イスタンブール
イスタンブール観光
ヨーロッパとアジアにまたがるトルコ最大の都市

トラムで簡単アクセス!イスタンブール旧市街 魅惑のモスク3選

取材・写真・文:

トルコ在住
訪問エリア:17ヶ国

2018年6月22日更新

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写真:Zon

人口の99%以上がムスリム(イスラム教徒)の国であるトルコには8万を越えるモスクがあり、トルコ最大の都市、イスタンブールだけでも3,000を越えるモスクがあります。今回はイスタンブール初心者でもトラムに乗れば簡単にアクセスできる、旧市街の歴史ある魅惑のモスクを3つご紹介します。

この記事の目次表示

1.ソクッル・メフメト・パシャ・ジャーミィ

イスタンブールの観光の中心地であるスルタンアフメットや、中東最大規模の市場と言われるグランド・バザールからも徒歩圏内のこちらのモスクがSokullu Mehmet Paşa Camii(ソクッル・メフメト・パシャ・ジャーミィ)です。

  • 写真:ZonSokullu Mehmet Paşa Camii

最寄りのÇemberlitaş(チェンベルリタシュ)駅からは急坂を下って徒歩8分ほどです。建設が難しい急坂にモスクの設計を手掛けたのは、トルコの大建築家ミマール・スィナンです。オスマン帝国の栄華を極めたスレイマン大帝のひ孫エスマハンの婿であった大宰相ソクッル・メフメト・パシャのために造られ、1572年に完成したモスクです。

中庭の様子

急坂の途中にあるため、モスクの門をくぐると上階へと続く階段があり、その先に中庭とモスクがある、という造りになっています。このような設計にすることにより、急斜面にモスクを建設することに成功しました。

  • 写真:ZonSokullu Mehmet Paşa Camii 中庭と泉亭

ブルーのタイルが神秘的なモスク内部

モスク内部は、あのブルー・モスクよりもブルーが印象的!規模は決して大きくありませんが、美しい青にうっとりしてしまいます。

  • 写真:ZonSokullu Mehmet Paşa Camii
  • 写真:ZonSokullu Mehmet Paşa Camii

イズニックタイルというトルコのタイルが大量に使われており、青や緑の花をモチーフとしたものが細部に施されているのが特徴です。窓もさほど大きくなく太陽光はあまり差し込みませんが、その分神秘的な雰囲気が漂う空間です。聖地メッカのカアバ神殿の断片がミフラーブ(メッカの方向を表すモスク内の壁のくぼみ)やミンバル(説教壇)に埋め込まれているため、ムスリムにとっては深い意味を持つモスクでもあります。

  • 写真:ZonSokullu Mehmet Paşa Camii
  • 写真:ZonSokullu Mehmet Paşa Camii

アクセス

トラムのÇemberlitaş(チェンベルリタシュ)駅から徒歩8分ほどです。

チェンベルリタシュ駅
イスタンブール / 駅・空港・ターミナル
住所:Cemberlitas Tram Station,Istanbul地図で見る
ソコルル・メフメト・パシャ・ジャーミィ(カドゥルガ)
イスタンブール / モスク
住所:Küçük Ayasofya Mh. 34122 Fatih/İstanbul地図で見る

2.ファーティフ・ジャーミィ

トルコ語でFatih(ファーティフ)は征服者のこと、つまりFatih Camii(ファーティフ・ジャーミィ)1453年にコンスタンティノープルを攻略したオスマン帝国の皇帝メフメト2世のために建てられたモスクです。イスタンブールには7つの丘があり、それぞれの丘にはビザンツ帝国時代もオスマン帝国時代にも壮大な宗教建築がありましたが、このモスクもその中のひとつです。

  • 写真:ZonFatih Camii

このモスクは、アヤ・ソフィア博物館の影響を受けて建てられた初めてのモスクであるといわれています。このモスクは元は教会があった場所に1463年に建設が始まり1470年に完成しました。しかし何度も地震によって損傷したため、1771年に当初とは全く異なる様式で再建されました。

中庭の泉亭が美しい

モスクの周りは広々とした空間になっていて、散歩したり休憩したりしている人がたくさんいますが、中庭まで来るとやはりモスクならではの神聖な空気が流れているのが伝わってきます。中庭には身を清めるための泉亭があり、その屋根の裏の美しいデザインにも注目してみてください。

  • 写真:ZonFatih Camii 中庭へ続く扉
  • 写真:ZonFatih Camii 泉亭の屋根の裏の模様

ドームの直径は26メートル!

モスク内部は広々としていて解放感がある空間です。ドームの直径が26メートルもあるのでそのぶん床面積も広く、かなりの迫力です!1つの大きなドームを4つの副ドームが支えている造りになっています。

  • 写真:ZonFatih Camii

いまみることができるのは1771年に再建されたバロック様式のモスクですが、ミフラーブは1470年に完成した当初のものが残されています。切れ目なく続く、花の模様が美しい真っ赤な絨毯がいかにもトルコらしいモスクです。決まったお祈りの時間以外にも人の出入りが絶えまないモスクで、人々の信仰心の深さを垣間見ることができます。

  • 写真:ZonFatih Camii
  • 写真:ZonFatih Camii 花の模様が美しい絨毯

アクセス

トラムのAksaray(アクサライ)駅から緩やかな坂を登って徒歩15~20分ほどです。

アクサライ駅
イスタンブール / 駅・空港・ターミナル
住所:Millet Cd. N0:3 Aksaray/İstanbul, 34096 トルコ地図で見る
ファーティフ・ジャーミィ
イスタンブール / モスク
住所:Ali Kuşçu Mahallesi Hattat Nafiz Cd. No:6 34083 Fatih/İstanbul地図で見る

3.ミフリマー・スルタン・ジャーミィ

Mihrimah Sultan(ミフリマー・スルタン)はスレイマン大帝の愛娘です。Mihrimah Sultan Camii(ミフリマー・スルタン・ジャーミィ)は彼女のために造られたモスクで、設計を手掛けたミマール・スィナンは彼女に密かに思いを寄せていたといわれています。

  • 写真:ZonMihrimah Sultan Camii

心休まる中庭

旧市街の中心から少し外れたところにあるせいか、観光客も少なく、落ち着いた空気が流れています。女性のために造られたモスクというだけあって、ほかのモスクに比べると敷地内の雰囲気がとても柔らかく優しい印象です。広々とした中庭にはいくつもベンチが置いてあります。

  • 写真:ZonMihrimah Sultan Camii 中庭の泉亭

モスクの入り口付近の回廊も、アーチの湾曲と色合いに女性らしさを感じることができます。

  • 写真:ZonMihrimah Sultan Camii 心静まる空間

窓から差し込む太陽の光が神秘的なモスク内部

モスクに入るとまず前面がほぼ窓!という大胆な内装に驚きます。スィナンによるモスクの作品の中でもこの手法は珍しいものです。天井から吊るされている照明の灯りがなくても十分に明るく、ステンドグラスに差し込む太陽の光が神秘的にモスクを彩っています。

  • 写真:ZonMihrimah Sultan Camii

モスク前面だけではなく、側面上部も大きな窓になっていて、ほかのモスクとはずいぶん違った造りになっています。

  • 写真:ZonMihrimah Sultan Camii

Mihrimahは「太陽と月」を意味する名前です。ステンドグラスの色形の繊細さ、吊るされた照明の天体のように丸い形、円形の模様が美しい絨毯のように、Mihrimahを思わせる要素が随所に詰まっているモスクです。スィナンの彼女に対する気持ちの表れなのかもしれませんね!

  • 写真:ZonMihrimah Sultan Camii
  • 写真:ZonMihrimah Sultan Camii 美しい絨毯

アジア側のÜsküdar(ユスキュダル)にも同名のモスクがあるので、時間があればアジア側へも行って見比べてみましょう!

ÜsküdarのMihrimah Sultan Camiiに関する記事はこちら

アクセス

トラムのEdirnekapı(エディルネカプ)駅から徒歩5分です。

エディルネカプ駅
イスタンブール / 駅
住所:Beylerbeyi Caddesi 34055 Topçular İstanbul地図で見る
ミフリマー・スルタン・ジャーミィ(エディルネカプ)
イスタンブール / モスク
住所:Karagümrük Mh. 34091 Fatih/İstanbul地図で見る

おわりに

イスタンブールだけでも3,000以上のモスク、その中で旅行中に訪れることができるのはほんの少しかもしれません。オスマン帝国史上、重要な人物にまつわるモスク、そして交通手段はトラムと徒歩のみ、というイスタンブール初心者でも挑戦しやすい旧市街のモスクを3つご紹介しました。選りすぐりのモスクに是非足を運んでみてくださいね!

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この記事を書いたトラベルライター

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大学時代はロシア(モスクワ、サンクトペテルブルグ)に留学し、その後世界各国を訪れ、トルコ・イスタンブールに落ち着きました。ガイドブックには載らないようなイスタンブールでの楽しみ方や、最新の情報もお届けします。

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