木曽路はすべて山の中――。森林地帯を貫く、一筋の街道。それが、「奈良井宿」。江戸時代の建築物が立ち並び、当時の面影を色濃く残す奈良井宿で、江戸時代にタイムスリップしてみませんか?「山の中」というと、「車がないと難しいんじゃないの?」とご心配する方もいらっしゃるかもしれませんね。ご安心ください。この奈良井宿は電車の駅を降りてすぐ!アクセスが良く、車がなくても大丈夫!そんな観光スポット、奈良井宿の魅力をご紹介します。
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奈良井宿とは
「奈良井宿」は、かつて中山道を歩く多くの旅人で栄えた宿場町。長野県の中部、塩尻市に位置します。
「中山道」は江戸時代の五街道のひとつ。江戸時代、江戸と京都とを結ぶ街道でした。
中山道のうち、岐阜県と長野県の境界部である木曽地方にあたる区間は「木曽路」と呼ばれています。木曽路には11の宿場町が存在し、中でも奈良井宿は木曽十一宿中で最も賑わった宿場町です。
明治を代表する小説家・島崎藤村は、同じ木曽路の宿場町「馬籠」の出身。彼の代表作『夜明け前』では、木曽路および奈良井宿について「木曽路はすべて山の中である」、「一筋の街道はこの深い森林地帯を貫いていた」と記述しています。その小説に表現されているとおり、奈良井宿は山に囲まれた木曽路の中に、一筋の町並みとして存在します。
奈良井宿の魅力
奈良井宿の魅力は、なんといってもその町並み。江戸時代や明治時代の建築物が立ち並び、一歩足を踏み入れると、そこは日本情緒溢れる昔の風景。江戸時代にタイムスリップしたような気分になります。そのノスタルジックな町並みは、雨の日でも赴きがあります。
奈良井宿は文化庁の「重要伝統的建造物群保存地区」にも指定されており、町民によって景観が保存されています。その風情溢れる町並みゆえ、NHK連続テレビ小説『おひさま』の撮影にも使われていました。
奈良井宿の楽しみ方と見どころ
宿場町歩き
奈良井駅を降りると、すぐにその町並みは姿を現します。中山道沿いに、約1kmにわたって江戸時代や明治時代の建築物が立ち並んでいます。
また、奈良井宿は現在でも住宅として地元の方々が住まわれています。気さくな地元の方たちとの会話も、奈良井宿での楽しみのひとつです。
奈良井宿の建築様式「出梁造り」
町並みのあとは、視点を建物1つ1つにフォーカスしてみてください。奈良井宿の特徴的な建築様式「出梁(だしばり)造り」が見どころです。
「出梁造り」とは、二階を少しせり出した造りのこと。
そして入口にはめられた大戸、そして日常の出入りにつかうくぐり戸、入口の横のしとみ戸、二階の手すりの真黒くすすけて落ち着いた格子、その両脇につけられた白漆喰の袖うだつ、各部にさりげなくそえられた彫物。これらはすべて、奈良井に残された宿場の建築です。
さらに、長くのびた軒の小屋根(庇・ひさし)をおさえた「猿頭(さるがしら)」と呼ばれるサン木は、格子やしとみ戸とよく調和して、他では見られない深い味わいを醸し出しています。
水場
江戸時代の昔から、旅人の渇きを癒してきた水場。奈良井宿内のそこかしこに見ることができます。
夏の暑い日には、水場の冷たい水で涼をとりながら、町歩きを楽しみましょう。
木曽漆器
約350年前から続く伝統とされている「木曽漆器」は、経済産業省の「伝統工芸品」に指定されています。奈良井宿内には、多くの漆器店が軒を連ねています。
お土産にも最適の木曽漆器は、江戸時代から中山道を通る旅人にもお土産品として人気があったそうです。
伝統的なお盆や茶碗から、弁当箱や箸など現代のライフスタイルにあった品、さらにはアクセサリーまで、様々な製品があります。
漆器を見るのに夢中になっていると、滞在時間があっという間にすぎてしまうので、ほどほどに。
木曽の大橋
「木曽の大橋」は、曲線が美しい、総桧造りの太鼓橋。優良な建材として有名な「木曽ヒノキ」で作られています。宿場町からは、少し外れた場所にあります。
この場所、商業施設は併設されていませんが、「道の駅」。無料駐車場が併設されていますので、車でお越しの方はこちらに駐車することをお勧めします。
なお、少し離れた徒歩数分のところにソフトクリームやおみやげが買える商業施設があります。
- 木曽の大橋
- 塩尻市 / 橋
- 住所:長野県塩尻市大字奈良井地図で見る
- 電話:0264-34-2001
- Web:http://www.naraijuku.com/2010/10/post-54.html
- 道の駅 奈良井木曽の大橋
- 塩尻市 / 道の駅・サービスエリア
- 住所:長野県塩尻市大字奈良井1346番の3地図で見る
- 電話:0263-52-0280(塩尻市役所)
- Web:https://www.cbr.mlit.go.jp/michinoeki/nagano/nagan...