「京都のもみじ」というと秋の紅葉をイメージされることが多いのですが、実は新緑を「青もみじ」と呼び、その時ならではの季節を楽しむ文化があります。神社やお寺をはじめ、山や公園など青もみじを楽しむスポットは数えきれないほど。同じ場所でも、夏は青もみじを楽しみ、秋には表情の異なる紅葉の風景を楽しむというのもおすすめです。今回は、青もみじで有名なスポットをいくつかご紹介します。
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青もみじが楽しめるシーズンは5~7月
青もみじは、主に5月から7月にかけて楽しむことができます。その時期の青もみじは、まさに「萌ゆる」新緑の青さが涼し気で、暑さを忘れさせてくれます。時期的にも大きなお祭りなどもなく、観光客もそれほど多くないので、ゆっくりと街歩きを楽しめます。
場所によっては、期間中限定でライトアップしているところも。昼と夜で異なった表情の青もみじを堪能することもできます。
それでは、今回おすすめの青もみじの散歩道をご紹介していきましょう。
1.法然院
参道をのぼると茅葺きの山門があり、その門をくぐると両側に白砂檀(びゃくさだん)があります。これは白砂にお坊さんが描いた砂絵のことですが、新緑の緑と白砂のコントラストがとても涼し気で、青もみじがさらに風情ある雰囲気に。境内には谷崎潤一郎ら著名人の墓もあることで有名です。
- 法然院
- 下鴨・北白川・平安神宮 / 寺 / 紅葉
- 住所:京都市左京区鹿ヶ谷御所ノ段町30番地地図で見る
- 電話:075-771-2420
- Web:http://www.honen-in.jp/
2.哲学の道
約2km続く散策路で、哲学者の西田幾多郎らが好んだことから、「思索の小径」と呼ばれていたのが、いつしか「哲学の道」と呼ばれるようになったそうです。春には桜のトンネルも楽しめることで多くの人が訪れていますが、青もみじのトンネルも負けず劣らず綺麗です。上記で紹介した法然院からもすぐにアクセスでき、周辺には銀閣寺や安楽寺などが点在しています。
この小道には疎水が通っており、この水面に反射する新緑でさらに緑が鮮やかに見えます。小道沿いには、和菓子屋さんや、お土産屋さんなどもあったりするので、休憩やお土産の買い物などもできるのでゆっくりと散歩を楽しめます。
3.糺の森(下鴨神社)
法然院や哲学の道のあるエリアから少し離れて、京都御所のあるエリアに下鴨神社があります。京都最古と伝わる神社のひとつで、世界文化遺産にも登録されています。この神社内にあるのが「糺の森(ただすのもり)」で、この森を抜けて歩いていくと、下鴨神社の鳥居が見えてきます。また、この朱の鳥居が、新緑の中から見えてくる光景はとてもフォトジェニックな「京都」があります。
- 下鴨神社
- 下鴨・北白川・平安神宮 / 一人旅 / 神社 / 紅葉 / パワースポット / 縁結びスポット / 世界遺産 / 観光名所
- 住所:京都府京都市左京区下鴨泉川町59地図で見る
- 電話:075-781-0010
- Web:http://www.shimogamo-jinja.or.jp/
「青もみじ」が楽しめる主な3つのエリア
左京区周辺
青もみじ観光でも代表的な貴船神社や三千院があるエリアです。「糺の森」のある下鴨神社もこのエリアにあります。
- 貴船神社
- 大原・鞍馬・貴船・八瀬 / 観光名所 / 神社 / 紅葉 / パワースポット / 縁結びスポット / ツーリング
- 住所:京都府京都市左京区鞍馬貴船町180地図で見る
- 電話:075-741-2016
- Web:http://kifunejinja.jp/
- 三千院
- 大原・鞍馬・貴船・八瀬 / 寺 / 観光名所 / 紅葉 / 桜の名所 / 庭園の名所 / ツーリング
- 住所:京都府京都市左京区大原来迎院町540地図で見る
- 電話:075-744-2531
- Web:http://www.sanzenin.or.jp/guide/index.html
東山・山科周辺
山側に面しているエリアなので、どこを訪れても緑が多い場所でもあります。今回ご紹介した法然院や哲学の道もこのエリアにあります。また、東福寺など紅葉でも有名なお寺がたくさんあります。
- 東福寺
- 東山・祇園 / 寺 / 観光名所 / 紅葉 / 庭園の名所
- 住所:京都府京都市東山区本町15-778地図で見る
- 電話:075-561-0087
- Web:https://tofukuji.jp/
嵐山周辺
回遊式庭園を有する宝厳院(天龍寺)や、清盛の五輪の石塔がある、苔ともみじの名所として有名な祇王寺などがあるのがこのエリアです。
- 天龍寺
- 嵐山・嵯峨野・太秦・桂 / 寺 / 観光名所 / 紅葉 / 世界遺産 / 庭園の名所 / ツーリング
- 住所:京都府京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町68地図で見る
- 電話:075-881-1235
- Web:http://www.tenryuji.com/
- 祇王寺
- 嵐山・嵯峨野・太秦・桂 / 寺 / 穴場観光スポット / 紅葉 / 竹林
- 住所:京都市右京区嵯峨鳥居本小坂町32地図で見る
- 電話:075-861-3574
- Web:http://www.giouji.or.jp/
その他にも様々な青もみじの見どころがあるので、詳しくは以下のサイトを参考にしてみてください。
■京の新緑 青もみじ2017(京都市観光協会)
https://www.kyokanko.or.jp/aomomiji2017/
青もみじ散策中に楽しめる和菓子の水無月
この青もみじのお散歩中に出会ったのが「水無月」という和菓子です。京都の人は必ず6月30日にこのお菓子を食べるそうです(筆者は見るのも食べるのも初めてでした)。
6月30日「夏越祓(なごしのはらえ)」をする禊ぎの日に食べる和菓子
6月30日は、夏越祓(なごしのはらえ)をする禊ぎの日で、半年間の身の汚れを祓い、来たる半年の清浄を祈念し、京都ではこの日に「水無月」を食べる習慣があるのだとか。
外郎(ういろう)が三角の形をしている理由
この和菓子は、三角の形にした外郎(ういろう)に小豆が載っているのですが、なぜ三角の形をしているのかというと、白い外郎が氷をあらわしているのだとか。昔は冷凍庫などなく、氷は庶民にとって高価なものだったので、氷を外郎で象り、涼を感じられるお菓子として出されるようになったものが今も残っているそうです。
青もみじを眺めながら、この水無月を食べていると、ちょっぴり京都にこなれた人のような気分になれます。
青もみじを楽しもう
5月から始まる鴨川の納涼床もセットで体験できるシーズンなので、青もみじで涼んだ後、川床でランチ、というコースで京都を満喫するのも風情があってよいのではないでしょうか。
秋の京都で紅葉を楽しんだことのある方も、一味ちがった夏の「青もみじ」を味わってみてください。