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【京都】静かな水の郷で五感を磨く旅 〜「山崎蒸留所」「大山崎山荘美術館」

取材・写真・文:

フィンランド在住

2018年5月5日更新

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写真:Globe Hopper

インバウンドの観光客の増加にともない、京都の主要観光地はいつの季節に行っても混んでいる印象が年々強くなってきました。有名な寺社仏閣や庭園は、なかなか落ち着いてお詣りしたり鑑賞したりしにくい雰囲気…。今回は、市中の喧騒から少し離れ、ゆったりした時間の中で、京都らしい洗練された職人仕事や審美眼に触れることのできる、一味違う京都の楽しみかたをご紹介します。桜や紅葉の季節にはここも人出が多くなるようですが、それ以外のシーズンは人混みの苦手なトラベラーに特にオススメです。

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京都駅からわずか15分!山崎へ行こう 

京都の中心地から南西に10km、京都と大阪の境目の、宇治川と桂川が合流するあたりに大山崎という静かな町があります。JR京都駅からは東海道本線で6つ目、ものの15分ほどで京都市中の人混みが嘘のように静かな最寄り駅、山崎駅に到着です。

駅前は静か、ですがここから10〜15分歩くと、北東にはアサヒビールの所有する大山崎山荘美術館、西にはサントリーのウイスキー蒸留所があり、どちらも見応えたっぷり。この2箇所だけで十分に1日の旅を計画することができるでしょう。それぞれくわしくご案内します。

ジャパニーズ・ウイスキーの里、山崎蒸留所

山崎は古くから名水で知られているほか、温暖で川から霧が立ちのぼる湿潤な気候がウイスキーの仕込み・熟成にぴったりの土地とのこと。

ここで作られるシングルモルト・ウイスキー”山崎”は、近年様々な酒類のコンテストで受賞が続いており、年々世界でも評価が高まっています。最近では、海外での人気を受けて国内でも品薄から値段が上がってきているほど!その”山崎”の蒸留所を見学することができるのです。

  • 写真:Globe Hopper

見学ツアーは3種類

見学ツアーはこちらのウェブサイトから、簡単に予約ができますが、大変人気が高いので、3ヶ月ほど前から日程を決めて予約していくことをお勧めします。

筆者が取材時(2014年7月)には、無料の見学ツアーのみでしたが、現在は製造工程を見せてくれるツアー(1,000円)、映像資料などと合わせてさらに詳しく学べるツアー(2,000円)、案内なしで隣接のウイスキー館の見学ができる(無料)と3種類に分かれています。

有料のツアーには試飲も含まれています。無料ツアーには試飲はありませんが、次項でご紹介するテイスティング・カウンターで味見をすることができます。

  • 写真:Globe Hopper有料の見学コースでは写真の発酵タンクなどウイスキーを作っている工程を見ることができる。
  • 写真:Globe Hopper貯蔵庫の風景。ウイスキーの華やかな香りが空気中に漂っています。

試飲のできるライブラリ・バーがすごい

蒸留所内にあるウイスキー館では、これまでに作った何千本もの原酒のボトルや、広告キャンペーンの変遷など、日本にウイスキーが受け入れられ、広まってきた歴史を辿ることができます。レトロな広告ポスターもあり、目にも楽しい展示です。

  • 写真:Globe Hopperこれまでに作られてきた原酒のサンプル!まさにウイスキー・ライブラリ。
  • 写真:Globe Hopper日本にウイスキーを普及させるまでに、気の遠くなるような活動の積み重ねが会ったのです。

また、テイスティング・カウンターでは、1杯数百円〜で、いろいろなウイスキーを少しずつ味見することができます。熟成が進んで色づく前の原酒や、熟成樽の種類や、熟成年数の違いによるの味の変化を比べることができます。

職人さんの妥協なき仕事と時間が育む、ウイスキーの価値を存分に感じられる場所なのです。

  • 写真:Globe Hopper左の透明な液体が樽で熟成前のウイスキー。まだ味がとがっています。
サントリー山崎蒸溜所
大阪 / 工場・施設見学
住所:大阪府三島郡島本町山崎5-2-1地図で見る
電話:075-962-1423
Web:http://www.suntory.co.jp/factory/yamazaki/

収蔵品・建物・庭。魅力いっぱいの大山崎山荘美術館

”山荘美術館”は、加賀正太郎という趣味人の大富豪が、イギリスのウインザー城から見た風景に山崎の景観が似てると、この地を選んで建てたもの。その名の通り天王山のハイキングルートの途中にあり、坂を登らないと入り口にたどり着けません。訪問する際には歩きやすい靴がいいでしょう。

印象派絵画と民藝のコレクション

こちらの美術館は、日本でも人気の高い印象派の巨匠クロード・モネの『睡蓮』を所蔵していることで知られています。また、日常的な暮らしの中で使われてきた伝統的な手仕事の日用品の中に「用の美」を見出した、”民藝運動”の作家の作品も多く所蔵しています。

京都市内に記念館のある陶芸作家・河井寬次郎のうつわも、こちらでも見ることができます。その時々で企画展も行われています。

  • 写真:Globe Hopper館内は撮影禁止なので、外の写真を。庭にも睡蓮が。

収蔵品を引き立てる建物とこだわりのつまった庭

加賀正太郎自ら設計・建設した、どっしりとした山小屋風の本館に加え、安藤忠雄が設計した2棟の新館があります。新館のうち、地中館と呼ばれる地下に降りていく展示室にモネの『睡蓮』があります。ひんやりした無機質な打ちっ放しコンクリートの箱と、色彩豊かで感情に訴えかけてくる印象派絵画のコントラストが面白い空間です。

本館の方は、民藝の品々と馴染むどっしりとした木の骨組みや、ディテールのタイルや金具、レトロなシャンデリアなど、隅々まで加賀正太郎の美意識を感じることのできる空間。カフェの座席になっているテラスからの眺めも最高です。

  • 写真:Globe Hopper

これまた加賀正太郎の設計という庭もとても美しく手入れされており、水の豊かな山崎の自然を取り込んだような、京都らしい庭づくりのセンスを見て取ることができます。

美しい作品たちに触れ、一貫した美意識に触れ、お庭の自然で憩う。寺社仏閣を訪ね歩くのとはまた違う角度から、京都らしさを感じ取れる場所ではないかと思います。

  • 写真:Globe Hopper緑でいっぱいの庭。
アサヒビール大山崎山荘美術館
宇治・長岡京・木津川 / 博物館・美術館
住所:京都府乙訓郡大山崎町大山崎銭原5−3地図で見る
Web:https://www.asahibeer-oyamazaki.com/

おまけ:あの茶聖の庵がこんなところに

山崎の名水に魅せられたのは、当代の私たちにはじまったことではありませんでした。駅を出てすぐの妙喜庵という臨済宗のお寺には、わび茶を完成させた千利休が作った、唯一現存するものと言われている”待庵”という国宝の茶室があるのです。しかも、事前に申し込みをすれば見学ができるとのこと。ただし、訪問の1ヶ月以上前に往復葉書で問い合わせが必要な上、中には入れず、にじり口から見るだけになるそうです。

知らずにいったので、筆者は見学できずじまいでしたが、このような歴史ある建造物が何気なくあるのも京都の醍醐味。蒸留所見学の予約ついでに、一緒に申し込みをして見ると良いかもしれません。

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※この記事は2018年5月5日に公開した情報です。
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この記事を書いたトラベルライター

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国内・海外ともに、旅の目玉をひとつ決めたら、地図と交通ルートをザックリ掴んであとは現地の直感まかせ、そんな時間に追われすぎないヴァケイションが好きです。そして、日々の生活を離れる旅ならではの楽しみといえば、明るいうちからの”ちょっと一杯”。昼酒・昼呑みトラベラー目線の情報もたくさんお届けできたらと思っています!

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