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加賀百万石 前田家ゆかりの名刹「瑞龍寺」と「天徳院」を巡る

取材・写真・文:

東京在住
訪問エリア:43都道府県

2019年2月8日更新

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加賀100万石を築いた加賀藩の前田利家が金沢に入城したのは1583年のこと。以来、前田家は14代にわたり、繁栄してきました。今回は、加賀藩ゆかりの名刹、富山県の「瑞龍寺」と石川県の「天徳院」をご紹介します。

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富山県唯一の国宝、瑞龍寺

  • 写真:熊猫国宝の山門。見事なシンメトリー。

加賀藩二代藩主、前田利長の菩提寺である瑞龍寺。利長の異母弟にあたり、後継ぎとして養嗣子に迎えられた三代藩主利常によって、1614年(慶長19年)に開山されたと伝えられています。

以降、伽藍の整備に取り組み、約20年の歳月をかけて、立派な七堂伽藍が築かれました。3万6,000坪という広大な敷地に建つ見事な七堂伽藍は、伝統的な配置がされた寺院として知られています。

  • 写真:熊猫国宝の仏殿。屋根は鉛瓦が葺かれています。

仏殿、法堂、山門の3棟が国宝に指定、総門、僧堂、大庫裏、大茶堂、回廊が重要文化財に指定されていることからも、その伽藍がいかに立派であることが分かります。なお、瑞龍寺は富山県唯一の国宝に指定されています。

  • 整然とした美しさを湛える瑞龍寺の回廊。

トイレの神様と走る神

瑞龍寺の御本尊は、釈迦如来像とその左右に鎮座する普賢菩薩、文殊菩薩をあわせた釈迦三尊像で、国宝の仏殿に安置されています。ご本尊は必ずお詣りしなければならない要素のひとつですが、それ以外にも拝観するべき像がいくつかあります。

ひとつは「トイレの神様」こと、烏枢沙摩明王(うすさまみょうおう)です。不浄な場所を清める神様として、禅宗寺院の東司(トイレ)に祭られることが多く、「トイレの神様」として知られています。怒りの形相で不浄や悪を焼き尽くという烏枢沙摩明王の像は、見るものを圧倒するでしょう。なお、瑞龍寺の御朱印にも烏枢沙摩明王が描かれています。

  • 走りの神、韋駄天。

そして、もうひとつの見どころは2019年のNHK大河ドラマのタイトルにもなった韋駄天。韋駄天は、仏舎利を奪った夜叉を追い、走って取り戻したという伝説から、走る神として知られています。それが由来となり、足の速い人を「韋駄天走り」と例えるようになりました。祀られている韋駄天のその均整のとれた体つきと端正なマスクには、思わず見惚れてしまうでしょう。

  • トイレの神様、烏枢沙摩明王は法堂と回廊に安置されています。

幻想的なライトアップ

  • ライトアップされた山門。

毎年、冬と春、そして夏の3回、瑞龍寺ではライトアップイベントが開催されます。様々な色の光と音楽に彩られた建物はまさに幻想的。2018年はプロジェクションマッピングも行われるなど、様々な取り組みが行われています。

夜の瑞龍寺は昼間とは違う表情を見せてくれるはずです。ライトアップの日程に合わせて、瑞龍寺を訪れてみるのもいいものです。

ボランティアガイドさんと住職のガイド

せっかく国宝の宝庫瑞龍寺を訪れても、ただ眺めるだけでは理解が深まりません。高岡市では、観光協会を通じて地元のボランティアガイドさんにガイドをお願いすることができます。ガイドさん1人につき2時間まで1,000円でお願いすることが可能です。詳細は高岡市観光ポータルサイトのこちらに掲載されています。

また、時々瑞龍寺の住職が直々にガイドを務めることもあるようです。もし、境内でガイドをする住職を見かけたら是非近寄って、落語調の話芸に耳を傾けてみてはいかがですか。

住職が教えてくれた法堂のミステリー

  • 法堂の仏間には前田利長の位牌。化粧柱と欄間は鳥居に似ています。

瑞龍寺の一番奥に建つ国宝の法堂は総欅(けやき)造りで、前田利長の位牌が安置されています。立派な位牌を安置する仏間はまた立派なもの。そしてその仏間の化粧柱と欄間をよく見ると、不思議なことに神社の鳥居にも見えます。

瑞龍寺の創建当時、徳川家康が東照宮に祀られた時期でもありました。三代藩主利常も家康にあやかり、利長を神様として祀ろうと考えても不思議ではありません。しかしながら、徳川全盛の時代にそれが許されることはないでしょう。表立ってできない配祀を、化粧柱と欄間を鳥居に見立てることで叶えたのではないか。住職はそのように話してくれました。

拝観料と拝観時間

拝観料は大人1名500円、中高生200円、小学生100円です。なお30名以上は団体となり、大人1名400円、中高生150円、小学生70円に割引されます。拝観時間は原則的に9時から16時となっています。

瑞龍寺
富山 / 寺 / 観光名所 / パワースポット
住所:富山県高岡市 関本町35地図で見る
電話:0766-22-0179
Web:http://www.zuiryuji.jp/

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この記事を書いたトラベルライター

さすらいびと
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