっくりと温泉につかってみるのは、いかがでしょうか?
- 源じいの森温泉
- 福岡 / 日帰り温泉 / ホタル鑑賞スポット
- 住所:福岡県田川郡赤村大字赤5251-3地図で見る
- 電話:0947-62-2851
- Web:http://www.genjii.com/spa/spa_1.htm
駅や沿線、列車でのイベントも
年間を通じて、駅や沿線で、様々なイベントが行われていますので、要チェック!また、列車そのものがイベント会場になることもあり、シーズンに合わせて、貸切のビール列車や、ワイン列車、クリスマス列車なども開催されます。イベントに合わせて、お得なきっぷが発売されることもありますよ!
詳しくは、平成筑豊鉄道沿線情報サイト「へいちくネット」をご覧ください。
おわりに
地域の人たちに愛されながら、今日もまちとむらを結んで走る、平成筑豊鉄道。新しいようで、どこか懐かしいような、今と昔を結んでタイムスリップしたような気分も味わえる鉄道です。ぜひ、乗って体験してみませんか?