ムスリム(イスラム教徒)にとって、とても重要なモスクが存在する地区がイスタンブールにあるのをご存知ですか?今回はイスタンブールのエユップという地区にあるモスクと、イスタンブールで金角湾を一番美しく見れることで有名なチャイハーネ(喫茶店)についてご紹介します。
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まずはエユップを目指そう!
トルコ、イスタンブールは世界で唯一ヨーロッパとアジアに跨る街です。さらにイスタンブールのヨーロッパ側は、金角湾によって旧市街と新市街に分かれています。
その金角湾の奥まったところの旧市街側に、今回ご紹介するEyüp(エユップ)という地区があります。
旧市街の交通の要所となっているEminönü(エミノニュ)からだと、99系統のバスで行くことができます。渋滞に巻き込まれなければ20分ほどで到着できます。
エユップの魅力
Eyüp Sultan Camii (エユップ・スルタン・ジャーミィ)
イスタンブールには数えきれないくらいたくさんのモスクがありますが、エユップにあるエユップ・スルタン・ジャーミィ(ジャーミィとはトルコ語でモスクの意味)はムスリムにとっては特別なモスクのひとつです。エユップは、メッカやメディナなどに次ぐ聖地とされ、トルコ国内だけではなく世界中から巡礼者が耐えません。そんな聖地がイスタンブールにあったなんて、、、。
バスから降りてからの道順もややこしくないので、迷うことなくモスクに辿りつけます。
モスクに辿り着くまでの道端には、飲食店や屋台がたくさん出ていて賑やかな雰囲気。
モスクの前の広場には大きな噴水があり、憩いの場となっています。平日の昼間でもたくさんの人が観光や礼拝にやってきます。
広場の穏やかな雰囲気を味わったら、いよいよモスク内部を見学してみましょう。
エユップ・スルタン・ジャーミィは、ムスリムにとって特に重要なモスクというだけあって、内部の空気はほかのモスクとは少し違った印象を受けます。ここぞとばかりに写真を撮りまくっている観光客も少なく、敬虔な信者が祈りを捧げたり、クルアーンを熱心に読んだりしている人の姿がほかのモスクに比べて圧倒的に多いのです。
このモスクが特に重要といわれているのには、1300年以上前の歴史が関係しています。イスラム教の始祖であるムハンマドの盟友アイユーブ(トルコ語訛りでエユップ)は、ムハンマドの死後、軍を指揮してコンスタンティノープル(現在のイスタンブール)を包囲しますが、その後の聖戦で殉死してしまいます。
彼の墓は、死後8世紀もたってメフメット2世の時代に発見されたとされ、このモスクはエユップを祀るため、メフメット2世によって1459年に建てられました。それ以来、オスマン帝国では非常に重要なモスクとされ、スルタン(イスラム王朝の君主)が即位するときに、聖剣(オスマンの剣)を授与する儀式がここで行われていたといいます。
霊廟も見どころ!
モスクのすぐ横には、英雄エユップの霊廟が併設されていて無料で見学できます。
霊廟には細やかで美しいイズニックタイルが装飾が施されていて、その豪華さに圧倒されます。何枚もの異なる繊細な絵柄のタイルが連続していて、モスクとはまた違ったイスラム芸術の素晴らしさを見て感じることができます。