猫が多い町として世界的に知られているトルコ最大の都市、イスタンブール。猫好きのかたに訪れてほしい、入場料無料の「イスタンブール猫博物館」の魅力とアクセス方法をご紹介します。
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イスタンブールと猫の歴史
そもそも、イスタンブールに猫が多いのはなぜだかご存知ですか。かつて東ローマ帝国とオスマン帝国の首都であったイスタンブールは、その歴史を通じて港町として賑わってきました。猫は人間にとってよい“仲間”であるだけでなく、ネズミ駆除にも役立ったため、商船は猫を船に迎え入れることを歓迎しました。海上だけでなく、陸地での生活においても猫が必要とされていました。海上貿易により、イスタンブールには各国からさまざまな種類の猫がもたらされました。イスタンブールの住民は、時代を通して主に港から町に広まった野良猫と接触してきました。このような時代を経て、数え切れないほどの猫と数え切れないほどの猫好きが住む今日の大都市が生まれたのです。
「イスタンブール猫博物館」はどんな博物館?
イスタンブール猫博物館(Cat Museum Istanbul)は、猫の町イスタンブールに世界最大の猫アートコレクションを収蔵することを目指している博物館です。エントランスの先にある階段を下ると、こじんまりとしたアーティスティックな空間に、世界各国からコレクトされた猫の絵画や猫をモチーフにした切手などが展示されています。
展示作品の中には日本人画家によって描かれたものも!
トルコのみならず、ヨーロッパを中心とする世界各国からの猫に関する作品が展示されている博物館で、私たちが注目したいのは日本人の画家によって描かれた作品です。1942年鹿児島県生まれの西田忠重さんと、1949年広島県生まれ乗兼広人さんの作品に描かれている日本猫には、親しみがわくかたも多いはず。外国の猫との違いに注目しながら鑑賞してみるとおもしろいでしょう。
商品の購入金額の半分は野生動物たちへのドネーション
博物館では、猫をモチーフにしたTシャツやポストカード、シールなどが販売されています。また博物館内にはカフェもあります。これらの商品やドリンクを購入すると、金額の半分がイスタンブールの路上で暮らす野生動物たちに寄付されることになります。イスタンブールには今でも数えきれないほどの猫たちが生活しており、自治体による避妊手術も行われているものの、あまりの数の多さに間に合っておらず、多くの仔猫が生まれます。しかし路上での生活は大変で、人間のサポートなしでは餌や水にたどり着くことが非常に困難です。見た目は可愛く人懐っこいイスタンブールの猫たちですが、彼らの生活は私たちが思う以上に過酷です。商品を購入するだけで、彼らの生活に貢献できるのは、この博物館の魅力ですよね!
「イスタンブール猫博物館」へのアクセス方法
博物館は、イスタンブール新市街の観光には欠かせないガラタ塔から徒歩1分の距離にあります。ガラタ塔からは何本もの通りがのびていますが、その中のひとつであるセルダル・エクレム通り(Serdar-ı Ekrem Caddesi)に入るとすぐ左手にあります。新市街の観光途中に気軽に立ち寄ることができます。
- キャット・ミュージアム・イスタンブール
- イスタンブール / 博物館
- 住所:Şahkulu Serdar-ı Ekrem Cd. No:5/A 34425 Beyoğlu/İstanbul地図で見る
- Web:https://catmuseum.co/
おわりに
博物館の見学に30分見積もっておけば十分です。猫好きにのかたはもちろん、この記事で初めてイスタンブールの猫のことを知って興味を持たれたかたも、ぜひ訪れてみてくださいね!