群馬県にある四万(しま)温泉は、「四万(よんまん)の病を癒す霊泉」という伝説が名前の由来と言われています。今回は、緑豊かな四万温泉周辺と、映画『千と千尋の神隠し』の油屋のモデルになったと言われる旅館「積善館」をご紹介します。
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四万温泉とは?
四万温泉は、明治21年に交通整備がなされたことで、当時から湯治場として賑わいをみせました。さらに馬車など交通の発達により、温泉目当ての人々が増加し、活況を見せた温泉です。
緑豊かな四万温泉周辺には、透き通ったコバルトブルーに染まる四万川や、四万湖などがあります。夏場はカヌーなどのアクティビティも楽しめ、春には桜、秋には紅葉など、四季を通じて楽しむ事ができる場所です。アクセスも便利で、都内からの直行バスもあります。
飲んでも身体にいい!!
四万温泉の温泉水は、「飲めば胃腸、入浴すれば肌によい」と言われています。温泉が胃や腸、肝臓などに作用する効果があり、四万温泉街にも、飲泉所があります。これから紹介する「積善館」のお部屋の冷蔵庫にも温泉水が用意してありました。ぜひ、おためし下さい!
ただし注意点があり、腎臓に疾患のある方は、塩化物泉ですので飲まないで下さい。泉質などを考慮した上で、適量を飲んで下さい。
足湯も体験!四万温泉 山口川音の足湯
四万川の渓流沿いにある、山口川音の足湯。露天風呂だった場所がそのまま、足湯の場となっています。川のせせらぎを聞き、自然を鑑賞しながらの足湯はいかがでしょうか?歩き疲れた足が、一気に軽くなりますよ。
映画『千と千尋の神隠し』の油屋のモデルになったと言われる旅館「積善館」へ
「積善館」は、元禄時代に開業した300年以上の歴史を持つ老舗旅館です。「積善館」は、「本館」、「山荘」、「佳松亭」の3つに分かれています。複雑に入り組んだ旅館はまさに迷路のよう。上に上に増築した結果、複雑な構造になったようです。
チェックインの際は、カウンターまで旅館の方が案内してくれますが、その時に、旅館の地図をもらうと安心です。旅館内は慣れるまで戸惑いますが、慣れてしまえば、探索しているようで楽しいです。
積善館 本館
元禄4年に建てられた、日本最古と言われる木造湯宿建築である「本館」。群馬県の重要文化財に指定されている、歴史的価値のある建築物です。
江戸時代に開業した当初、典型的な湯治宿だった「積善館」。ここ本館のみ、今でも湯治宿として宿泊客を迎え入れています。病気や傷の治療を目的として、食料などを持参して自炊しながら長期滞在した江戸時代の湯治スタイルを残しつつ、現代に合った形にアレンジしています。
布団の上げ下ろしなどは今も宿泊者自身で行うものの、重要文化財指定である事から自炊は不可なので、食事はお弁当形式で用意されています。
積善館 山荘
群馬県近代遺産に登録されている「山荘」。ここ「山荘」には、俳人、文豪たちが避暑に訪れた客室があります。華やかだった昭和を語り継ぐ「浪漫の山荘」とも呼ばれています。今回筆者は、こちらの山荘に宿泊しました。
おすすめ!!四季の味わい 四季替り会席
山荘でいただけるお料理は、旬なもの、地元の美味しいものが盛りだくさんの洗練された会席料理。その季節だからこそ、群馬だからこそ感じられる「旬」や「地」をモダンで落ち着いた食事部屋の中で堪能できます。
ドリンクの種類も多種用意されています。積善館オリジナルの日本酒、ビールもとても美味しく飲みやすいです。フルーティーなものから、辛口なものまでありますので、自分好みのお酒をお選び下さい。
佳松亭
山荘よりさらに奥の高台にある「佳松亭」。「深い松林に囲まれた優雅で静寂な時間」をコンセプトにしています。こちらの夕食は、「和食の神髄」を味わえる月替り会席料理で部屋食となっています。
神秘的な浪漫のトンネル
館内には本館と山荘を繋ぐ、通称「浪漫のトンネル」と言われる通路があり、映画『千と千尋の神隠し』で千尋が通ったトンネルに似ていると言われています。トンネルを抜けると別世界にいってしまいそうな、とても神秘的なトンネルです。