近年、県内外からの参拝客が絶え間なく押し寄せる御岩神社。国内最強のパワースポットとまで言われています。茨城の山奥にひっそりと佇む神社は、荘厳な雰囲気に包まれた神域でした。
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御岩神社(おいわじんじゃ)があるのは?
茨城県北部の日立市の山側に位置し、入四間町(いりしけんちょう)の御岩山に鎮座しています。創建は不詳ですが、常陸国最古の霊山で神仏を祀る唯一の社とされています。縄文時代終期の祭祀跡なども見つかっており、古くから信仰の地であったことが伺えます。常陸国風土記にも「清らかな山かびれの高峰(御岩山)に天つ神鎮まる」の記載があります。
御岩神社の歴史
江戸時代には水戸藩初代藩主・徳川頼房公により山形の出羽三山が勧請され、歴代藩主が参拝する祈願所となっていました。明治維新の神仏分離が行われ、僧侶や修験の立入も禁止、山中の寺院施設や大日堂なども取り払われました。平成時代になり神社内にある建物は一部再建され、祭礼の内容や境内の遺跡など神仏習合の文化に回帰した珍しい神社の一つとなっています。
なぜ国内最強のパワースポットと言われたか?
祭神は国之常立神(くにのとこたちのかみ)や大国主神(おおくにぬしのかみ)など26柱。 標高530mの御岩山が御神体で、御岩山中に188柱が祀られています。その由緒ある歴史と、188柱にものぼる御祭神が存在することから、日本全国ほぼすべての神様にお参りできる神社として、以前から近郊の人々の厚い信仰を集めていました。
その信仰が全国区となったきっかけは、1971年1月、アメリカのケネディ宇宙センターから打ち上げられたアポロ14号でした。その時、乗船員であったエドガー・ミシェル氏(Edgar Dean Mitchell, D.Sc.)と、日本人初の女性宇宙飛行士である向井千秋さんのお二人が、「宇宙から地球を眺めた時に1箇所だけ光りの柱が見えた場所があった」と、言いました。帰還後、その場所を調べたら御岩神社であったということです。依頼、各メディアにも取り上げられ、一躍有名になりました。宇宙にまで光を放ったと言われる御岩神社に参拝したくなりましたか?
御岩神社のみどころ
正面の左側に社務所があり、鳥居をくぐってすぐ左手に祓戸神社(はらえどじんじゃ)。その脇に愛宕神社の鳥居があります。少し進むと右手に御神木である三本杉が空に向かって真っすぐに伸びています。
樹齢約600年、幹回り約9m、高さは約50m。 その名の通り地上3mから3本に分かれているのが特徴で、茨城県指定の天然記念物であり、林野庁の「森の巨人たち百選」に茨城県内で唯一選ばれています。三本杉のそばに楼門(大仁王門)があり、阿吽の仁王像が安置されています。楼門は、神仏分離の際、取り壊されましたが、1991年(平成3年)に再建されたものです。
先に進むと、神仏習合の施設、斎神社回向殿(さいじんじゃえこうでん)になります。回向殿のご本尊は木造の阿弥陀如来坐像で日立市指定文化財になっています。天井画の「御岩山雲龍図」は、2016年(平成28年)の秋に行われた茨城県北芸術祭の作品で岡村美紀氏により描かれたものです。
さらに奥に御岩神社の拝殿、本殿があります。霊験あらたかな神社として、心願成就、家内安全、病気平癒、厄除開運など様々なご利益があるとされています。
境内の自然美も
境内には、水戸黄門でおなじみの2代藩主徳川光圀公が、大日本史編さんの筆染めの儀を行い、完成を祈願したとされる池があり歌碑も建立されています。ぴんと張りつめた空気の中に立つ杉木立や、艶やかに光り木々や石を覆う苔の美しさにも心が落ち着くような不思議な空間です。
3月中旬から4月初旬には水芭蕉の群生が、4月中旬から5月初旬にかけては、ピンクの花を咲かせる石楠花も楽しめます。回向殿手前左側に表参道の登山口の鳥居があり、そこからは標高530mの御岩山への登拝が楽しめます。
御岩山には、表参道と裏参道があり、片道約60分と言われ、登拝を楽しむ人々も多く訪れています。登拝時間は午前6時から午後3時までとなっています。駐車場から御岩神社の本殿までも、結構長い参道があることから、登拝の予定がなくても歩きやすい靴をおすすめします。
- 御岩神社
- 茨城 / 神社 / パワースポット / 穴場観光スポット / 縁結びスポット
- 住所:茨城県日立市入四間町752地図で見る
- 電話:0294-21-8445
- Web:http://www.oiwajinja.jp/