韓国には全部で13の世界遺産があります(2019年5月現在)。今回はその中でも2010年に「韓国の歴史的集落群:河回と良洞」の名称で世界遺産に登録された村のひとつであり、韓国の伝統文化に触れることのできる安東河回村をご紹介します。
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安東河回村って?
安東河回村(アンドンハフェマウル)は、昔の貴族階級をさす両班(ヤンバン)の名家である豊山柳氏(プンサンリュシ)の一族が600年間代々暮らしてきた民俗村です。現在も子孫の方々が生活されており、伝統的な生活様式や家屋がとても良い状態で保存されています。家屋の他に、庶民の娯楽も現在まで伝承されており、韓国の文化財が多く残る重要な観光地となっています。
河回(ハフェ)という名は、洛東江(ナットンガン)という川が村を回り込むように囲んで流れていることに由来しています。
河回村の見どころ
村の中は安東の伝統的な瓦葺きや藁葺きの家屋が並び、歩くだけでその風景と雰囲気を楽しむことができ、まるで過去へタイムスリップしたかのような気分にさせてくれます。主な建築物の前には日本語で表示された説明もあるので、それぞれの家屋の歴史や様式を知ることができます。村の規模はそこまで大きくないので、2時間もあれば村全体を見て回ることができます。
忠孝堂(チュンヒョダン)
河回村の名士・柳成龍(リュウソンリョン)の邸宅。保存状態がとても良く、家の中の様子を見ることができます。
永慕閣(ヨンモガッ)
忠孝堂の隣にあり、柳成龍の文献や遺品が保管されている展示館。
澹然齊(タミョンジェ)
韓流スター・リュ・シウォン氏の宗家。
澹然齊の門すぐ横の土塀に設えてあるこの穴は、貧しい人たちへの施しのお金を入れておくために使われていたそうです。手を入れる穴は、中のお金を一度にたくさん持っていけない大きさに造ってあるというのが興味深いです。
参神堂(サムシンダン)
村の中心に位置し、樹齢600年を越えるケヤキの御神木があり、子を授け出産と成長を助けると伝えられています。その場で短冊に願い事を書き、しめ縄に結び、お祈りをすることができます。
芙蓉台(プヨンデ)
河回村の北側に位置し、川の対岸にある高台。川岸を往復している渡し舟(有料)を利用して行くことができます。芙蓉台からは村全体を見下ろすことができ、その景色は神秘的です。
巨大ブランコ
村の川の近くには見上げるほどの高さのブランコがあります。伝統的な民俗遊戯であり、自由に乗ることができます。眺めはいいかもしれませんが、ちょっとこのブランコで本気を出すのは怖いですね…。
河回別神グッ仮面劇(ハフェビョルシングッタルノリ)
河回村では庶民の娯楽であった「河回別神グッ仮面舞」は今でも受け継がれており、村の入り口付近にある河回村公演場では、「河回別神グッ仮面劇」の公演が週末などに開催され、無料で見学することができます。
劇中では色々な仮面が登場し、ユーモアを交えた社会風刺などの内容で楽しませてくれます。公演日は時期によって異なる場合もあるので、事前にホームページなどでチェックして行かれることをおすすめします。
その他の施設
村の中にはお土産屋さんもあり、仮面やストラップなど、河回村ならではのグッズが購入できます。家屋の中には宿泊ができる施設もあり、伝統文化に直接触れる経験もできます。その他、韓国の伝統料理や安東名物である塩サバをいただける施設もあります。
施設情報
- 【営業時間】夏季:09:00~18:00、冬季:09:00~17:00
- 【定休日】年中無休
- 【料金】大人:5,000ウォン(約460円)、中高生:2,500ウォン(約230円)、子供:1,500ウォン(約140円)
- 【アクセス】安東市から市内バス(約40分)または観光タクシー(約25分)
安東河回村は、ソウルから約3時間、プサンから約2時間半の場所にあります。市内バスで向かう場合には、安東市外バスターミナル向かい側で「河回村行き」の46番バスに乗り、「河回村駐車場」にて「河回村入り口行きシャトルバス」に乗り換えて向かうことができます。バスの料金は1,300ウォン(約120円)です。
おわりに
日本人にとってどこか懐かしさを感じさせる安東河回村は、韓国の伝統文化を知りたい人にも、そうでない人にとっても、一見の価値がある村だと思います。ソウルやプサンからは少し離れていますが、河回村を訪れるツアーもたくさんあるので、自然の中でのんびり韓国文化に触れたい日には、ぜひ足を運んでみてください。
- 安東河回村
- 韓国 / 観光名所
- 住所:大韓民国 Gyeongsangbuk-do, Andong, Pungcheon-myeon, 하회종가길 40地図で見る
- Web:http://www.hahoe.or.kr/