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人気メニューはやっぱり天ぷら系
【くるまや 本店】で一番人気なのは、1日限定16食の 天ざるそば(1,880円) 。予約をすることも可能です。これも言ってみれば「天ぬき付き ざるそば」なのですが、すでにそのメニューはあるので、看板メニューとして 天ざるそば にしているのだと思います。
天ぷらは季節の野菜にエビ天も入ってボリューム満点!また「天ぬき」の場合はすでにお汁で天ぷらが煮てあるのですが、 天ざるそば は自分で天つゆに浸して食べることができます。
温かいお蕎麦もボリューム満点です。こちらは 天ぷらそば(1,050円)。天ぷらは海老1尾がどーん!と乗っています。汁も濃いめで、その汁を吸った天ぷらがまた美味しいです。
ウンチクは無し!純粋に蕎麦を味わう
今でこそ、蕎麦打ち職人さんの技や知識が増え、こだわりも増え、十割、二八、更科などなど、「蕎麦と小麦の割合はウチはこうです」「○○産の蕎麦を使ってます」と謳う蕎麦屋さんが多いですが、【くるまや 本店】ではそのようなウンチクを見ることはありません。それが、このお店のスタンスなんだと思います。
だから、そのようなウンチクは考えずに食べてみてください。ただ・・・食べる時、ちょっとだけでも、冒頭に紹介した「江戸時代からの…」を思い浮かべてみてください。
お蕎麦の味は、なんとも言えない野暮ったい感じ、でもそれがまた懐かしいような味わい、そして活力をもらえるような。この蕎麦を食べることは、伝馬を走らせる人や、旅人たちの、福島宿での美味しいひと時だったんだろうな…と。
ちなみに、「ざるそば」は基本的に 2枚!1つのざるに盛られている量が少な目ではあるのですが、2枚重なっていると「おおー!」と嬉しくなってしまいます。食べきる自信のない方は1枚にすることもできるので、お店のスタッフさんにご相談ください。
蕎麦前も豊富
お酒が好きな方は 蕎麦前 も楽しみたいですよね。蕎麦屋特有の表現、蕎麦前 とは簡単にいうと、蕎麦屋で飲むお酒 のことを言います。昔から、お酒を飲みながらちょっとしたアテを楽しんだ後、〆に蕎麦を食べる風習もあるので、蕎麦の前のお酒 = 蕎麦前 というわけです。
この辺りは日本酒の酒蔵さんもたくさんあります。戦後はパック酒の象徴のような銘柄になったこともありますが、今は蔵元の世代も変わり、若手の蔵主がまっとうな酒造りをしているところがほとんどです。
味についていえば、良い意味で華やかさはありません。どしっとした、地に足がついた味わいのお酒ばかりです。でも、この蕎麦に地酒という組み合わせは、やっぱり地の者同士ということで、相性抜群です。
蕎麦前にぴったりなアテも豊富にあるので、飲み過ぎにご注意ください(笑)。
最後に・・・
蕎麦屋一つで歴史のことをつらつらと紹介してしまいましたが、本当に歴史的にも、この場所はとても奥深いところなんです。それを知らないで食べるか、知って食べるかで、また感じる美味しさが違うと思います。
「くるまや本店に行こうと思っていた」という方も「木曽の蕎麦屋はどこがいいかな?」と悩んでいる方にも、この記事が少しでも参考になれば幸いです。